角膜移植の課題解決をめざすセルージョン、総額28.3億円のシリーズCラウンド資金調達を実施
株式会社セルージョンはシリーズCファイナンスで28.3億円の資金調達を実施した。
本ラウンドでは、第三者割当増資の新規投資家として、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、ニッセイ・キャピタル、スパークス・アセット・マネジメント、アクシル・キャピタル・パートナーズ2号LLP、Nikon-SBI Innovation Fund、AIS Capitalが運営する投資事業有限責任組合を引受先としている。
また、既存投資家として、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、DBJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、Gemsekiが運営する投資事業有限責任組合を引受先としている。
セルージョンの累計の調達額は、45億円になる。
資金調達の目的と背景
セルージョンは「ひとの可能性を再生する。」、「もっと自由で、もっと笑顔が見える世界へ。」をミッション・ビジョンに掲げ、iPS細胞から角膜内皮代替細胞(以下、CLS001)を効率的に作り出す独自の特許技術を基に、世界に1300万人もの待機患者がいると報告されている角膜移植の課題解決をめざすCLS001の開発をリードプログラムとして推進している。これまで研究開発等の組織体制を強化するとともに、2022年9月にはFosun Pharma子会社Celregen社と中華圏におけるライセンス契約を締結し海外展開を進めた。また、2023年3月には、共同研究先の藤田医科大学教授、慶應義塾大学特任教授の榛村 重人先生がCLS001を患者に初めて移植したこと(First In Human 試験)を発表するなど、国内での研究、開発も大きく進捗させている。
セルージョンは今回調達した資金を用いて、研究開発等の組織体制を更に強化すると同時に、国内ではCLS001の企業治験開始に向けた準備を進め、グローバルでの治験準備も進める。また、CLS001に続く、後続パイプラインの研究開発を進めていくという。
既存投資家からのコメント
株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ プリンシパル 小林 宏彰 氏
シリーズBに引き続き、今回のラウンドでもしっかりと追加投資をさせていただきました。慶應大学病院での臨床研究において、想定に近い臨床効果を示しており、国内外での企業治験でも素晴らしい結果が出ることを確信しております。iPS細胞由来の角膜再生医療の分野では世界でトップを走っており、日本だけでなく世界各国で製品を上市し、世界中の患者様のQOLに貢献出来る日が一日でも早く訪れるよう引き続き支援をさせていただきます。
新規投資家からのコメント
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社 プリンシパル 浅井 義晴 氏
水疱性角膜症は、本邦や諸外国において角膜ドナーが極端に不足しており十分に治療が行き届いていない疾患の1つです。同社が特許を取得しているCLS001の製造方法は、これまでの製造方法に比べ、飛躍的に目的細胞(CLS001)の収率を高め、本疾患の供給制約を抜本的に解消する可能性があります。弊社では、CLS001に関するFirst in Human試験、後続パイプラインさらにそれらのグローバルでの事業機会を高く評価し、出資いたしました。本出資を通じてさらに事業を加速し、iPS細胞由来の再生医療等製品が国内のみならず海外でも一日も早く実用化されることを期待しています。
ニッセイ・キャピタル株式会社 チーフベンチャーキャピタリスト 井本 潤一 氏
セルージョン社が開発する角膜内皮代替細胞は、世界の角膜移植における課題を解決しうるシーズであり、それを足がかりに後続パイプラインの更なる広がりに期待してご出資させていただきました。今回、羽藤CEOをはじめとする専門家集団の更なる挑戦にご一緒できることを嬉しく思うとともに、今後、セルージョン社が画期的な再生医療等製品を世に生み出すことで、社会に大きく貢献されることを期待しております。
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