建設業向けBPaaSを提供するフォトラクションが17億円の資金調達を実施
建設業向けのBPaaS(SaaS + AI-BPO)『Photoruction(フォトラクション)』の開発および運営を行う株式会社フォトラクションは、IFAC合同会社(福井コンピュータホールディングス株式会社のコーポレートベンチャーキャピタル)、SMBCベンチャーキャピタルをリード投資家とし、新規投資家、既存株主を引受先とした第三者割当増資を実施した。あわせて株式会社商工組合中央金庫からの融資も含め、総額約17億円の資金調達を実施。なお、創業からの資金調達は本ラウンドにて約38億円となる。
PhotoructionはSaaSからBPaaSへと進化
建設業界は2024年4月に「働き方改革関連法」が適用され、時間外労働時間に罰則付きで上限が設けられる。そのため生産性向上は喫緊の課題となっており、各社ともテクノロジーへの投資が盛んに行われている。フォトラクションは、2017年11月より建設現場の生産性を向上する建設業向けSaaSとなる 『Photoruction』 を提供し、現在では大手ゼネコンをはじめ20万を超える建設プロジェクトで導入されている。多くのユーザーに『Photoruction』が利用される中で、課題もいくつか見られたという。特にSaaSを用いて黒板や図面などのアナログ・物理情報のデジタル化はできるものの、工事現場ごとに標準化された仕組みがない業務プロセスは効率化ができないという点において、フォトラクションは『検査の準備』 『施工計画書の作成』 『工種別黒板管理』などの建設業独自の業務プロセスを標準化するAI-BPOサービス(建設BPO)の提供を2022年10月より開始。SaaSとAI-BPOを組み合わせSaaSからBPaaSへと進化することで、建設生産をテクノロジーで標準化し、業界課題を解決する建設プラットフォームへと進化を遂げていくという。
資金調達の背景と目的および今後の展開
フォトラクションは20万を超える建設プロジェクトへの導入や、「Technology Fast 50 2022 Japan」において、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率ランキングで国内12位を受賞するなど急成長を実現。今後さらなる産業貢献と売上成長率を継続するため4つの成長投資としてプロダクトとテクノロジー、およびそれを実現するための組織と人材に投資をするために今回の資金調達を実施した。
1.プラットフォームへ進化
デザインシステムやAPI、インフラなどシステムを構成する共通基盤を強化することで、より安心・安全に使えるサービスを目指すという。
2.バリューチェーンの拡大
工事着工前の書類作成ツールや、社内データの可視化など、Photoructionが支援できる範囲を拡大。
3.オペレーションの増強
建設BPOのメニュー数を増やすことはもちろん、他社サービスとの連携も見据えて更なる発展を目指していくという。
4.リレーション基盤の強化
カンファレンスへのスポンサードをはじめ、自社イベント、業界団体への貢献、産学連携コミュニティの形成などに関する活動を積極的に実施する。
加えて、建設テック企業としては国内初の上場企業であり、現在も最大手となる福井コンピュータホールディングスと共創をすることで、より広い領域で建設業界の課題解決を実施。営業マーケティングをはじめ、住宅分野、土木測量分野におけるプロダクト共同開発、BIMテクノロジーを中心としたソリューション連携など、幅広い領域においての協業を検討していくという。
引受先(敬称略、順不同)
<既存株主>
SMBCベンチャーキャピタル株式会社
DBJキャピタル株式会社
株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)
株式会社ウィング・キャピタル・パートナーズ
GMO VenturePartners株式会社
みずほキャピタル株式会社
<新規投資家>
IFAC合同会社
北陸地域ベンチャーファンド(株式会社QRインベストメント/株式会社Carbon Ventures)
ヒューリックスタートアップ株式会社
山口キャピタル株式会社
大分ベンチャーキャピタル株式会社
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