デジタル療法を提供する「CureApp」 | カーライルより約70億円の資金調達、高血圧症向けDTxの提供・拡販と開発拡充へ
世界有数の投資会社であるカーライル(本社:米国ワシントンD.C.、日本代表:山田和広)は、日本のMedTech(医療テクノロジー)企業でDTxのリーディングカンパニーである株式会社CureAppへのマイノリティー出資を行い、両社は戦略的提携を発表した。本件はCureAppのシリーズGの資金調達にあたり、カーライルによる投資額は約70億円となる。これによりCureAppの累計資金調達額は約134億円となる。なお、カーライルは投資実行後、CureAppに取締役1名を派遣している。
戦略的提携に至った背景
2014 年に2名の医師によって設立されたCureAppは、DTxの研究開発に特化した、急速に成長している日本のMedTech企業の1社だ。CureAppの高血圧症向けDTxは、2022年4 月に日本で規制当局の薬事承認を取得した。高血圧領域では世界初の事例となる。CureAppのニコチン依存症向けDTxは、2020年に日本で初めて規制当局に薬事承認され保険適用を受けた。
CureAppは、デジタル技術を使用して医療を進化させることに注力しており、現在、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、アルコール依存症、がん、慢性心不全の領域においても*医師が処方するDTx(*PDT:Prescription Digital Therapeutic)の研究開発に取り組んでいる。
本件を通じてカーライルは、CureAppの高血圧症向けDTxの展開、およびDTxの開発パイプラインの拡充をサポートする。またCureAppは、今後カーライルのグローバルなヘルスケア分野における実績・知見を活用し、日本および海外で販売・流通ネットワークの拡充と、マーケティングや製品開発プラットフォームの強化を行うという。
投資家からのコメント
■カーライル 日本代表兼マネージング・ディレクター 山田和広 氏
「DTxの分野は、高齢化に伴う日本の社会的ニーズに応え、国民の医療へのアクセスを拡充し、早期介入による医療費削減につながるなど、巨大な成長ポテンシャルを有しています。CureAppはDTxのリーディングカンパニーであり、ユニークな競争優位性を確立しています。カーライルにとって日本で2件目のマイノリティー成長投資となる本件において、同社の共同創業者の方々と手を携えて、日本におけるデジタル療法の推進に貢献できることを嬉しく思います」
■カーライル ディレクター 斎藤玄太 氏
「CureApp経営陣の医療、テクノロジー、規制対応などにおける高い実行力に感銘を受け、同社がパートナーとしてカーライルを選んでくださったことを光栄に思います。今後、同社経営陣と協働し、デジタル療法を通じて医療を進化させる同社の取り組みをサポートできるのを楽しみにしています」
株式会社CureApp 代表のコメント
■株式会社CureApp 代表取締役社長 兼 医師 佐竹晃太氏
「当社は、DTx業界のリーディングカンパニーとして、全ての人が安心していつでも質の高い治療を受けられるよう、当社のミッションである『ソフトウェアで「治療」を再創造する』ことに取り組んでいます。患者さん、医療従事者、保険者、政府、従業員、株主の期待に応えるべく活動を推進する中、カーライルからご出資をいただきパートナーシップを組めることを大変ありがたく感じております」
カーライルについて
カーライル(CG:NASDAQ)は、深い業界知識を有し、グローバルに展開する投資会社で、「グローバル・プライベート・エクイティ」「グローバル・クレジット」「インベストメント・ソリューションズ」の3つの分野で投資活動を展開している。カーライルの目的は、関連する投資家、投資先企業、社会の為に投資を行い、価値を創造することであり、2022年6月末時点の運用資産は総額で3,760億ドルに上る。
現在、世界5大陸の26拠点に約1,900名以上の社員を擁している。カーライルは、日本に特化した円建てのバイアウト・ファンド、「カーライル・ジャパン・パートナーズ」を運用しており、これまでに国内で34件の投資を実行している。また、日本企業の海外展開、事業効率の改善、経営インフラの強化などを支援してきた実績も有している。
これまでの投資案件には三生医薬株式会社、株式会社ソラスト、クオリカプス株式会社、コーリンメディカルテクノロジー株式会社などがある。またグローバル全体では、ヘルスケア・セクターにおいて75件を超える案件に、195億ドル以上の投資実績を持つ(2022年6月末現在)。
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