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地球を救う”カーボンニュートラル”、その最前線で事業を展開するスタートアップ6社のビジネスモデルとは?――eiicon meet up!!イベントレポート

地球を救う”カーボンニュートラル”、その最前線で事業を展開するスタートアップ6社のビジネスモデルとは?――eiicon meet up!!イベントレポート

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去る11月29日、eiicon companyオリジナルピッチ企画「eiicon meet up!!vol.5」がSHIBUYA QWSにて開催された。このイベントは新規事業・オープンイノベーションコミュニティの活性化を目的に、話題のスタートアップ企業がピッチを行い、共創につながる“出会い”を生み出す場としての役割を持つ。

9月1日に開催した第4回「フードテック」に続く今回のテーマは、「カーボンニュートラルスタートアップ -地球を救うカーボンニュートラル-」だ。2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言。そうしたなか、カーボンニュートラル達成に向けて最前線で活躍するスタートアップ6社(StockBase、esa、Sustineri、CBA、アルガルバイオ、アスエネ)が登壇し、事業やビジョンについて会場に語り掛けた。

――本記事では、同イベントの様子をダイジェストでお伝えする。

※後日、各社の個別インタビューを『meet startups!!』ページにて掲載予定です。

【StockBase】災害備蓄品特化の有効活用マッチングプラットフォーム


■株式会社StockBase 代表取締役 関 芳実氏

トップバッターは、オンラインで登壇したStockBase 関氏。企業で廃棄されるカレンダーをきっかけに、「誰かが廃棄しているものは、他の誰かにとって必要なものかもしれない」という気づきから廃棄を削減し有効活用するプラットフォームを構築した。

同社は備蓄品やノベルティを余らせている企業と、それらを必要とする団体とをマッチング。企業が手数料を支払うビジネスモデルで、備蓄品を廃棄するのと同程度のコストで有効活用してもらうことができる。

同社が企業に提供している価値は3つ。1つは業務負担の軽減。これまで廃棄をするには様々な工程が発生していたが、StockBaseを活用すれば、いつ何を搬出したいかを決定するだけ。また、近くの団体とマッチングすることで、配送費を大幅にカットできるのが2つ目の価値となる。加えて、社内外に社会に貢献していることをPRする仕組みを作っている点が3つ目の価値だ。1年間で40万食の備蓄品をマッチングしており、そのマッチング率は100%。これまで50社170団体がサービスを活用しているという。


【esa】 世界初の複合プラスチック素材のマテリアルリサイクル


■株式会社esa 共同代表 黒川 周子氏

続いて登場したのはesa 黒川氏。同社が提供しているのは、複合プラスチック素材から低コスト・低エネのまま高品質な再生プラスチックペレット「リプラ」を生成する技術だ。

リサイクル大国と言われる日本だが、実はその実態はプラスチックを燃やした熱を利用する「サーマルリサイクル」が62%を占めている。このサーマルリサイクルは、世界的にはリサイクルと認められていない。海外で主流となっているのは別の製品に生まれ変わらせるマテリアルリサイクルだ。

しかし、複数の素材が使われている複合リサイクルは組成や融点が素材ごとに異なるため、マテリアルリサイクルを実現するのは難しいとされてきた。そこでesaは、独自の機械を用いて複合プラスチックからリサイクルペレットを生成する技術を開発。通常のプラスチックペレットと同じように使うことができ、レジ袋やゴミ袋として一般販売することも決まっている。再資源化できていないプラスチックは年間300万トンを超えると言われておりそれらを再利用することで新たな市場を築くのが同社の狙いだ。


【Sustineri】 手軽に温室効果ガスの算定・削減できるクラウドサービス


■Sustineri株式会社 代表取締役 針生 洋介氏

続いて登壇したSustineriは、製品・サービスから排出される温室効果ガスを手軽に算定・埋め合わせできる「カーボンオフセット クラウド」を提供するスタートアップだ。

eコマースや自動車保険、旅行や航空券などを販売するWebサイトやアプリにAPI連携するだけで、商品・サービスの提供に伴うGHG(Greenhouse Gas:温室効果ガス)を算定することが可能。また、同量の温室効果ガス削減クレジットを割り当てることで、温室効果ガス排出を相殺(オフセット)し気候変動への影響をニュートラル化できる。

通常、温室効果ガス算定と削減には高度な専門知識が必要だが、同サービスを利用すれば簡単かつリアルタイムに排出量を算定し、表示。最近ではShopifyに出店している企業向けのアプリもリリースし、より気軽にサービスを利用できる仕組みを整えている。


【CBA】 廃棄物排出事業向けのDXサービス


■株式会社CBA 代表取締役 宇佐見 良人氏

総合商社にて資源リサイクルビジネスを企画・推進していた宇佐見氏が、2020年に創業したCBA。同社は、循環型社会の実現のためのデジタルインフラ構築を目指すスタートアップだ。 企業の排出物責任を果たすための廃棄物処理のクラウドシステムの提供を手始めに、排出物の基本情報を収集しその分析、見える化を行い、資源循環に必要なソリューションを提供する計画である。

CBAが第一弾のサービスとして提供する廃棄物処理DXプラットフォーム「CBA wellfest」を導入すれば、廃棄物担当者のマニフェスト業務を一気通貫サポートし、遵法性を担保しつつ産業廃棄物・一般廃棄物・有価物の総合管理まで支援。最大で90%の工数削減が可能となるということだ。

今後のビジョンとしては、廃棄物データの収集を徹底して進め、この解析データを基にした排出物の最適処理、リサイクルを進めることによって循環型社会実現に貢献したいと考えている。具体的には、2023年度に「環境与信DBサービス」をリリースし、2024年度には「廃棄物資源化プロセス支援サービス」のリリースを予定している。


【アルガルバイオ】 20年以上に渡る藻類の研究を生かした東大発スタートアップ


■株式会社アルガルバイオ 代表取締役社長 CEO 木村 周氏

次に登壇したのはアルガルバイオ 木村氏。同社は東京大学における20年以上の研究成果を基に創業された藻類のバイオテックスタートアップだ。「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」というスローガンを掲げている。

藻類はCO2を吸収して酸素を排出するエコな資源。健康食品や代替タンパクなど幅広い利用価値がある一方で、その産業利用は全く進んでいなかった。世界に30万種存在すると言われている藻類の中で、産業利用されているのはわずか30種類だという。なぜなら、これまでは単一の藻類を研究開発して、商品を開発してきたからだ。

同社はニーズに合わせて、用途に合わせた藻類を同社がもつ多種多様なライブラリからスクリーニングして商品開発するため、ニーズに最適なソリューション提供が可能。昨年10社以上との共同開発実績があり、健康や食、環境領域で実績を積み重ねている。事例として紹介されたのは関西電力とのCO2削減プロジェクト。森林に比べて数倍のCO2回収能を持つ藻類があると話す。


※アルガルバイオのPRページは以下よりご覧ください。

https://auba.eiicon.net/projects/25501

【アスエネ】CO2の排出量見える化・削減・報告するためのクラウドサービス


■アスエネ株式会社 執行役員 CFAO 衛藤 和也氏

最後に登壇したアスエネは、CO2の排出量を見える化・削減・報告するためのクラウドサービス「アスゼロ」とSXコンサルティングを提供し、脱炭素経営をワンストップで支援する。「アスゼロ」は既に650社以上の企業が導入しており、「データの収集・算出に時間がかかる」「CO2算出方法がわからない」「見える化・開示に手間がかかる」という課題を解決してきた。

通常なら6ヶ月はかかるCO2排出量の算出が6週間でできるため、脱炭素経営における工数削減に寄与。企業だけでなく、製品・サービスごとのCO2排出量も見える化できる。また「アスゼロ」は英語版があり、企業はグローバルでのシステム利用が可能。11月にはシンガポール法人を設立しており、グローバルでのカーボンニュートラルの実現を目指していくという。

また、導入事例として、多くの東証プライム市場の上場企業が、「アスゼロ」を活用していることが語られた。特に、製造業や建設・不動産業界に強みを持っており、サービスの導入によってScope1-3のサプライチェーンの排出量の算出性向上やデータの信頼性担保だけでなく、削減・オフセットの提案を行い、企業の脱炭素経営を支援する。


――6社のピッチが終了した後は、登壇者と参加者によるネットワーキングが実施された。「eiicon meet up!!」の次回開催については決定次第、公式facebookで情報を発信するのでぜひチェックいただきたい。



取材後記

今や全人類が一丸になって取り組まなければならないカーボンニュートラル。普段の生活ではあまり意識することはないかもしれないが、私たちの生活は多くの企業の取り組みによって支えられている。今回登壇したようなカーボンニュートラルスタートアップによって、地球の未来がどのように変わっていくのか。今後もその動向を追っていきたい。

(編集:眞田幸剛、取材・文:鈴木光平、撮影:齊木恵太)

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