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ウミトロン×ENEOS | 資本業務提携により、脱炭素社会実現に向け、ブルーカーボン事業の共同研究を始動

ウミトロン×ENEOS | 資本業務提携により、脱炭素社会実現に向け、ブルーカーボン事業の共同研究を始動

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UMITRON PTE. LTD. は、ENEOSホールディングス株式会社との資本業務提携を開始したと発表した。ENEOSは100%子会社であるENEOSイノベーションパートナー合同会社を通じて資本参画する。今回の資本業務提携により、ウミトロンは新たな水産養殖分野としてブルーカーボン事業の共同研究を開始する。ウミトロンはこれまで魚介類の養殖向けに活用してきたAI、IoT、衛星リモートセンシングといったテクノロジーやデータを応用し、ブルーカーボン生態系と呼ばれる海藻や海草養殖向け技術の研究開発に取り組んでいく。

新たな水産養殖テーマ「ブルーカーボン事業」に取り組む背景

■ブルーカーボンとは

植物などの陸上生物の作用により隔離・貯留される炭素のことをグリーンカーボンと呼ぶのに対し、ブルーカーボンとは、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれ、隔離・貯留される炭素のことを指す。2009年に国連環境計画(UNEP)が報告書「ブルーカーボン」にて、CO2吸収源としての可能性を掲示、「ブルーカーボンにより年間およそ5,000万トンのCO2を吸収、隔離できる」(IPCC,2019)と発表し注目を集めている。

また、ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系は「ブルーカーボン生態系」と呼ばれ、光合成を行う海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林などが該当する。水産養殖分野においても藻類・海草などの養殖は世界の養殖生産量の約半分を占めるなど非常に盛んに行われており、海藻養殖における炭素固定の効果も注目されはじめているという。実際、ブルーカーボン生態系はグリーンカーボン生態系と比較して、最大40倍の速さで炭素を貯蔵する(Duarte, et al., 2005)。


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また、日本国内において、ブルーカーボンのポテンシャルを試算した研究によると、ブルーカーボンによる日本のCO₂の年間吸収量(2030年)は、既存の吸収源対策による吸収量の最大12%に相当すると試算されている。国内の人工林が成熟期を迎え、森林のCO₂吸収量が急速に減少しつつある中「2050年カーボンニュートラル」を宣言し脱炭素社会を目指す上で、日本においてもブルーカーボンの重要性はさらに増すと考えられる(桑江ほか,2019)。

さらに言えば、ブルーカーボン生態系は「海のゆりかご」とも呼ばれ、生物多様性に富み、産卵場や稚魚の成育場としての効果がある。生物多様性の保護を始め、食料供給、水質浄化、防災減災などの副次的な効果、またNature-based Solutionとしても期待できる。

■ENEOSとの資本業務提携でカーボンニュートラルを促進

ENEOSはCO2削減の観点からブルーカーボン事業に近年注力しており、低炭素・循環型社会への貢献を進めてきた。本資本業務提携は、ENEOSがウミトロンの持つ水産養殖における技術・事業基盤をブルーカーボン領域に活用することに対して大きな可能性を感じたこと、ウミトロンとしては、水産養殖分野におけるブルーカーボンの今後の重要性を踏まえ、同領域における社会実装を加速させる意向が一致したことにより提携に至ったそうだ。

ウミトロンは、ENEOSから同社が先行研究してきたブルーカーボン領域でのノウハウの共有や、ブルーカーボンのクレジット化のサポート等を得ることで、共同事業に取り組んでいく考えだ。

ウミトロンは水産養殖という特殊環境下で蓄積してきた水中・水面での解析技術、海上でのデバイスの安定稼働、海洋でのリモートセンシングの活用ノウハウなどの事業基盤を活用し、水産養殖分野におけるブルーカーボン事業への技術応用利用に関してENEOS社と共同研究を行っていく。

例えば、衛星データを活用した水産養殖向け海洋モニタリングサービス「UMITRON PULSE」の長期データで活用することで、ブルーカーボン生態系の一つである海藻類の生育適正域の算出にも利用することができる。



▲水産養殖向け海洋データサービス「UMITRON PULSE」。過去2年分の全地球の海洋環境データのモニタリングが可能(期間限定で全ユーザー無料提供中)。長期データを活用することで、海藻や海草をはじめとした主要養殖魚種の生育適正域の算出にも利用できる。

このように、ウミトロンは、水産養殖分野の新たな取り組みとしてブルーカーボン領域への技術提供を行っていくことで、ブルーカーボン生態系の維持と拡大を図り、カーボンニュートラルの実現に向けた貢献に加え、水産業のサステナビリティ、及び海洋環境保全や海洋生物多様性の保護などに貢献していくという。

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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