『DELISH KITCHEN』を運営するエブリー、味の素と資本業務提携
『DELISH KITCHEN』を運営する株式会社エブリーは、味の素株式会社と資本業務提携を締結した。これにより、両社の強みを相互活用し、食と健康・栄養を軸にパーソナライズされた食体験の提供を通じて、Well-beingの実現を目指す。
協業背景
現在、日本の小売業界は人手不足の問題に直面しており、店舗の効率的な運営が求められる一方、高齢者や共働き世帯の増加に伴う購買の利便性向上や、長引くコロナ禍での栄養バランスのとれた食事等、様々な生活者ニーズへの対応が求められている。店舗においては、生活者の約6割が献立を決めずに買い物をする「非計画購買」と言われており、店内での献立提案やパーソナライズされた販促等、生活者ニーズに対応しながら効率的な店舗運営を可能にする販促DXや、選ばれる店舗づくりのための店外での生活者との継続的な接点構築への関心が高まっているという。
こうした環境のもと、エブリーでは、2015年の創業時より、生活者の「今日何作ろう?」という課題を解決するため、管理栄養士が監修するレシピ動画メディア『DELISH KITCHEN』の運営を開始し、現在では5万本以上のレシピと3,000万人以上のユーザー数を擁する国内有数のオンラインメディアに成長している。
また、2018年より提供を開始した食品スーパー向け店頭サイネージは、現在では2,300店舗以上に導入されており、日本最大級の店頭サイネージ広告プラットフォームに発展している。さらに近年では、AIカメラやビーコン連携による来店客の店内行動のデータ化や、『DELISH KITCHEN』のアセットを活用したネットスーパーやwebチラシ、クーポン、ID連携等の機能を有する小売アプリを開発するなど、オンライン・オフラインでの様々なDX支援サービスを食品スーパー向けに提供しているという。
味の素では2030年に向けて、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」ことを目標として掲げ、「ヘルスケア」、「フード&ウェルネス」、「ICT」、「グリーン」の4つの成長領域において、パートナー企業との共創による社会課題解決等、事業モデル変革による成長を目指している。なかでも、「フード&ウェルネス」領域では、CX(カスタマーエクスペリエンス)進化を通じたWell-beingの実現を目標として掲げているという。
今回、これらの実現に向けて、エブリーが持つレシピ動画メディアを通じた生活者接点、食品スーパー向けのデジタルソリューションと、味の素グループの保有するおいしさ設計技術やアミノ酸研究を通じた健康と栄養に関する知見、生活者の洞察から得られた食のインサイトを生かして展開してきた同社のレシピや献立の提案サービス等を組み合わせることで、食と健康・栄養を軸としてパーソナライズされた新たな食体験サービスの構築を目指すという。
主な協業領域
①顧客データ解析を通じた生活者インサイトの把握
②生活者の購買行動の解析
③両社のメディア高度化を通じた顧客拡大
④献立・レシピからの買い物体験につながる購買システムの検討
エブリーでは今後もマーケティング・広告の最適化を目指し、様々な連携を通じて分断されていたデータを横断的に分析できる基盤の構築を進めていくという。これにより、ユーザーインサイトの解像度を高め、オウンドメディアの拡大やカスタマーサクセス支援など、メーカーのマーケティング高度化と利用客ひとりひとりにパーソナライズされた料理・買い物体験の提供を目指す。
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