月面探査車YAOKIを開発するダイモン、プレシリーズAで総額1.4億円の資金調達
月面探査車YAOKIを開発する株式会社ダイモンは、プレシリーズAラウンドで総額1億4000万円の資金調達を実施。
株式会社ケップルキャピタルが運営するファンド「ケップルDX1号 投資事業有限責任組合」を引受先とするエクイティファイナンス、および複数の金融機関からの融資により、調達額の総額は1億4000万円となる。
今回の資金調達により、今後の月面ミッションに向け、更なる技術開発を加速していくという。
YAOKIの事業について
同社では超小型・超軽量の月面探査車YAOKIを開発し、今後の月開発に向けた月面ミッションに挑戦すると共に、安価で高頻度に利用できる月面実験プラットフォームとしてサービスを提供している。継続的に複数台の機体を月に送り込み、様々な企業による月面での実証・実験およびデータ取得を実施する。
1回目のミッションとして、2023年秋以降に米Intuitive Machines社の月着陸船Nova-CにYAOKIを乗せ、月の南極付近に送り込む。月面着陸後、YAOKIは地球からのリモート操作による月面走行および月表面の接写画像データの獲得など、超小型ロボットによる月面運用を実施するという。
2回目のミッションは、米Astrobotic Technology社と月輸送契約を締結済みで、2024年以降の実施を予定。その後も継続的な機体の打ち上げを計画し、月輸送契約について交渉を進めているという。
YAOKIが提供する価値
今後の国際的な月開発のロードマップとして、月面基地の建設などが計画され、そのためには月面探査および様々な要素技術の月面実証が必要不可欠となる。しかし現在、月輸送のコストは1kgあたり約1億円以上という相場となり、大規模な機材になるほど実証実験にかかるコストも大きくなる。それはまた失敗時の損失リスクも大きくなることを意味する。
YAOKIは、超小型・超軽量という特徴を活かすことで、安価に、かつ高頻度に月に送り込むことが可能。YAOKIには、センサーやモーター、バッテリー、通信機など、ロボットに必要な様々な要素技術を搭載し、月面で実証実験することができる。YAOKIを活用することで、より多くの企業が月開発に参入するための月面での稼働実績を得ることができるという。同社は、各企業が持つ技術やサービスが、今後拡大する月面市場で競争力を発揮できるよう、様々な企業に連携を呼びかけている。
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