ロボット・建物設備間連携に特化したインターフェースサービスを提供するOcta Robotics、1億円の資金調達
株式会社Octa Roboticsは、ANRI株式会社より1億円の資金調達を実施した。ロボットがエレベーターおよび自動ドア等の建物設備と連携し、ロボット単体でのフロア間移動およびエリア間移動を可能にするインターフェースサービス「LCI」によりロボットフレンドリーな環境構築を加速させていくという。
▲上写真:Octa Robotics 創業者 左 代表取締役 CEO 鍋嶌厚太氏 右 取締役COO 前川幸氏
Octa Roboticsは、「ロボットをあたりまえのインフラに」をコンセプトに、組織をまたいだコミュニケーションの推進と、市場に足りない要素の提供を行うことでオープンイノベーションを下支えし、サービスロボット市場の成長を加速させていくという。
LCIサービスとは
LCIサービスは、Octa Roboticsが独自に開発提供する、ロボット・建物設備間連携に特化したマルチベンダー型のインターフェースサービス。LCIサービスを利用することにより、ロボットがエレベーターおよび自動ドア等の建物設備と連携することが可能になり、ロボット単体でのフロア間移動およびエリア間移動が可能になる。経産省主導で策定されたRRIプロトコルに準拠したオープン仕様に基づいており、エレベータ会社やロボットベンダーを問わず、いずれも容易に接続可能だ。
▲上写真:Octa Robotics LCIサービス
開発の背景
労働力不足解消を目的としたロボット活用への期待が高まる一方、現場では必ずしも生産効率向上につながらないという課題が浮き上がってきている。その主な原因は、2022年現在のロボットが、フロア/エリアをまたいだ移動ができないことに帰結する。そのため人がフロア/エリアを移動させるか、フロア/エリアごとにロボットを導入する必要が出てしまい、導入しても期待された効率向上には至らない。これはロボットを使う側にとってはクリティカルな問題だ。この課題を解決すべく、ロボット開発ではなくロボットにとっての環境整備、ロボットフレンドリーの立場にたったLCIのサービス開発に至ったという。
導入企業の期待の声
■大和ライフネクスト株式会社 関口氏
(技術サービス本部 デジタルアセットマネジメント推進部 デジタルアセットマネジメント推進課)
建物管理業における人材不足・採用難の解決策として、清掃ロボットや警備ロボット等の活用が有効であると弊社では考えています。建物が高層化・大型化する中でロボットの自律移動(垂直移動・水平移動)が要となってきます。弊社ではその制御に優れたOctaRobotics様のLCIサービスを採用しました。
弊社では建物管理のDXの要となるLCIサービスに大きな期待を寄せるとともに、現在、各ロボットへの実装・導入を進めています。
OctaRobotics様の『LCIサービス』と大和ライフネクストの『管理サービス』を融合させることにより、建物管理においてロボット活用の可能性が大きく拡がります。
このたびの協業により、「ヒト」と「ロボット」が融合したハイブリッドDX管理を構築し、居住者・建物利用者のみなさまに快適な住環境、安全・安心を提供する新しい時代の新しい建物管理を目指してまいります。
今回の資金調達について
独立系ベンチャーキャピタル ANRIより資金調達を行った。
投資家からの声
■独立系ベンチャーキャピタル ANRI/ジェネラルパートナー 鮫島 昌弘氏
Octa(オクタ) Robotics社にシード出資させて頂きました。今後様々なサービスロボットが普及していく中で、既存設備とのスムーズな連携が求められてくると考えており、当社はまさにその課題を解決することでロボットフレンドリーな社会の実現を目指すものです。鍋嶌さん、前川さんを中心に、最高のロボット『オタク』達が引き起こすロボット革命を楽しみにしております!
調達資金の用途
今回調達された資金は、2021年11月に開始した「LCIサービス」のサービス拡張に関する諸施策の実施に活用される。LCIサービスは順調に導入実績が増加しており、今後LCIサービス拡張をスピード感を持って進めて行く必要がある。その為、サービスのマーケティング活動及び優秀な人材の採用活動に注力していくという。
マーケティング活動については、幅広い顧客にLCIサービス活用のケースを知ってもらうため、パートナー企業の協力のもと、ロボット施設連携のショーケース化を進める予定だ。また、LCIサービスはインフラサービスであることから、サービスの継続性を強化し、ユーザーが安心して利用できるよう、サポート体制を構築していく。その為の開発やオペレーションを担当する優秀な人材を積極的に採用していくという。
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