蓄電池製品/電気運搬船などの製造・開発を手がけるパワーエックス、シリーズB全体で46.2億円の資金調達を実施
株式会社パワーエックスは、シリーズBの後半として新たに27.1億円に及ぶ資金調達契約を締結。7月に発表した本資金調達ラウンド前半分の調達を合わせると、計46.2億円の資金調達となり、シリーズBラウンドを完了。これにより、同社の累計資金調達額は約152.6億円となる。
同社は、こうした結果を同社および同社事業に対する大きな期待によるものと認識し、自然エネルギーの爆発的普及の実現に向け、蓄電、送電技術の進化に向けた新規事業の展開に邁進するという。
今回の資金調達に参画した投資家
1.シリーズAラウンドからの既存投資家による追加投資
▪日本瓦斯株式会社
▪Frontive Holding
▪森トラスト株式会社
▪Japan Airlines & TransLink Innovation Fund, L.P. (JAL Innovation Fund)
2.シリーズBラウンドでの新規投資
▪石油資源開発株式会社(JAPEX)
▪株式会社安川電機
▪NEC and Translink Orchestrating Future Fund, L.P.
尚、シリーズB全体の資金調達では、三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券株式会社がフィナンシャル・アドバイザーとして支援。
今回の調達資金の用途
本ラウンドで調達した資金は、蓄電池製品の研究開発や、岡山県玉野市に建設中の国内最大級規模の蓄電池工場「Power Base」の製造設備導入費用などに充てられる予定。
同社事業の進捗と今後の見通し
本ラウンド前半の調達完了を発表した7月から、同社の事業は順調に進捗しており、以下のような予定していたマイルストーンを達成。
2023年8月15日に、岡山県玉野市に建設していた『Power Base』のモジュール工場の建物部分が竣工した。今後は製造設備の導入を進め、年内の試験稼働開始を目指すという。
蓄電池製品の販売においては、正式注文の案内を進めている。東急不動産株式会社が運営する埼玉県東松山市の「TENOHA東松山」の系統用蓄電池事業や、株式会社オリンピアが新たに開発する群馬県太田市と伊勢崎市の蓄電所事業などで、同社が開発・生産する系統用蓄電池システムが採用された。
蓄電池型超急速EV充電器『Hypercharger』のStandardモデルとCompactモデルで、国際標準規格CHAdeMOの最新プロトコルである2.0.1認証を取得した。これらの製品は、今夏より同社のEVチャージステーションなどに設置される予定。今回の認証取得により、日本において一般的な数多くのCHAdeMO対応のEVを安心して充電できるという。
蓄電所開発及び再生可能エネルギーの供給では、太陽光発電所開発大手のウエストグループと業務提携を締結。2025年春までの目標として、合計200MWhの蓄電所および30MWの太陽光発電所を日本国内に共同で開発する。同社は再生可能エネルギー電力の供給及び蓄電所運用を担う。
電気運搬船事業では今年5月に発表したパートナーシップに加えて、北海道室蘭市と連携協定を締結。電気運搬船と蓄電地の利活用を通じた、室蘭港におけるカーボンニュートラルポート目指し、同港を電気運搬船の運用においてを北海道における拠点港の一つとしての利用することなどを、共同で検討するという。
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