【研究応援特集(2)】 アカデミア発ベンチャーの躍進/株式会社腸管免疫研究所
【株式会社腸管免疫研究所】
●理念 : 健康なカラダ作りと共生社会を実現する
●サービス : 食品等の免疫力賦活化機能評価、共同研究等
●技術元 : 国立研究開発法人産業技術総合研究所 辻典子氏
●設立日 : 2017年8月8日
●役員等 : 代表取締役 前田浩明
取締役 久野美和子
科学アドバイザー 辻典子(社外)
●URL : http://ifoodmed.jp/
2017年8月8日に設立した株式会社腸管免疫研究所は、食品等の企業に向けて免疫力賦活化機能の評価や調査研究、コンサルティングサービスの提供や、腸内細菌をヒト化したマウスを用いた共同研究を進めるベンチャーだ。エビデンスを持った“医食同源”を広めたいと考え、産業技術総合研究所で免疫恒常性の研究を続けてきた辻典子氏の研究と考え方を社会に敷衍し、“健康なカラダ作りと共生社会を実現する”ことを目指している。
栄養・食と免疫との関係を研究し、「研究成果は社会に還元しつつ発展させるもの」と考える辻氏。会社設立に至る契機は、外の動きだったという。あるベンチャーキャピタルがつくば市でのベンチャー設立支援を検討しており、そのプロデュースをしている久野美和子氏が、産総研URAに相談。辻氏の紹介を受けたのだ。
NPO法人日本臨床食物機能研究会の事務局長であり、会社設立経験のある前田浩明氏もチームに加わり、本気で事業化を検討し始めた。その後、第3回バイオテックグランプリに出場し、ユーグレナ賞と吉野家賞を受賞。小腸の生物機能、食と免疫の関係性を追求してきた研究が、食品を扱う複数の大手企業からも高く評価されたことを受け、リバネスとも相談しながら、会社設立に向けた準備を開始した。
まだ立ち上がったばかりで本格的な事業活動はこれからの株式会社腸管免疫研究所だが、すでに具体的な商談が始まっているという。辻氏の想いが科学アドバイザーとして色濃く反映され、社会全体の健康増進を目指す同社の挑戦に、今後も着目していきたい。
以上 株式会社リバネス発刊 雑誌『研究応援』より転載
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