物流業界のラストワンマイルDXベンチャー・ウィルポート、セイノーHDとの業務提携を含む第三者割当増資による資金調達を実施
物流業界のラストワンマイルDXベンチャー・ウィルポート株式会社は、セイノーホールディングスとの業務提携を含む第三者割当増資による資金調達が完了した。
ウィルポートは今回の第三者割当増資で調達した資金を用いて、狭商圏共配送のラストワンマイルDXによる異なる伝票を同時に一本化するシステム「Polaris Navi」を提供し、ラストワンマイル配送をより効率化する取り組みを推進していくという。資本参加により、セイノーHDは配送システムと現場の配送におけるそれぞれの強みを活かし、2024年問題や人材不足といったラストワンマイルにおける社会課題の解決に貢献することを目指し、より強固な業務提携を推進していく。
ラストワンマイルDX「PolarisNavi」について
狭商圏共同配送DXを実現し、スムーズに稼働させるためにOLPを構築。配送管理システムや、収益、顧客の管理、荷物とドライバーのマッチング、IoT宅配ボックスなど、多彩なソリューションを実装しラストワンマイルを飛躍的に変化させるという。伝票発行システムをベースに、荷物、お届け先の情報などをデータ化。さらに配送するドライバーの情報、最適な配送ルートの検索などを組み合わせて一元管理できるラストワンマイル配送に最適化されたシステムである。
https://www.willport.co.jp/lastonemiledx/
セイノーホールディングス 執行役員 ラストワンマイル推進チーム担当 河合秀治氏のコメント
ラストワンマイル領域において、宅配便取扱量は直近の10年間で約12億個増加しており、2035年には年間88億個に達するとの予測が発表されております。加えて、日本における買い物弱者は農林水産省の推計では850万人超とされており、日用品・食料品の即時宅配サービスは、生活に欠かせないラストワンマイルのインフラサービスになっています。一方で、ラストワンマイル領域における運び手不足は解消されておらず、2024年には自動車運転業務の労働上限時間制限により運び手不足がさらに深刻となる、いわゆる「2024年問題」への対応も迫っており、『荷物が当たり前に届く』という物流の根底が崩れる危機に瀕しています。セイノーHDは、社会インフラとしての環境・産業・生活への貢献、効率化、質の向上につながるオープン・パブリック・プラットフォーム(O.P.P.)※の構築を進めており、特にラストワンマイル領域においては買い物弱者対策や第2の宅配クライシス等の社会課題解決を積極的に推進しています。グループ会社のココネットは、買い物弱者支援として食品の配送「お買い物サービス」やご用聞き、見守りといった地域のコンシェルジュ機能を提供しており、ハーティスト(食品・日用品のお届けスタッフ)を北海道から沖縄まで全国38都道府県に展開しています。ウィルポートの得意としてきた狭商圏のラストワンマイル共同配送に特化したノウハウとシステムを活用した生活支援物流を支えるラストワンマイル配送プラットフォームにより、ドライバーが働きやすい環境を構築し、『荷物が当たり前に届く』を持続可能にするため、当社とウィルポートがそれぞれ構築してきた配送ネットワークを共有し「オープン型ラストワンマイル配送プラットフォーム(O.L.P.)」の全国展開を推進していきます。
ウィルポート株式会社代表・藤原康則氏のコメント
ラストワンマイル配送の課題解決には、DXがかかせない!物流の中でも私たちウィルポートが取り組んでいるのは、荷物をお客様に手渡すラストワンマイルと言われる領域です。差し迫る「2024年問題」や「荷物が当たり前に届く」という物流の根底が崩れようとしている今、このこれらの諸問題を解決のためには、ラストワンマイル配送のDX化がカギを握ると考えています。ラストワンマイル物流のデジタル化を進めることによって事業効率が飛躍的に高まり、配送そのものの質やサービスも劇的に変化していくことでしょう。そうしたことから私たちはラストワンマイルに特化したシステムの開発を進め、誰もが利用できるオープン型ラストワンマイル配送プラットフォームとして広く展開していこうと考えています。ウィルポートは広島で創業し、現場の物流DX化に力を入れながら地域に根ざした配送サービスを展開する地域物流を担ってきました。現在も地元のスーパーや商店でお買い物をした荷物をご自宅までお届けする生活支援物流、荷主様から荷物をお預かりして配達する受託物流の2つを柱に取り組んでおり、荷主やお客様から高いご評価をいただいています。この成功体験がウィルポートの原点です。今後、増資で得た資金とセイノーグループのネットワークや知見を活用して、更にシステムの増強のスピードを速めると共に、両社のみならず多くの荷主や配送会社に利用していただけるオープン型ラストワンマイル配送プラットフォームとしての全国展開を広め進めていきたいと考えています。この取り組みを通して、2024年問題や物流クライシスの軽減など社会的な課題に取り組んでいきたいと考えています。
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