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6回目となる『日本オープンイノベーション大賞』が公募開始――過去5回の受賞プロジェクトを振り返る

6回目となる『日本オープンイノベーション大賞』が公募開始――過去5回の受賞プロジェクトを振り返る

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内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局は、第6回となる『日本オープンイノベーション大賞』の公募を開始した(公募期間: 7月31日(月)12:00まで)。

『日本オープンイノベーション大賞』とは、組織の壁を越えて知識や技術、経営資源を組み合わせ新しい取組を推進するオープンイノベーションのロールモデルとなる先導的または独創的な取組を表彰、発信することにより、オープンイノベーションをさらに普及させ、日本のイノベーション創出を加速することを目指して実施されている。

なお、今回公募がスタートした『第6回 日本オープンイノベーション大賞』は、従来の産学官連携のみならず、産産連携や市民、ユーザー等が参画したオープンイノベーション等の幅広い連携についても対象とし、多様で新規的な取組についても称えることで、日本国内のオープンイノベーションの拡大を図るということだ。

表彰の対象は以下の3つと設定されている。

①連携の工夫や仕組みづくり等において優良な事例又は着想

科学技術イノベーション創出に係る活動において、外部と連携する際の工夫や仕組みづくり等において先導性又は独創性が認められるもの

②将来の社会や産業の在り方に革新をもたらすこと等が期待される事例又は着想

持続可能な開発目標(SDGs)をはじめ、現在から将来に渡り存在する若しくは出現することが予想されるニーズや課題の解決等を通じて、社会や産業の在り方に革新を起こすことが期待される先導的又は独創的なもの

③その他科学技術イノベーション創出に係る活動の推進に資する事例又は着想等

その他、科学技術イノベーション創出に係る活動の推進に多大な貢献若しくは他の模範となることが期待されるもの

また『日本オープンイノベーション大賞』では、政府各省庁の担当分野ごとに大臣表彰、長官表彰をするとともに、経済団体、学術団体の会長賞の表彰を実施。さらに、各賞の中で最も優れたものを内閣総理大臣賞として表彰する。具体的には以下の通りだ。

内閣総理大臣賞、科学技術政策担当大臣賞、総務大臣賞、文部科学大臣賞、厚生労働大臣賞、農林水産大臣賞、経済産業大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞、スポーツ庁長官賞、日本経済団体連合会会長賞、日本学術会議会長賞、選考委員会特別賞

――『日本オープンイノベーション大賞』は平成30年度(2018年度)から開催されているが、これまではどのようなプロジェクトが大賞を受賞してきたのだろうか。今回、第6回の公募が開始するタイミングで、これまでの受賞プロジェクトを振り返っていく。

内閣総理大臣賞を受賞したプロジェクトとは?

『日本オープンイノベーション大賞』の中でも、最も優れたものに贈られる内閣総理大臣賞。第1〜5回に同賞を受賞したプロジェクトの概要や効果について紹介する。

■第1回(平成30年度) 日本オープンイノベーション大賞

内閣総理大臣賞 : 超多項目健康ビッグデータで「寿命革命」を実現健康する未来イノベーションプロジェクト

<受賞者>

中路重之(弘前大学特任教授)、村下公一(弘前大学教授)、井原一成(弘前大学教授)、 工藤寿彦(マルマンコンピュータサービス(株)常務取締役)、安川拓次(花王(株)エグゼクティブフェロー)

<概要>

日本一平均寿命が短い青森県。住民健診から得られた2,000項目の健康ビッグデータを、多様なチームが分析し、革新的な疾患の予兆法・予防法の開発に取り組む。50以上の企業・研究機関が「寿命革命」を旗印に 強固に連携し、約50種の疾患・病態の発症予測モデルや関連事業を開発。

<効果>

民間投資は年間約3億円、推計で経済効果約242億円、雇用創出約1,812人、医療費抑制約527億円を見込む。さらに2017年の男性平均寿命の伸び率が全国3位を記録し短命県の返上に向けて着実に前進。

※各賞の詳細はこちら

 

■第2回(令和元年度) 日本オープンイノベーション大賞

内閣総理大臣賞 : 汎用的「知能ロボットコントローラ」の開発

<受賞者>

滝野一征((株)MUJIN CEO兼共同創業者)、荒本雅夫(川崎重工業(株)ロボットビジネスセンター技術総括部開発部)、丸 山章((株)不二越ロボット開発部ロボット開発戦略部副部長)、村田健二(三菱電機(株)名古屋製作所ロボット製造部開発二課専任)、和田慎((株)安川電機ロボット事業部制御技術部次長)

<概要>

従来、個別にソフトウェアプラットフォームを展開していた産業用ロボット業界で、世界で初めて 異なる各メーカーのロボットの直接制御で統一制御でき、知能化(プログラミングなしで作動)で きる「知能ロボットコントローラ」(MUJINコントローラ)を開発。ロボット市場の拡大に大きく貢献。

<効果>

これまでに知能ロボットコントローラの販売台数は世界で560台を突破。物流用3Dビジョンシス テム累計では370セットで世界一。物流知能ロボットソリューションでは最大1/20の人件費削減 が可能になるなど、ロボット市場の拡大と労働力不足問題に大きく貢献。(株)MUJINもスタート アップ企業として世界に向けて大きく成長。

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■第3回(令和2年度) 日本オープンイノベーション大賞

内閣総理大臣賞 : 社会的意思決定アルゴリズムのオープンソース開発& 実装基盤

<受賞者>

成田悠輔(イェール大学助教授、半熟仮想(株)代表取締役)、粟飯原俊介(半熟仮想(株)共同創業者技術統括、 (株)ZOZO Technologies ZOZO研究所アドバイザー)、齋藤優太(半熟仮想(株)共同創業者科学統括、東京工業大学学 部4 年)、松谷恵((株)ZOZO Technologies ZOZO研究所ディレクター)

<概要>

Eコマース・金融から、医療や教育まで広く使われるAIによる意思決定アルゴリズムの性能評 価技術を、日米の大学(イェール大学、東京工業大学)、大企業(ZOZO)、スタートアップ(半熟 仮想)の連携により開発、無償公開して、AIの社会実装を促進する。

<効果>

ファッション推薦アルゴリズムの性能(クリック率)を、従来のアルゴリズムより40%以上改善する とともに、アルゴリズムの継続改善を進めていくための開発工数を従来に比べて30%削減。技 術を無償公開したことから、今後幅広い領域の意思決定の最適化、自動化に寄与。

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■第4回(令和3年度) 日本オープンイノベーション大賞

内閣総理大臣賞 : 産学官連携によるアバター技術(遠隔存在技術)の宇宙開発/事業への活用と培われた技術による地上の課題解決を実現する取組

<受賞者>

深堀 昂( avatarin (株) 代表取締役CEO)、梶谷 ケビン (avatarin (株)取締役COO)、市川 千秋 ((国研)宇宙航空研究 開発機構(JAXA) J-SPARCプロデューサー)、林孝憲(大分県先端技術挑戦課 副主幹)

<概要>

アバター技術(遠隔存在技術)を活用した宇宙開発・利用関連事業の創出を目指す「AVATAR Xプログラム」を立ち上げ、大分県を始め約35社による産官学連携によるコンソーシアムを発足。宇宙における「探す」、「楽しむ」、「建てる」、「暮らす」、「衣食住」の分野において各社の強みを 生かした新規事業を検討。

<効果>

2020年11月に世界初となる、「きぼう」に設置される宇宙アバターを約400名の一般の方が街 中から操作する技術実証を実施。その他、2020年度に延べ100件ほどの地上アバター実証を 実施しコロナ禍における幅広い分野で社会的ニーズに貢献。

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■第5回(令和4年度) 日本オープンイノベーション大賞

内閣総理大臣賞 : 高専生の技術とアイデアでアフリカの社会課題解決を目指す「JICA高専オープンイノベーションチャレンジ」

<受賞者>

村上 祐貴((独法)国立高等専門学校機構長岡工業高等専門学校 環境都市工学科 教授)、若林 基治((独法) 国際協力機構(JICA) コートジボワール事務所 所長)、 小林信行(NPO法人長岡産業活性化協会NAZE事務局 常務理事)、渡利 高大(長岡技術科学大学 技学研究院 助教)、坂田 道志(デロイトトーマツ グループ マネジャー)

<概要>

JICAがアフリカの社会課題をテーマに課題を提供し、高等専門学校の学生がチームを組んで、創造力と 技術力を駆使して課題解決に取り組むプログラム。

<効果>

現地連携先から、高専生のプロトタイプは課題解決に有効でありアフリカの社会課題解決、高専生の能力に ついて技術、課題分析、発想力を高く評価。特にケニアでは企業が独自に資金調達しスケールアップを達成。

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▲第5回 日本オープンイノベーション大賞 授賞式の様子(画像出典:独立行政法人国立高等専門学校機構プレスリリース

さいごに

6回目を迎える『日本オープンイノベーション大賞』の提出書類の様式および提出先は以下のWebサイトから取得〜確認できる。また、提出期限は、令和5年7月31日(月)12:00必着となるので、合わせて確認していただきたい。

https://www8.cao.go.jp/cstp/openinnovation/prize/2023.html 

なお、選考〜発表の予定は以下の通りだ。――『第6回 日本オープンイノベーション大賞』では、どのようなプロジェクトが受賞するのだろうか。来年の発表に注目したい。また、その結果はTOMORUBAにて紹介する予定だ。

▼公募期間:令和5年6月30日(金)~令和5年7月31日(月)12:00

▼選考期間:~令和5年12月

▼受賞者の発表:令和6年1月頃予定

▼表彰式:令和6年2月頃予定

(TOMORUBA編集部)

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