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【eiicon支援事例/森永乳業・社内新規事業プログラム(3年連続)】数多くの事業案が事業化に向けて継続中!社内の風土変革にも大きく貢献したプログラムを、初年度から支援するeiiconへの評価は?

【eiicon支援事例/森永乳業・社内新規事業プログラム(3年連続)】数多くの事業案が事業化に向けて継続中!社内の風土変革にも大きく貢献したプログラムを、初年度から支援するeiiconへの評価は?

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森永乳業グループは2022年度から「非連続成長」というコンセプトを掲げ、新規事業戦略、そしてオープンイノベーション戦略の実行に取り組んでいます。

そして2022年4月には経営企画部内に「非連続的成長推進室」を発足させ、グループ初の社内新規事業創出プログラム「Mori“NEW”」を始動。ボトムアップでの新規事業創出と社内風土変革に取り組んできました。eiiconは、その初年度から3期にわたり、本プログラムを支援し続けています。

今回、「Mori“NEW”」の起案者である、非連続的成長推進室 室長 福井陽一氏に、eiiconの支援内容やその評価についてインタビューを実施しました。

▲新規事業プログラムを牽引している非連続的成長推進室のメンバー。写真左が、福井陽一氏(コーポレート戦略本部 経営企画部 非連続的成長推進室 室長)。

社内のガバナンスや課題を踏まえたカスタマイズされた提案が決め手に

――森永乳業では、2022年度より社内新規事業プログラム「Mori"NEW"」を運営していらっしゃいます。その取り組みを開始するに至った背景をお聞かせください。

福井氏 : 森永乳業は、自前の研究開発力と多様な営業網を強みにこれまで成長を続けてきました。しかし「中期経営計画2022-24」を策定するにあたり、ビジネス環境が大きく変わる中で本当にこのままでいいのだろうかという課題が経営陣から提示されたのです。

私自身、当時経営企画部として、企業文化を変えていくためにも何か仕掛けが必要なのではないかと考え、オープンイノベーションプログラムや新規事業創出プログラムなどの情報収集を進めているところでした。そこで、新たな取り組みとして上申することにしたのです。

――そのプログラムの運営支援会社として、なぜeiiconを選んでいただけたのでしょうか。

福井氏 : 実はeiiconとは、かなり前からコミュニケーションを取っていたんですよね。先日資料を整理していたら提案資料が出てきたのですが、2017年の日付でした!経営企画部に異動したばかりで、まさに新しい手段の情報収集を色々としていた時期から、不定期にお会いしていたんですよね。

ただ、複数社とコンタクトを取る中でeiiconに決めた理由は、将来的に私たちが自走できる体制を構築できるような提案をしていただけたからです。「Mori"NEW"」を始める際、外部の会社に永続的に伴走してもらうのではなく、仕組みやナレッジをしっかりと自社内に取り入れていきたいと考えていました。

そうした要望に対してeiiconは、何か決まったパッケージサービスを提案するのではなく、森永乳業のガバナンスや課題点を理解した上で、適切な提案をしていただけたのです。それまでeiiconが支援するアクセラレーションプログラムなどを見学して、具体的な支援イメージを描けていたこともポジティブな評価につながりました。また、コストバランスを見ても抜きんでていたことから、eiiconにお願いすることにしました。

――当初はオープンイノベーションプログラムを検討していたところから、社内での新規ビジネスコンテスト形式に転換した理由を教えてください。

福井氏 : はじめはスタートアップとのアクセラレーションプログラムも検討していたのですが、社内で話を詰めていくなかで、オープンイノベーションをしっかり受け止められる体制がないといった課題が明確になっていきました。

そこで、アクセラレーションプログラムは将来的な目標として、ファーストステップとして社内での新規事業プログラムを始める意思決定をしました。

特に初年度の“1人組織”において、eiiconのサポートが大きな助けに

――続いて、eiiconの具体的な支援内容のプロセスを伺います。プログラム初年度の2022年度はゼロから創り上げていったかと思いますが、eiiconのナレッジをどう活用いただけましたか。

福井氏 : 初年度は非連続的成長推進室が私1人の組織だったこともあり、eiiconの伴走があり非常に心強かったです。週次で定例の打ち合わせを設け、その中でスケジュールから逆算してすべきことを決め、スピーディーに進めることができました。

たとえば採択を決める審査基準ひとつとっても、初めての試みなので「この基準で本当に大丈夫か」と社内から懐疑的に見られる可能性があります。その際、eiiconから他社事例から抑えておかねばならないポイントはもちろん、森永乳業らしさも含めて確認をしていただけたこともあり、社内調整に大きな抵抗はありませんでした。

※社内新規事業創出プログラム「Mori“NEW”」の流れ

・ビジネスアイデア募集(起案を検討している社員向けのセミナー等も実施)

・選考/選抜

・アイデアブラッシュアップ(ユーザーヒアリング等)

・アイデアブラッシュアップを行う2日間の「BUSINESS BUILD」イベント

・インキュベーション(PoC・仮説検証等)

・DEMO DAY(事業化に向けた取り組みの継続判断を行う経営層による審査会)

――新規事業プログラムには社内の巻き込みも重要となりますが、そこでeiiconの支援がどのように役立ちましたか。

福井氏 : 初年度にBUSINESS BUILDというコンパクトなスキームを設計いただく中で、外部メンターの方々をアサインいただき、その豊富なご経験からの視点を授けていただいた点です。起案者だけでなく経営陣にとっても刺激になったように感じます。

BUSINESS BUILDで白熱したディスカッションが繰り広げられ、起案した社員が想いを込めてプレゼンテーションをする姿も、「これまでの社内イベントとは全然違う」と驚いていましたし、経営陣がこの取り組みを後押ししてくれた大きなきっかけになったと思っています。

アイデアのブラッシュアップを行う2日間の「BUSINESS BUILD」イベントの模様

※「BUSINESS BUILD(ビジネスビルド)」とは……

森永乳業起案者・森永乳業社内協力部門・eiiconメンター・外部メンター(VC/有識者)・森永乳業役員が一堂に会し、ビジネスプランをブラッシュアップしていく2日間。

――2022年以降、2期目3期目とeiiconを継続して選んでいただいた決め手を教えてください。

福井氏 : ひとつは、最初にお願いをすることに決めた理由でもあった、形式知化したいという所です。ナレッジを活用したり蓄積したりするという観点だと、同じ会社に伴走をしてもらった方が、効率的だと考えました。

もうひとつは、次につながる提案をしていただけたことです。「1回目がだいたいうまくいったから、次も同じ内容で」という方が、失敗もすくなく提案コストも下がりますから、eiiconにとっては楽だったと思います。

しかしeiiconはそのようなことはせず、あえて「これは次回もこのままでいいのでしょうか」と、中長期的な視点で課題を提起してくれました。だからこそ、今後もご一緒したいと思えたのです。

新たな文化が根付きつつある実感、そして今後の取り組みは――

――今回のご支援で得られた成果について教えてください。

福井氏 : 「Mori"NEW"」は、2022年度から2024年度までの3年間で、合計280件弱の提案が集まりました。検討段階の頃には、「1年で30~50件集まればありがたいな」というイメージをしていたので、それに比べると非常に多くの応募数でした。

また、こうした社内ビジネスコンテストは、回数を重ねるごとに同じ人ばかりが応募する内輪だけのコミュニティになったりしがちですが、「Mori"NEW"」は新規応募者が多く、3回目も4割が初めて起案してくれた社員でした。これは、社内に「Mori"NEW"」の取り組みが認識されているということですし、もっといえば新しい文化が根付こうとしている証左だと思います。

――採択された提案の進捗状況はいかがでしょうか。

福井氏 : いずれもまだ事業化には至っていない状況です。これは個人的な反省点なのですが、外部リソースも活用しながらスピードをもっとあげていきたいという本音があります。現状、IoTホイップやスキンケアのプロジェクト等については、行ったり来たりはしているものの試作品の開発などを進めています。

――eiiconの支援に対する満足度についてお聞かせください。

福井氏 : 率直に、3年間お願いしてよかったと感じています。eiiconって、すごく熱い会社だと思います。こちら側の想いやニーズをしっかりと汲み取り、後押しをしてくれることはもちろん、社外の人にもかかわらず同じ社員のような熱量で接してくれるので、本音で色んな相談ができますね。

実際に、支援をいただく前のイメージだと、「オープンイノベーションが得意な会社」だったんです。ですから、今回オープンイノベーションではなく社内新規事業プログラムとなった時に、「本当にeiiconでいいのか」という気持ちがまったくなかったわけではありません。

しかし、実際にご一緒して感じるのは、さまざまな専門性を持つ方が在籍し、色々なニーズに応えてもらえるということです。それに、スタンスとして特定の領域に強い会社の場合、顧客の話をじゅうぶん聞かず「それならオープンイノベーションが最適ですね」と、自社の得意な手段に結び付けてしまいがちだと思うんです。

eiiconはそのようなことはなく、しっかりとこちらの話をしっかり聞いたうえで「それならば、まず社内での新規事業創出にしっかりと軸足を置くべきですね」と話していただきました。そういった、顧客起点で提案する姿勢も信頼に値すると思います。

――ありがとうございます。それでは、今後の新規事業開発の方向性についてお聞かせください。

福井氏 : この3年、想定外の出来事もたくさんありましたが、社内外の多くの方にご支援をいただき、新しい取り組みを一定程度定着させることはできたと思います。新しいことを考えるには、形式知化はもちろんですが、それ以上に社内外での仲間づくり、人とのつながりが本当に大切です。それが広がったのも、eiiconの支援あってこそですね。

これをベースにして、今後さらに能動的なアプローチを取りたいと考えています。新規事業開発もスタートアップ連携も、ボトムアップの提案を待つだけではなく、プッシュ型で進めていく必要性を感じています。一方で、「Mori"NEW"」というプログラムは、若手社員育成や文化醸成のためにも継続していきたいですね。

今回のプロジェクトにおけるeiiconコンサルタント

※『森永乳業G社内新規事業プログラム』に関するインタビューやレポート記事は、eiiconが運営するメディア「TOMORUBA」に掲載されています。あわせて、ご覧ください。

― 第1期(2022年度) ―

●スキンケア、子育て世代支援、洋菓子製造の自動化、酪農家支援――森永乳業グループの新たな事業の柱は生まれるか?森永乳業グループ社内新規事業創出プログラムの全貌と成果。

https://tomoruba.eiicon.net/articles/4023

取材後記

福井氏の「社内の風土・文化を変えたい」「チャレンジする社員が報われる仕組みをつくりたい」という強い想いが伝わってくるインタビューでした。実際の応募数を見ても、審査会での熱量を見ても、想いがしっかりと社員に伝わっていることが分かります。イノベーションを創出する手法はいくつもありますが、まずその土台として社内風土変革が不可欠です。eiiconでは、オープンイノベーションに限らず、そうした企業が抱えるニーズや課題に合わせた提案が可能です。社内新規事業プログラムの支援実績も豊富で、企画段階から支援してほしいというニーズにもお応えしていきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください

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