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Honda発、靴挿入型ウェアラブル歩行ナビの「Ashirase」 | プレシリーズAで3億円の資金調達を実施

Honda発、靴挿入型ウェアラブル歩行ナビの「Ashirase」 | プレシリーズAで3億円の資金調達を実施

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株式会社Ashiraseは、リアルテックファンドとQBキャピタルの2社をリード投資家とし、本田技研工業株式会社、アシックス・ベンチャーズ株式会社、株式会社ゼネラルアサヒ、およびレオス・キャピタルパートナーズ株式会社が運営するファンドを引受先とした第三者割当増資により、合計3億円の資金調達を実施した。

調達資金をもとに、2022年度内に販売開始に向けたチームの強化を進めるとともに、人の特徴に合わせた最適なルート評価アルゴリズムの開発などにより、時間効率だけではない移動価値の拡大に取り組んでいく考え。

株式会社Ashiraseの事業領域

Ashiraseは、「人の豊かさを”歩く”で創る」というミッションを掲げ、本田技研工業株式会社の新事業創出プログラムIGINITION発第1号スタートアップとして2021年4月に設立された。自動運転などの技術要素を応用し、視覚障がい者の方々の歩行にとって非常に重要な聴覚や保有視覚を邪魔しない振動インターフェースとナビゲーションアルゴリズムを構築、100名以上の当時者に協力を得ながら製品化を進めてきた。

今後、2022年度内のコンシューマ向け製品の販売をスタートさせると共に、BtoB、海外展開についてもPoCを実施し、社会実装を進めていくことで視覚障がい者の生活の豊かさを拡げていく考え。

引受先一覧

■リアルテックホールディングス株式会社が運営する、リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(既存投資家)

■QBキャピタル合同会社、及び株式会社NCBベンチャーキャピタルが運営する、QB第二号投資事業有限責任組合(新規投資家)

■本田技研工業株式会社(既存投資家)

■アシックス・ベンチャーズ株式会社(新規投資家)

■株式会社ゼネラルアサヒ(新規投資家)

■レオス・キャピタルパートナーズ株式会社が運用する、RheosCP1号投資事業有限責任組合(新規投資家)

 

調達資金の使途

資金調達の大きな目的は二つだという。

■2022年度内のコンシューマ向け販売の開始

■確実な事業開始と拡大に向けた体制拡充

まず、2022年度内のコンシューマ向け販売の開始に向けた、量産体制の構築を完了させる。また、事業拡大に向け、継続したアプリケーションのアップデート、ハードウェアのコストダウンといったプロダクトの開発と共に、旅行時の貸出など様々なモビリティと視覚障がい者の歩行移動を組み合わせたBtoB事業の構築も進めていくため、総合的な体制拡充を実施する。また、これらの実現に加え、海外展開を見据えた現地実証を加速し、中長期的な売上規模の拡大を進めていく方針。

投資家コメント

■永田暁彦氏 リアルテックファンド代表

「Honda IGNITIONでAshiraseと出会い、本気で社会課題に向き合う姿勢に共感して、シードラウンドで出資をさせて頂きました。彼らはそこから約1年で、多くの視覚障がい者の方々から直接フィードバックを得てプロダクトを磨き上げました。その熱い想いと実行力は改めて本物だと感じ、リード投資家として追加出資させて頂きました。彼らが目指す理想を実現するまで、リアルテックは全力で支援し続けます。」

 

■本藤 孝氏 QBキャピタル合同会社 代表

「千野さんの原体験に基づく熱量と、Hondaの技術者としての経験を活かし仲間を集め全く新しい歩行ナビゲーションシステムを社会実装していこうとする姿に共感しております。Ashiraseが日本の視覚障がい者のQOLを向上させ、さらには世界中で普及していくことを期待し、起業家に寄り添った支援を行っていきます。」

■青山 真二氏 本田技研工業株式会社 取締役 執行役専務 IGNITION審査委員長

「HondaのIGNITIONプログラムの第一号であるAshiraseは、チャレンジングスピリットを体現し、日々大きく成長しています。日本、そして世界中の視覚障がい者への新たな価値を創造し、世の中をより良く変えていくと信じています。彼らの夢の実現に向けて、私達も支援していきます。」

■母里 明陽氏 アシックス・ベンチャーズ株式会社 代表取締役社長

「アシックスは、Ashiraseがアシックス主催のアクセラレータープログラムで優秀賞を受賞して以来、実証実験のサポートなどをさせて頂きました。世界中の視覚障がい者にこのサービスが届くよう、今後は出資者として最大限のご支援をさせて頂きたいと思います。」

 

■藤 光広氏 株式会社ゼネラルアサヒ 代表取締役社長

「私たちは視覚に訴えることを事業としていますので、少し距離のある視覚障がい者の方に何か貢献したいとの思いから、毎年点字カレンダーを作成しています。Ashiraseがそのような方々の夢を広げてくれることを大いに期待しています。」

■戸田 東宗氏 レオス・キャピタルパートナーズ株式会社 投資部長

「Ashiraseの事業は、視覚障がい者の単独歩行を支援し安全な外出を実現することで障がい者に豊かさを創造し、ひいては家族など関係者のQOL向上にも寄与すると考えており、積極的に支援して参ります。」

視覚障がい者向けプロダクト「あしらせ」について

【Ashiraseが取り組む課題背景】

ロービジョン※1を含めた日本の視覚障がい者数は、国内164 万人※2、アメリカや欧州を含めた先進国全体では、2,000万人にのぼると推定されている。一方、盲導犬は国内1000頭程度しか存在しない。また、ガイドヘルパーは自治体ごとに利用制限が設けられており、単独歩行が求められている。

【Ashiraseが取り組む課題】

視覚障がい者の単独歩行には様々な課題があるが、同社が注目したのは下記三点だ。

■安全確認とルート確認に追われながら歩いている

■歩行時は聴覚に頼ることが多く、音声ナビなどを使うと聴覚を邪魔され、不安を感じたり危険に遭遇したりする

■大変な思いをすることで、「外出がおっくうになる」といった心理的課題を発生させている


【Ashiraseの特徴とプロダクト】

同社が開発している「あしらせ」は、ルート情報を足元から直感的に伝えることができる。これまで苦労していたルート確認の作業から解放されることで、歩行者は安全確認に集中することが可能だ。



あしらせナビゲーションの特徴は次の通り。

■GNSS※3 測位情報と、ユーザーの足元の動作データから、視覚障がい者向けの誘導情報を生成

■白杖を持つ手、周囲の音を聞く耳を邪魔しない、足への振動によるナビゲーション

■振動の位置と振動させるテンポの組み合わせにより、直感的に理解可能な情報通知

※1 「【日本眼科医会研究班報告 2006~2008】日本における視覚障害の社会的コスト」において「よく見える方の眼で、矯正視力が0.1を超えるが、0.5未満」と定義されている。

※2 出展【日本眼科医会研究班報告 2006~2008】日本における視覚障害の社会的コスト

※3 GNSSはGlobal Navigation Satellite Systemを指し、衛星測位システムの総称。

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部

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