【パナソニックEW社 第2期アクセラ始動】『脱炭素の仕組み創出』『新たな働き方・ワーカー体験』など10テーマで募集―“くらしインフラの変革”を目指すプログラムの詳細を紐解く
2022年4月に持株会社制へと移行し、新たに生まれ変わったパナソニックグループ。その中核企業の1社として、同グループの事業を牽引するのが「エレクトリックワークス社」(EW社)だ。住宅・オフィス・商業施設・スポーツ施設などを対象に、電気設備をソリューションとして展開している。
そんな同社が、2021年度に開始したアクセラレータープログラムが、【Panasonic Accelerator by Electric Works Company】。本プログラムでは、スタートアップと共にくらしインフラの変革に挑もうとしている。昨年度は8社が採択され、そのうち複数社が新たなサービス共創に向け、協業検討を継続しているという。
本年度のコンセプトは「くらしインフラの変革点 〜いい今日と、いい未来の共創〜」。「住宅」「非住宅」「地域」といった領域の中から『新しいくらし方・働き方』『設備・インフラ革新』を切り口に10テーマを掲げ、スタートアップの募集を開始している(9/16募集締切)。11月から来年2月が共創期間となり、その後にDemoDayが開催される予定だ。
■募集テーマ領域:住宅/非住宅/地域×新しいくらし方・働き方/設備・インフラ革新+その他
(1)住居での新たなくらしの体験(住宅×新しいくらし方・働き方)
(2)住宅設備のデジタル革新(住宅×設備・インフラ革新)
(3)新たな働き方・ワーカー体験(非住宅×新しいくらし方・働き方)
(4)ビル設備のデジタル革新(非住宅×設備・インフラ革新)
(5)365日 賑わいを育む街演出(地域×新しいくらし方・働き方)
(6)脱炭素の仕組み創出(地域×設備・インフラ革新)
(7)その他
- モビリティ内の顧客体験
- サーキュラーエコノミー型サプライチェーンの要素技術
- 建設業DX
- その他、EW社事業領域を踏まえての提案
そこでTOMORUBAでは、本プログラムの詳細を聞くべく、パナソニック東京汐留ビルを訪問。事務局メンバーに、本プログラムの狙いや参加メリット、テーマ設定背景、昨年度の共創事例について話を聞いた。
くらしインフラの変革点――いい今日と、いい未来に向けた挑戦を共に
――まず、エレクトリックワークス社の主な事業ドメインについてお聞きしたいです。巨大なパナソニックグループのなかで、御社はどのような商材・サービスを扱っているのでしょうか。
原氏: パナソニックグループの製品として、一般的によく知られているのは家電ですが、実は家電以外にも当グループの主要事業の一角を占める電気設備等を私たちエレクトリックワークス社が扱っています。
具体例を挙げると、照明やスイッチなどの電設資材から、くらしのあらゆるシーンを支えるシステム全般です。とくに、LED照明器具の国内シェアは約4割、配線器具は8割強と、大きな市場シェアを占めています。昨今では、エネルギー関連事業も柱のひとつです。例えば、燃料電池や水素関連の商材を扱っていて、家庭用燃料電池の国内シェアは約4割を誇ります。
エレクトリックワークス社の対象市場は大きく「住宅」と「非住宅」。「住宅」は戸建てやマンションなどで、「非住宅」はオフィスビル、商業施設、ホテル、そしてスポーツ施設などを幅広くターゲットとしています。昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックでも当社の商材が導入されました。こうした市場に対して、先ほどの多様な商材を組み合わせ、ソリューションとして提供することが当社の主たる事業です。
▲パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部 部長 原 尚史 氏
旧・松下電工(株)に入社後、営業・マーケティング・経営企画などを経験。その後、エネルギーソリューション部門で事業開発などを手がけ、ヨーロッパに赴任。ドイツ駐在中にスタートアップへの投資・協業経験を積む。日本に帰国後、エレクトリックワークス社経営企画にて、リサーチ部門や新事業開発に従事。
――スタートアップとの共創プログラム『Panasonic Accelerator by Electric Works Company』を開催する狙いは?
原氏: エレクトリックワークス社では、「いい今日と、いい未来を電気設備から。」を事業スローガンに掲げています。これまでも、電気設備が新たな標準をつくってきました。ですので、これらの経験を活かしながら、さらに電気設備の力で新たな未来を切り拓いていきたいと考えています。
その方法として、自前の技術や当社の経営資産と、スタートアップや外部パートナーの皆さんの力をうまく組み合わせて、ハイブリッドのような形で変化の速い市場に適応していきたい。迅速にソリューションを組み上げていきたいとの考えから、本プログラムを開始しました。
――刻々と変化する市場に対して、オープンイノベーションを活用しながら、スピード感を持って新しいソリューションを生み出していくと。
原氏: そうです。デジタルの進展で、アナログの時代よりも市場の求めるニーズの変化のスピードは速まっています。スタートアップの皆さんの息吹を感じながら、私たちもスピードを速めていきたい。より迅速に、世の中に対してソリューションを創出できるようになりたいのです。
昨年度は8社を採択し、複数社と現在も継続して取り組み中。今年度は各事業部門と連携強化しながら募集テーマを刷新、グローバルにも拡大
――今年度で2期目のプログラムとなります。昨年度の手応えについては、どのようにお感じですか。
成田氏: エレクトリックワークス社として初めてとなる昨年度の活動は、初回にも関わらず手応えは十分にありました。最終的に8社を採択させていただき、そのうち複数社とは今年度も継続して協業活動を続けています。経営陣からも「ぜひ、これは継続していこう」という声をもらっています。
アクセラレータープログラムは、一般的にスタートアップの成長支援を目的に行われます。しかし、スタートアップだけではなく、この活動を通して自社としても成長し、スタートアップと自社の成長の循環のようなものを実現したい。そのためには、単年で終えてはならないと考えています。プログラム自体もそうですし、スタートアップとの協業活動も継続することが重要。ですから2期目はもちろん、3期目も継続する予定です。
▲パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部 ビジネスインキュベート課 課長 成田 篤雨 氏
旧・松下電器産業(株)に入社後、本社研究所にて技術者として経験を積む。その後、旧・AVCネットワークス社などで、商品開発や新規事業の企画・開発を経験した後、エコソリューションズ社(現エレクトリックワークス社)へ。アグリや健康関係の新規事業開発に取り組む。
――プログラムの特徴や参加メリット・提供できるアセットについてもお伺いしたいです。
大杉氏: 協業にあたっては、パナソニックのブランドや、先ほど原が説明した電気設備をはじめとした様々な商材、当社が全国各地に持つBtoBのネットワークなどをご活用いただけます。
加えて、パナソニックは様々な工場やビル、事務所を保有しているので、そういった場所も提供できます。もちろん、PoCの支援や出資といった資金面でのサポートもオプションのひとつです。
▲パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部 主務 大杉 将斗 氏
旧・パナソニック電工(株)に入社後、住宅設備・建材の営業に取り組む。その後、事業開発センターへと異動しエネルギー関連事業に従事。旧・ビジネスイノベーション本部で、AIカメラを用いた新規プロジェクトで営業を推進した後、エレクトリックワークス社の経営企画室へ異動。
――昨年度の課題点などを踏まえ、今回のプログラムで改善したポイントなどはあるのでしょうか。
大杉氏: 大きな改善点としては、単年だけではなく本プログラム後も協業を継続するということをゴールの1つに設定したことです。 そのために、プログラムのテーマを設定する際、事前に各事業部や各部門と何度も打合せを重ね、「その事業部や部門が抱えている課題や方向性」「スタートアップに何を求めているのか」を丁寧にヒアリングし、今回の募集テーマを設定しています。これにより、応募頂くスタートアップにも、より協業をイメージして頂きやすくなりました。それともう1点、昨年度は国内のスタートアップに限定した活動でしたが、今年度は海外のスタートアップも視野に入れ、活動をグローバルに拡大していこうと考えています。
――海外を視野に入れることになった理由は?
原氏: 本プログラムで私たちが提示している「脱炭素社会」や「次世代の働き方」「災害への備え」に関して、海外勢のほうが先行している領域もあります。そのような領域については、海外のスタートアップとも組みながら最先端を取り入れ、トレンドメイクしていきたいとの考えからです。
多様なバックグラウンドを持つ事務局メンバーに加え、多数の社内協力者もプログラムに参画
――プログラムの実施体制や、取り組みのスタンスについても教えてください。
前田氏: 取り組みのスタンスからご紹介すると、今回「コミュニケーションスタンス」と「イノベーションスタンス」を定めました。「コミュニケーションスタンス」としては、ダイバーシティ&インクルージョンの観点で「互いの個性を受け入れ、組織として活かし合う」ということを掲げています。また「イノベーションスタンス」としては、「過去の発想や手法に縛られず、未来のあるべき姿から逆算し、一人ひとりが経営者の意識を持って、共創による価値創出に挑む」ことを掲げました。
実施体制についてですが、プログラムの事務局は5名体制で臨みます。原・成田・大杉・前田の4名はパナソニックグループで経験を積んできたメンバーですが、今年の8月に新たにチームに加わった河野は、もともと自治体で企業支援に携わっていました。年齢や性別のバランスがよく個性も様々です。
▲パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部 社員 前田 沙江 氏
パナソニック(株) 旧・エコソリューションズ社の女子バレーボール部『ブルーベルズ』の選手として入社。引退後、エネルギー関連事業に携わる。「新規事業に挑戦したい」と自ら手を挙げ、エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部へ異動。
――たしかに、原さんはヨーロッパでのビジネス経験をお持ちですし、成田さんはもと技術者、大杉さんはBtoBの営業経験をお持ちで、前田さんはアスリートからの転身。河野さんは自治体出身。多彩なバックグラウンドのメンバーが勢ぞろいで、まさにダイバーシティに富んだチームですね。
前田氏: はい(笑) それに加えて、本取り組みのことを、社内でも知らない人が多いという課題があるため、今回からは社外の発信に加え社内への発信にも注力していく予定です。
――昨年度は、カタリストという社内の協力者も、本プログラムを強力にバックアップされたと聞きました。
成田氏: 今年度は、カタリストからプロモーターへと名称を変更し、スタートアップに応募頂く各テーマに精通したプロモーターを部門から選定し、さらに、エレクトリックワークス社全社より、本プログラムに協力をしてくれるプロモーターを公募します。今期も様々な部門の皆さんに参画してもらう予定です。プロモーターは社内副業のような扱いになるのですが、普段の業務が忙しい中で応募してくださる皆さんなので、こういったイノベーション活動に強い興味を持っている方ばかり。社内リソース・アセットの調整など共創をバックアップしてくれる強い味方です。
『新しいくらし方・働き方』『設備・インフラ革新』など10のテーマを設定。エレクトリックワークス社が保有する様々なアセット、実証環境の活用が可能
▲募集テーマ全体像
――続いて、募集テーマについてお伺いします。「住宅」・「非住宅」・「地域」といった領域から6つ、「その他」から4つを加えて合計10テーマを設定されました。とくに注力するテーマを抜粋し、詳しく教えてください。
成田氏: もちろん、全て重要なテーマではありますが、やや個人的な視点も含めまして、私からは「地域」の領域に属する『脱炭素の仕組み創出』についてご紹介します。今後、脱炭素というものは、一個人・一企業での取り組みではなくて、地域単位で考えていかなければならない社会課題になると思っています。当社の各事業部門でも、脱炭素に対する注目度は高いですし、パナソニックグループのアセットと親和性も非常に高い。ですから、もっとも注力しているテーマのひとつが脱炭素です。
共創イメージですが、当社は蓄電システムや燃料電池などのハードにおいて強みを有しています。一方で、それをつなげて地域単位のソリューションに仕上げ、自治体などのお客さまに対して価値提供していくには、まだ足りない部分があります。例えば、データ分析/可視化、ハード同士の連携などです。
もちろん、パナソニックグループ内すべてのリソースを使えば不可能ではないものもあるかもしれませんが、スタートアップとの共創により、よりスピーディーに新しい価値を創出したいと考えています。
――提供できるアセットには、ハード関連の商材のほか、どのようなものがありますか。
成田氏: 実証の場もご提供できます。エレクトリックワークス社の各事業部/部門が現在、または今後予定している、様々な実証実験とそのコネクションを活用することも可能です。それに、エレクトリックワークス社以外のパナソニックグループ各社とも、連携できる可能性はありますね。
――「脱炭素」と「地域」を絡めた共創が実現できそうですね。ほかのテーマはどうでしょうか。
大杉氏: 全て魅力的なテーマですが、私自身、住宅分野での営業も経験して参りましたので、「住宅」領域の『住宅での新たなくらしの体験』と、「非住宅」領域の『新たな働き方・ワーカー体験』を絡めてご紹介します。「住宅」でいうとパナソニックは「AiSEG(アイセグ)」と呼ばれるホーム エネルギー マネジメント システムを開発・販売しています。これは、家庭内の各機器をつなげ、快適かつ最適に制御する機器です。人々の生活データや行動データ、バイタルデータ、感情データなどを掛け合わせることで、ひとりひとりに最適化された環境を提供することができます。こうしたシステムと、スタートアップの皆さんの持つ技術やアイデアを組み合わせ、新しいビジネスを創出していけるのではと思っています。
また「非住宅」に関しては、対象がもっと幅の広いオフィスや病院、各種施設となります。仕事と健康を両立させられるような形で、新しいサービスを創出したいと考えています。例えば、当社が強みとする照明、音、映像に加え、香りなど、色々な五感に訴えるような外部的要素を織り交ぜながら、新しい快適な空間を生み出していくようなイメージです。
成田氏: 当社では、ウェルビーイングというキーワードを大切にしています。電気設備の会社ではありますが、顧客視点に立ち、そこに住まう人・働く人たちの幸せに貢献できるようなサービスを生み出せるといいですね。
「施工管理アプリの顧客展開」「ドローン3Dマッピング技術の実験」――昨年度の共創事例と社内リソース活用例
――昨年度は、どのような共創が実現したのですか。
成田氏: 2つの事例をご紹介します。1例目が、施工管理アプリ「KANNA(カンナ)」を開発・展開する株式会社アルダグラム社との協業です。当社の持つBtoBのネットワークをご活用いただき、協業活動を進めました。
具体的には、複数の電気工事会社さんに、「KANNA」を使っていただきました。そうしたところ、顧客にすごく刺さって、お客さまのダイレクトな声もたくさん頂戴することができました。アルダグラム社にとっても有意義な協業になったと聞いていますし、この業界で事業展開している当社にとってもプラスです。今年度も協議を継続していて、非常によい形で協業が進んでいます。
――全国的なBtoBネットワークを活用できる点は、スタートアップの皆さんにとって、大きな推進力となりそうですね。もうひとつの共創事例についてもお聞かせください。
成田氏: 2例目が、株式会社アイ・ロボティクス社との協業です。同社はドローンで3D 点群データを取得する技術をお持ちなのですが、当社の建物・施設をお貸しして、建物内の3Dデータをドローンで取得し、パソコンの方で3Dマッピング化するという実験を行いました。
――高槻市にある御社の建物で実験をされたそうですね。
成田氏: はい、天井が高くて吹き抜けがあり、小部屋もたくさんあるという建物です。そこでドローンを飛ばしながら映像を撮影すると、リアルタイムでパソコン上に3Dマッピングデータが構築されていくというものでした。当社では、そういった技術にあまり触れてこなかったため、「すごいですね」「面白いですね」と興奮しながら、実験をしましたね(笑)
――御社の施設を実験に使う場合、各所との調整に苦労することはないのですか。
成田氏: 先ほどご紹介した各部署のプロモーターと一緒に活動を進めていきます。さまざまな部署にプロモーターがいるので、それほど調整に苦労することはありませんでした。高槻にある建物の使用もスムーズに進みましたね。
「今を豊かにするだけではなく、100年後の未来も豊かにできる活動に」
――最後に本取り組みに対する期待や、応募を考えている皆さんに向けてメッセージをお願いします。
前田氏: 当社では、いい今日と、いい未来を、「人起点」で実現することを目指しています。私は「人起点」という言葉がすごく好きなのですが、このキーワードを念頭に置いて、今を豊かにするだけではなく、100年後の未来も同時に豊かにできるような活動に、スタートアップの皆さんと取り組んでいきたいです。今までの価値観にとらわれず、多方面から考えて、よりよいアイデアを磨きこんでいけたらと思っています。
河野氏: 前職では自治体に勤務し、スタートアップの成長や投資家、企業との出会いの機会の場の創出を目的とするイベント企画等を行っていました。今後はパナソニックの事業部門やプログラム参加企業の皆さんが感じている、社会における実際のニーズを踏まえた新たな事業創出に携わって社会課題の解決に資する活動を行い、「いい今日と、いい未来」を創っていけることを楽しみにしております。
▲パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 経営企画室 事業開発推進部 主幹 河野 志穂 氏
自治体に入庁後、法務、広報、防災関連の事業企画・運営等に従事。直近では国内外のスタートアップを支援するグローバルイベントの企画に携わる。2022年8月よりエレクトリックワークス社へ入社。
大杉氏: 多かれ少なかれ、大企業は経営方針がトップダウンで決まり、物事が進んでいくこともあります。それは当然ではあるものの、当社の本プログラムではスタートアップの皆さんと各事業部や部門の方たちが現場レベルで手をとりあい、「今、何に取り組むべきなのか」を考え議論し、進むべき方向性のレールを自らで敷いていくような取り組みにしたいです。そして、ここで生まれた人との出会いや繋がり、ご縁というものを、それぞれの人生で活かしていけるような活動にしていきたいですね。
成田氏: エレクトリックワークス社の事業領域や事業内容は、スタートアップの皆さんにとっては馴染みが薄いかもしれませんが、逆に言うと、当社はスタートアップの皆さんがリーチしにくいお客さんや領域を数多く持っているとも言えます。ですから、そこに期待をして応募してもらえればと思います。また、今回テーマを設定し方向性を提示していますが、これらのテーマを超えるような提案にも期待しています。
原氏: この活動は表題に掲げているように、「くらしインフラの変革点」という大義で動いています。高い志を持って新しい当たり前をつくることに、一緒に挑戦していきたいです。新しい価値を生み出すという点では、大企業もスタートアップも同じ熱量を持っていると思います。どちらかに頼る・もたれかかる関係ではなく、均衡するようなフラットな関係で、お互いにWin-Winの関係性を構築できればと思います。一緒に新たな未来をつくりましょう。
取材後記
取材をしていて感じたことは、事務局を担当するチームの雰囲気のよさだ。前田氏の発言の中でも触れられていたが、ダイバーシティ&インクルージョンを強く意識したチームビルディングが成されていると感じた。大企業とスタートアップはカルチャーの相違が大きく、歩みよりの難しい場面もあると聞くが、本プログラムならお互いを尊重し、健全な共創関係を築いていけるのではないだろうか。また、パナソニックグループの有する計り知れないアセットも魅力的だ。アセットとして提示しきれていないものもあるそうなので、活用したいものがあれば、逆に提案してみるとよいかもしれない。
【Panasonic Accelerator by Electric Works Company】の詳細・応募方法は、以下よりご覧ください。
■公式HP
https://panasonic.regacy-innovation.com
■プレスリリース
https://news.panasonic.com/jp/press/jn220808-1
■募集テーマ領域
住宅/非住宅/地域×新しいくらし方・働き方/設備・インフラ革新+その他
(1)住居での新たなくらしの体験(住宅×新しいくらし方・働き方)
- 新たなくらしのコンテンツ・機能の提供
- くらしのデータ活用サービス
(2)住宅設備のデジタル革新(住宅×設備・インフラ革新)
- 住宅設備の異常検知・劣化診断
- 住宅向けEVチャージャーの最適制御
(3)新たな働き方・ワーカー体験(非住宅×新しいくらし方・働き方)
- ワーカーのウェルビーイング向上ソリューション
- 屋内照明連携ソリューション
- ポータブルバッテリーソリューション
(4)ビル設備のデジタル革新(非住宅×設備・インフラ革新)
- ビル内エネルギーマネジメント
- ビル内ファシリティマネジメント
- 複数台のEV充電マネジメント
(5)365日 賑わいを育む街演出(地域×新しいくらし方・働き方)
- 来訪者のための賑わい効果測定・解析技術
- 街施設演出ソリューション(照明・音・映像)
(6)脱炭素の仕組み創出(地域×設備・インフラ革新)
- 省エネ活動促進・排出権取引
- 地域単位でのエネルギーマネジメント
- 地域単位でのカーボンマネジメント
(7)その他
- モビリティ内の顧客体験
- サーキュラーエコノミー型サプライチェーンの要素技術
- 建設業DX
- その他、EW社事業領域を踏まえての提案
(編集:眞田幸剛、取材・文:林和歌子、撮影:加藤武俊)