カスタマーサポートDXを推進するカラクリ、10億円の資金調達を実施
カスタマーサポートをエンパワーメントするカラクリ株式会社(以下カラクリ)は、総額10億円の資金調達を実施。同ラウンドは、既存投資家のALL STAR SAAS FUND PTE. LTD.、ジャフコグループ株式会社に加え、SBIインベストメント株式会社を引受先とする第三者割当増資と、商工組合中央金庫からの融資によるものだという。今回の資金調達により累計調達総額は約18.1億円となった。
資金調達の背景と目的
■「顧客起点」の業界トップランナー企業に選ばれつづけるAI SaaSプロダクトの開発
カラクリは、2018年に業界で唯一、正答率95%保証の高精度なAIチャットボット「KARAKURI chatbot」をローンチ。その後、チャットボットとデータを一元管理できるFAQシステム・有人チャットなどのCXツール(「KARAKURI Digital CS Series」)を提供し、メルカリ、SBI証券、髙島屋、セブン‐イレブン・ジャパン、GMOペイメントゲートウェイといった業界のトップランナー企業に選ばれつづけている。ローンチ以来の2桁成長の理由は、「顧客起点の経営」を重視する多くの企業に支えられてきたためだという。
今後、どの業界でも経営戦略において「顧客体験の改善」は重要性が増すことが予想される。今回の資金をもとに、カスタマーサポート/コンタクトセンターのAIドリブンなDX改革を実現するプロダクト開発・拡充を推進していくという。
今後の展望
■「ChatGPT」でも拡がるAIの可能性をコンタクトセンター業界へ。
カスタマーサポート/コンタクトセンターに蓄積するデータは「宝の山」と呼ばれているが、多くの企業がこのデータを活用しきれず、収益を生みだすレベルにまで達していない。その原因はデータの分析・統合・連携などに高いハードルがあるためだという。一方で、2022年末にOpenAI社が提供する「ChatGPT」が話題になっているように、大規模言語モデルの可能性は更に拡がっている。カラクリは2本の事業を柱に、これらデータの有効活用を可能にするプロダクト群の開発と、ジェネレーティブAI(生成AI)モデルのカスタマーサポート領域への適用を目指した研究開発を加速させていくという。
①CXソリューション事業
デジタル中心の時代においても、まだ多くのカスタマーサポートは電話が主流。しかしタイムパフォーマンスが求められる時代において、顧客体験価値の高さとは「いかに素早く自分のスマートフォンで解決できるか」が1つの鍵となり、顧客の購入前の情報体験や購入における迅速さが体験価値の大きなメリットとなっている。
カラクリは、デジタルチャネルを介して収集した行動データ・会話ログから、消費者の行動を先回りしてサポートする「購買体験の先回りサポート」の実現や膨大なVoCから「真のニーズの抽出」などを目指すという。
②EXソリューション事業
オムニチャネル化やデジタルチャネルの増設は、オペレーターの業務負荷に直結する。だからこそ運用に必要な「データの一元管理」や「統合データから最適解を得られるナレッジ管理」が重要視される。カラクリでは単純作業の置き換えはもちろん、オペレーターの行動を自動でAIが学習して業務効率化を実現する支援ツールなどの提供を通じ、次世代コンタクトセンターの実現を目指すという。
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