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2020年に向けて注目を集める、スポーツ分野のオープンイノベーション

2020年に向けて注目を集める、スポーツ分野のオープンイノベーション

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横浜DeNAベイスターズによるアクセラレータープログラムが始動

2017年のスポーツ業界におけるトピックの一つに、プロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」の躍進ということが挙げられるだろう。ペナントレースでは3位という結果に終わったものの、クライマックスシリーズではセ・リーグの覇者である広島を撃破。日本シリーズでもソフトバンク相手に互角に戦い、優勝こそ逃したものの大きな健闘を見せ、注目を浴びた。そんなベイスターズが、実はオープンイノベーションの分野でも注目を集めている。

2017年11月、ベイスターズはスポーツ領域におけるベンチャー企業を発掘・育成する新事業「BAYSTARS Sports Accelerator」プログラムを始めると発表した。以前より、行政やパートナー企業と連携し、横浜を基盤としたスポーツ産業エコシステムの構築を目指す「横浜スポーツタウン構想」を掲げてきたベイスターズ。「THE BAYS」という拠点をオープンさせ、会員制シェアオフィスやコワーキングスペースの運営など新たな取り組みを行っていた。

今回実施する「BAYSTARS Sports Accelerator」に関しても、横浜スポーツタウン構想を推進するための一事業という位置付けとなっている。ベイスターズは、ベンチャー企業との協業を通じて、これまでなかったスポーツ体験をファンやスポンサー企業などに提供していく。今回の「BAYSTARS Sports Accelerator」で求める具体的な分野は、以下の6つとなっている。

(1)新しいスポーツ観戦

(2)ファンの満足度向上

(3)スポンサー企業への提供価値向上

(4)物販・飲食サービス

(5)スポーツ技術

(6)新たなスポーツ分野

なお、「BAYSTARS Sports Accelerator」は、2017年12月から参加企業の応募をスタートさせ、2018年1月〜2月に審査を実施。2018年2月からプログラムが開始される予定だ。

海外では、米国・メジャーリーグのロサンゼルス・ドジャースや、英国プレミアリーグの強豪・アーセナルがアクセラレータープログラムに取り組んでいるが、国内のスポーツ業界においては例が少なく、「BAYSTARS Sports Accelerator」は先進的な取り組みといえるだろう。なお、ベイスターズと同様に、アクセラレーターに取り組む国内スポーツチームが大阪からも出てきている。それが次に紹介する「舞洲プロジェクト」だ。 

プロスポーツ3チームがオープンイノベーションに取り組む「舞洲プロジェクト」

日本では2019年~2021年に、ラグビーワールドカップ、オリンピック・パラリンピック、ワールドマスターズゲームズが続いて開催される「ゴールデン・スポーツイヤーズ」が到来する。国内外から、日本のスポーツに関心が寄せられる中、「舞洲プロジェクト」はスポーツ産業を活性化させるため、プロスポーツ3チームと舞洲エリアにおける課題について、広く外部から革新的な提案を受け入れることでスポーツ分野から新たなイノベーションを起こしていくと発表した。

「舞洲プロジェクト」とは、大阪港の人工島(舞洲)を拠点に活動するプロスポーツチームである大阪エヴェッサ、オリックス・バファローズ、セレッソ大阪とともに民間企業と連携してスポーツ振興事業を実施する大阪市のプロジェクト。これら、プロスポーツ3チームの共通課題や個々の課題解決、舞洲の活性化策、プロスポーツチームと新たなビジネスの開発などの提案を11月2日より募集していく。募集のテーマは、以下の通りだ。

【共通】

 ・テーマ①:舞洲ブランドイメージの改善

 ・テーマ②:舞洲エリア内の環境改善・機能追加(ホスピタリティや宿泊機能など)

 ・テーマ③:舞洲アクセス環境の改善

 ・テーマ④:舞洲プロジェクト全体

【大阪エヴェッサ】

 ・テーマ①:顧客データベースを活用した観客の新規開拓とリピート化

 ・テーマ②:チームと選手の認知度アップによるファン増加

 ・テーマ③:小中学生を対象としたバスケットスクールのスクール生増加

【オリックス・バファローズ】

 ・テーマ①:大阪シティ信用金庫スタジアム(舞洲)の満員化戦略

 ・テーマ②:舞洲でのスタジアム来場者の満足度アップ

 ・テーマ③:舞洲におけるバファローズのブランディング

【セレッソ大阪】

 ・テーマ①:サッカースクールのスクール生の増加

 ・テーマ②:SNS(100万いいね!)を活用した新規事業の創生

 ・テーマ③:セレッソ大阪ラボの認知度向上及び収益性の向上

スポーツを通した地域活性化にも、オープンイノベーションは有効

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、国内のスポーツ関連のマーケットは拡大を見せている。しかしながら、スポーツへの興味・関心が一過性のブームで終わってしまっては非常に残念だ。野球・サッカー・バスケットボールなど、国内各地に多くのプロチームが誕生している今、多くの人々がスポーツに興味を持ち続け、地域貢献・活性化を実現するためにもオープンイノベーションは有効だろう。「BAYSTARS Sports Accelerator」や「舞洲プロジェクト」に続くような取り組みも増えてくると予測される。今後も、スポーツ分野におけるオープンイノベーションに注目していきたい。

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