ロボット遠隔制御サービスのキビテク、スパイラルキャピタルをリードに1.5 億円の資金調達を実施
ロボット遠隔制御システム開発・販売やロボットシステム受託開発のスタートアップである、株式会社キビテクは、2022年1月に Spiral Capital Japan Fund2号投資事業有限責任組合及び、九州オープンイノベーション1号投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資による1.5億円の資金調達を実施した。
ロボット遠隔制御サービスHATSとは
同社が開発中のロボット遠隔制御サービス HATS(Highly Autonomous Teleoperation Service)は様々なロボットにアドオンすることで、遠隔制御を実現する。
各ロボットにキビテクが開発した装置をアドオンし、システムと接続することで、遠隔オペレーターがロボットを操作することが可能になる。
HATS は自律ロボットが予想外の出来事に対応できず、頻繁な停止で作業効率が低下するなどの問題により、ロボット導入に踏み切ることができない現場や、導入後のロボットの運用に課題を感じている現場に役立つサービスを目指す。
現場ごとに違う様々な課題や状況に応じて、人がロボットを補完する「半自動化」を実現させることで、現場のフローに沿った柔軟な対応が可能になり、これまで人ならではとされていた、ロボットでは難しい作業や業界の課題の解決に取り組んでいく。 さらにキビテクは、ロボティクス技術の活用とロボット遠隔オペレーターという新しいリモートでの働き方を提案することで、社会課題の解決と、利用者の現場の人手不足等の課題解決とを共に推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
▲HATSサービス提供イメージ
資金調達の背景、目的
今回の資金調達によりシステムの開発推進を行うとともに、エンジニア採用を強化し、実証実験を進め、更なる事業の加速化を図る。
特にコロナ禍によって、非対面・非接触や遠隔操作での搬送ニーズの需要が高まっていることから、ロボット導入DX化の課題解決、ロボットのマーケット拡大に貢献していく。
各社コメント
■株式会社キビテク CEO 林 氏
キビテク社の、ロボットを遠隔で制御、補完するサービスは、半自動システムの構築を容易にするものです。従来の完全自動あるいは遠隔操縦システムでは対応できなかった現場についても、半自動という現実的なアプローチで効率化のメスを入れ、より多くのお客様に喜ばれるロボットを増やしてゆきます。今回の調達資金を活かし、この事業の目標である、就労機会の増大と格差の低減の実現に向けてより一層まい進してゆきます。大きな夢と、新しいロボットシステムを開発するワクワク感を共有して一緒に走る仲間を求めています。ぜひお気軽にお声がけ頂けますと幸いです。
■スパイラルキャピタル パートナー 千葉貴史 氏
この度、キビテクにリード投資家として出資させて頂けたことを大変嬉しく思います。キビテクには、東大JSK出身のCEO林さん、CTO吉海さんをはじめ、長年知能ロボットの開発を経験してきた日本屈指の技術者が数多く在籍しており、日本のロボット産業を牽引できる可能性を感じています。
少子高齢化が進み労働人口が減少し続ける日本においては、あらゆる産業において業務の自動化・省力化が喫緊の課題となっております。一方で、そのソリューションとなり得る自律ロボットの普及には未だ大きな課題があり、常識・判断力・柔軟性の欠如等の「AIの限界」が存在しています。そのような課題を、AI×人間のハイブリッド型で解決するのがHATSであり、HATSの導入によりロボットの社会実装を加速していけるポテンシャルがあると考えています。
今回の調達を通じて、自律ロボットの普及促進により産業の生産性を飛躍的に高めるとともに、人間とのハイブリットによる新たな働き方・雇用を生み出していけることを期待しています。
■GxPartners マネージングパートナー&COO 中原健 氏
CEOの林さんと最初にお話ししたのは2年ほど前でした。その際、キビテク社は稀有な技術者集団でありながらテクノジーの力を使って社会課題に真っ向勝負を挑むという高い志を持ち合わせていることに、深い感銘と強い共感を持ったことを今でも鮮明に覚えています。
今回投資という形でキビテク社の想いに関わらせていただきとても嬉しく思っています。HATSが自律ロボットの限界を超え、コロナ禍を経てニーズが高まってきている「ロボットの社会実装」を多くの方に使いやすい形で実現し、さらにはその先に「新しい働き方」を創出してくれることを信じています。
株式会社キビテクについて
東京大学の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業した、知能ロボットの開発を行うスタートアップ企業。会社名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味している。同社の得意な技術を通して、未来の世界の人々の心の幸せに貢献することを最も大切にしている。
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