観光・宿泊産業のDXを推進するTabist、5億円の資金調達を実施
Tabist株式会社は、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社が運営する、JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合から5億円の資金調達を実施した。
今後は、Tabist独自のプロダクト開発に注力するとともに、全国47都道府県のホテルや旅館などの宿泊施設のTabist加盟店への契約促進や、ミレニアル世代を中心とした宿泊利用者拡大に向けた訴求の強化を図り、さらに事業成長に向け加速させていくという。
調達の背景
中小の旅館・ホテルは長期化するコロナの影響から著しい稼働率の低下に直面し、同時に、有利子負債も未曾有の規模に達している。また、客室の生産性に関しては、コロナ前でも小規模施設(9名以下で運営している宿泊施設)は非常に低く、日本宿泊産業の課題が見て取れる。
施設あたり平均客室数&客室稼働率
▲出典: 2019年1月「宿泊旅行統計」を元にTabitsが作成
一方で、域内需要の増大が顕著となり、グローバルから、日本独自の「食・温泉・観光地」の魅力の再発見にも関心が集まり、マイクロツーリズムへの需要も高まっている。
消費者を取り巻く環境
▲出典:kankokeizai.com 2020/12/8より
▲出典:2021年12月16日 ビッグローブ株式会社
こうした中、Tabistは、「宿泊施設の個性を活かす、新たな仕組みをつくる」をミッションに、2022年4月1日に社名変更、ならびに新しいTabistブランドを立ち上げた。日本の宿泊施設の魅力をより一層引き出すため、日本の宿泊施設にあった宿泊管理システムや、ダイナミック・プライシングの仕組みを提供することで、観光・宿泊産業のDXを推進しており、現在、43都道府県で235施設(約7,000室)の国内のホテルや旅館が加盟している。今回、より国内の観光・宿泊産業のDXの推進を加速させるため、今回、JICベンチャー・グロース・インベストメンツから5億円の資金調達を実施した。Tabistとしての初調達となった。
JICベンチャー・グロース・インベストメンツからのコメント
「コロナ禍の長期化も相俟って、我が国の観光・宿泊産業は、世界的評価が高いサービス品質の維持向上と収益性の両立が喫緊の課題となっています。Tabist様は、日本の特色ある宿泊施設やオペレーション向けに最適化された宿泊管理システムやダイナミック・プライシングの仕組みを日本各地のホテル・旅館様に提供し多数の成功事例を創出されています。弊社は、投資支援活動を通じて、当社が開発提供するグローバル水準のテクノロジー導入と、地域の特色を生かし、地域に寄り沿った地道なサポート活動が加速し、観光・宿泊産業のさらなる成長と地域経済の活性化に貢献できることを期待しております。」
展望
今後Tabistは、「人生を豊かにする旅を、 すべての人へ」というビジョンのもと、第一フェーズとして、 47都道府県全てで利用できるよう、 300施設10,000室を抱える日本最大規模のホテル・旅館ブランドの実現に向け、事業を推進していく。 また、Tabist独自のプロダクト開発に注力するとともに、ミレニアル世代を中心とした宿泊利用者拡大に向けた訴求の強化を図り、さらに事業成長に向け加速していくという。
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