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レベニュー・ベースド・ファイナンスのYoii、シリーズAラウンドにて総額8億円の資金調達

レベニュー・ベースド・ファイナンスのYoii、シリーズAラウンドにて総額8億円の資金調達

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レベニュー・ベースド・ファイナンス(以下RBF)のプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営する株式会社Yoiiは、Emellience Partnersをリード投資家として、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、FFGベンチャービジネスパートナーズ、他既存投資家5社を引受先とする第三者割当増資により、約8億円の資金調達を実施。これにより、累計調達金額は約14億円となった。デットでもエクイティでもない新たな資金調達手段の提供を通じて、スタートアップの成長を支援していくという。

資金調達の背景と目的

昨今、日本政府による「新しい資本主義」の推進にあたり、経済発展のためには社会的課題の解決と持続可能な経済社会を実現するスタートアップの育成が重要とされており、昨年2022年には政府によって「スタートアップ育成5ヵ年計画」が掲げられる等、同領域の成長支援への注目が高まっている。しかし、現在の日本国内におけるスタートアップの成長率やユニコーン企業(企業価値10億ドル以上の未上場企業)の数は、米国や欧州に比べて低く、更なる支援が必要とされている。成長の妨げとなるひとつの要因として、スタートアップの資金調達については、エクイティファイナンス(株式による調達)またはデットファイナンス(金融機関からの借入による調達)によるものが主流であり、アーリーステージのスタートアップにとっては株式の希薄化や借入時の担保などの観点から調達ハードルが高いケースが存在している。

Yoiiは、挑戦を試みるスタートアップに資金が行き渡り、スタートアップの成長を加速するため、まだ評価されていない企業価値を評価し柔軟な資金提供を行う方法として、レベニュー・ベースド・ファイナンス(以下、RBF)に着目し、RBFプラットフォーム「Yoii Fuel」の開発を行っている。世界的に見ると、RBF市場規模は2023年に$3.38B(約4,838億円、1ドル=146.6円換算)に到達、27年には$25.94B(約3.8兆円)まで拡大すると予想され、 エクイティやデットによる調達を補完する役割として、今後は国内でもよりRBFへの注目が高まっていくと考えられる。 2023年に入り、金融庁でも新たに事業成長担保権が検討される等、融資や資金調達の条件として過去の資産ではなく、「未来」の資産に目を向けスタートアップを後押しする動きが高まっている。

Yoii Fuelの広がりも加速しており、2023年 11月末時点で、導入企業数は昨対比約205%、RBF実行額約260%、商談数約250%となっている他、利用企業層については、スタートアップに留まらず約30%は中小企業が占めており、今後は更に幅広い地域・業種の中小企業へのサービス提供も強化していくという。

より多くのスタートアップや中小企業の挑戦支援を加速すべく、国内におけるRBF導入のパートナーとして「起業家の野心によりそう」ことを目的に、今回の資金調達を実施した。

RBFプラットフォーム「Yoii Fuel」の特徴

「Yoii Fuel」は、将来発生する収益からいま必要な成長資金を調達できるRBFを提供するプラットフォームである。必要な手続きは全てオンラインで完結し、希薄化が生じず、個人保証や担保も要することなく「いま必要な成長資金」を確保できる。RBFの特長に加え、それらを実現する「Yoii Fuel」には以下の特長がある。

(詳細は「5分でわかるRBF」:https://yoii.jp/posts/revenue-based-financing)

・効率的・スピーディーな審査の実現

全ての手続きがオンラインで完結することに加え、自社独自の機械学習を搭載したリスクモデルによる評価の自動化や、金融機関での審査経験を持つ専門スタッフが審査を行うため、エクイティファイナンスだと平均3〜6ヶ月かかる審査から着金までのプロセスを最短4営業日で実施する。リソースの限られるスタートアップにおいて、経営陣のコミュニケーションコストも最小限に抑えることができる。

・5点の財務データの提出で完結する簡単な手続き

営業、システム開発、採用、財務など厳しいプレッシャーの中、複数の仕事をマルチにこなす多忙なスタートアップ企業の準備工数を最小限で抑えられるよう、5点ほどの財務データの提出で手続きが完結する。申込に掛かる作業時間は約30~60分程度で、新規に事業計画等を作成頂くことも不要である。また、freeeをはじめとする外部ツールと連携させることで自動で財務データを提出することができる。2023年4月にはプロダクトのUI/UXをリニューアルし、よりスムーズな手続きを実現する直感的な操作も担保している。

導入企業各社コメント

株式会社10X 取締役CFO 山田 聡 氏

とにかくコミュニケーションコストが低い。当社から提供する情報も本質的なものが中心で、それで審査いただけるのは、調達コストやコミュニケーションコストの文脈でも非常にリーズナブルだと感じました。

株式会社EISHIN 代表取締役CEO 五十嵐 大士 氏

すでに4回使っており、スピード感やサポート体制にはとても満足しています。リードタイムが従来の金融機関より圧倒的に短いため、高頻度で利用できることもありがたいです。

導入企業例:株式会社10X、株式会社EISHIN、株式会社FABRIC TOKYO、株式会社ジラフ、株式会社バイオフィリア、他SaaSやDtoCビジネスを中心に多数

今後の展望

今回の調達を契機とし、営業体制の強化やプロダクトの追加開発を行うことで、より多くのスタートアップがRBFを活用できる環境を構築するという。

まずは多くの企業導入を安定的に実現する組織体制を強化するため、事業開発部門の採用を積極的に行っていくという。また、多様なスタートアップの企業フェーズやニーズに合わせたRBFのメニューを充実化させると共に、プロダクトの更なる開発にも投資を行っていくという。

これらの取組を通じ国内におけるRBFの更なる普及と「資産の流動性を上げ、挑戦する起業家・企業の成長を後押しする」というミッションの実現を加速していくという。

資金調達の概要

Emellience Partnersをリード投資家とし、プレシリーズAにおける既存投資家に、新規に伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、FFGベンチャービジネスパートナーズが加わり、合計8社から8億円の資金調達を実施した。FFGベンチャービジネスパートナーズにおいては、地方スタートアップの育成も視野に拡販におけるパートナーシップについても協議していくという。

シリーズA資金調達額:8億円

累計資金調達額   :14億円

第三者割当増資引受先(順不同):

Emellience Partners株式会社

伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社

株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 

三菱UFJ信託銀行株式会社

インクルージョン・ジャパン株式会社

One Capital株式会社

東京大学共創プラットフォーム開発株式会社

農林中金イノベーション投資事業有限責任組合

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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