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特許庁・経産省が「オープンイノベーション促進のためのマナーブック」をリリース。事業会社とスタートアップが信頼を構築する”マナー4箇条”とは?

特許庁・経産省が「オープンイノベーション促進のためのマナーブック」をリリース。事業会社とスタートアップが信頼を構築する”マナー4箇条”とは?

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政府が打ち出している「スタートアップ育成5カ年計画」の3つの柱のうちのひとつとして掲げられている”オープンイノベーションの推進”。しかし、スタートアップと事業会社によるオープンイノベーションは、双方の企業カルチャーの違いなどから円滑に進まないことも多々ある。

そうした中、特許庁と経済産業省は、「事業会社とスタートアップのオープンイノベーション促進のためのマナーブック」(以下、マナーブック)を取りまとめ、2023年5月に発表した。このマナーブックは、オープンイノベーションの場での良好なパートナーシップ構築を目的にリリースされている。本記事ではマナーブックで言及されている理想的なパートナーシップを構築するための要点について紹介していく。

マナーブックが制作された背景

特許庁と経済産業省は、従来の常識とされていた交渉の落とし所ではない新たな選択肢を提示した、「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(OIモデル契約書)」の新素材編・AI編の改訂と大学編の策定を行い、これらを2022年3月に公表した。しかし、OIモデル契約書の社会における認知度は十分とは言えず、これを一層活用いただくための手法について検討してきた。

そこで取りまとめたのが、「事業会社とスタートアップのオープンイノベーション促進のためのマナーブック」だ。作成にあたっては、事業会社・スタートアップ・弁護士・ベンチャーキャピタルなど、オープンイノベーションの現場を知る面々が議論を行い、要点を抽出。オープンイノベーションを成功させるための良好なパートナーシップ構築において、事業会社・スタートアップの双方が意識すべきポイントを「マナー4箇条」として紹介している。

オープンイノベーションを成功させるためには、連携先との良好なパートナーシップの構築が欠かせないが、このマナーブックを活用することで、その構築のための心構えを学ぶことが可能だ。心構えを学び、連携先と実現したい理念や共同したい目的を共有した上で、契約交渉の際はOIモデル契約書を併せて活用することで、より円滑かつ効果的にオープンイノベーションを進めることができる。

理想的なパートナーシップを構築するためのマナー4箇条

では、「マナー4箇条」は具体的にどういったものなのか。マナーブックから引用し、紹介していく。

【その1】 ビジョンとゴールのすりあわせは徹底しよう

●自社として譲れないビジョンや、オープンイノベーションに取り組む目的を明確にし、社内で共有・確認した上で、パートナーとすり合わせることが必要。

●互いに、オープンなスタンスで話し合えると、その後の連携もスムーズに進められる。

【その2】 リスクヘッジではなく、スピード重視で!

●ビジネスの検討段階で法務部・知財部の担当者も巻き込み、関係者全体で連携内容・ゴール・ビジョンを共有しておくとスムーズに進められる。

●双方で合意や意思決定が必要なポイントをあらかじめ設定し、各ポイントで決定したことは覆さないことが重要。

●事業基盤が安定している事業会社と異なり、スタートアップは短期で成果を出さないと追加投資を受けることができず、存続できない、「寿命」が短い生きものであり、その分スピード速く動く必要がある。

【その3】 「双方の事業価値の総和の最大化」を判断基準にしよう

●前例のない取組であるオープンイノベーションの開始段階では、リスクやリターンについて不透明な点も多く、事前に合理的な検討や交渉をすることは難しいと想定される。そのため、事前に判断基準について合意し、必要な場面でその基準に基づいた協議をすることが有効。

●自社の利益を各々が主張しても合意に到達することは難しく、「事業価値の総和の最大化」を共通の判断基準とすることで、両社にとってwin-win な合意をスムーズに形成をすることが可能。

●「事業価値の総和を最大化」するためのビジネス面での合意内容を、契約書で実現することも重要。

【その4】 困ったときは、「OI モデル契約書」にヒントあり

●契約書は、ケースに応じて各々がその内容を検討する必要がある。「OI モデル契約書」もゴールドスタンダードではないが、考えるべき観点やオプション検討に非常に参考になるはず。

●「OI モデル契約書」の考え方を理解した弁護士の方に、支援を依頼することも有用。

――なお、マナーブックには、「マナー4箇条」の他にも「ヒアリングで得られたオープンイノベーション金言集」(スタートアップ向け/事業会社向け)など興味深いコンテンツも収められている。オープンイノベーションを円滑に進めたいと考えている企業担当者の方は、ぜひチェックしていただきたい。

バージョンアップされた「OIモデル契約書」

マナーブックのリリースと同タイミングで、「OIモデル契約書」についても、より現場のニーズに即した形となるようver2.1への改訂が行われた。この改訂は、従来の内容を大きく変更するものではないが、よりユーザーフレンドリーなOIモデル契約書を実現すべく、解説の内容を充実させ、条文オプションの提示を行っている。なお、「OIモデル契約書」については、以下の特許庁ホームページを参照いただきたい。

※「オープンイノベーション促進のためのモデル契約書(OIモデル契約書)ver2.1」について

https://www.jpo.go.jp/support/general/open-innovation-portal/index.html 

(TOMORUBA編集部)

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