凸版印刷 | 医療ビッグデータ活用を進めるICIを子会社化、医療ビッグデータの流通によって「健康・ライフサイエンス」領域に関する新事業の創出を加速
凸版印刷株式会社は、次世代医療基盤法(※1)に基づき、医療情報の収集/統合/匿名加工/提供を行うICI 株式会社と2019年より資本業務提携契約を締結。電子カルテデータの匿名加工/データベース構築を共同で推進してきた。
このたび、凸版印刷はICIが新規発行する株式を2023年1月31日(火)に追加取得し、連結子会社化した。これによって、凸版印刷とICIは連携を強化させ、医療ビッグデータ利活用の更なる推進と、新たなヘルスケアサービスの創出を目指すという。
背景と概要
医療ビッグデータを活用した健康・医療に関する研究開発の推進や、新たな産業・事業の創出による健康長寿社会の実現を目的に次世代医療基盤法が2018年5月に施行された。これに伴い、国を挙げて医療ビッグデータの利活用が促進されている。
凸版印刷とICIは2019年より共同で、一般財団法人日本医師会医療情報管理機構の収集した、医療機関の日常的な臨床記録である電子カルテデータの匿名加工を実施し、データベースを構築。そのデータベースを活用した製薬会社向け電子カルテデータ分析ツール「DATuM IDEA(読み:デイタム イデア)」(※2)を2022年4月より提供開始するなど、両社で連携を進めてきた。
今回の追加出資により、両社が構築を進める電子カルテデータベースの強化と、データ分析ツールの更なる拡充による品質の向上を実現。これによって両社で、より効果的な医薬品開発や治験モデル構築、個別化医療の実現に貢献していく。
期待されるシナジー
①医療機関にも価値を還元するための新たな病院分析ツールの開発
これまで電子カルテデータの分析は、医療機関単位で個別に分析されていた。今後、凸版印刷とICIの両社で複数の医療機関の電子カルテデータを集約した医療ビッグデータを参照できるようにすることで、医療の質向上への貢献を目指す。
②データ品質向上に向けたデータ加工技術の強化
これまでICIと凸版印刷の両社それぞれでデータ品質向上のためのクレンジングを実施していたが、両社でデータ品質を一元管理することで、更なる高品質なデータを目指す。
③電子カルテデータの取扱量増加に向けた基盤の構築
これまでICI単独でデータ収集を行っていたが、今後は凸版印刷も共同でデータ収集を行うことで、データ取扱量の増加を目指す。
※1:次世代医療基盤法
正式名「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律」は、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関し、匿名加工医療情報作成事業を行う者の認定、医療情報及び匿名加工医療情報等の取扱いに関する規制等を定めている。
※2:DATuM IDEA
治療の効果や安全性の臨床アウトカム評価に活用できる、電子カルテデータを基にした、疾病別患者数や薬の処方状況などの分析ツール(概要)。
関連リンク:プレスリリース