秩父市×ゼンリン|埼玉県秩父市で山間地域をモデルとした遠隔医療の実証を実施
秩父市生活交通・物流融合推進協議会は、埼玉県秩父市の秩父市大滝国民健康保険診療所において、2021年12月の4日間(9日、10日、16日、17日)に遠隔医療の実証を行った。
秩父市生活交通・物流融合推進協議会では、埼玉県秩父市の山間地域における少子高齢化によるヒトとモノの移動の困難さに着目した、物流・公共交通ネットワーク「秩父モデル」構築への取り組みを、2020年11月より開始している。
同実証実験では、看護師が患者の自宅に訪問し、診療所の医師が診察を行うDoctor to Patient with Nurseモデルを実施し、従来の訪問診療との技術面・運用面における課題の抽出や実用化への有用性を評価した。また、株式会社ゼンリンが開発した「秩父ダッシュボードシステム」により、看護師の患者宅への移動状況をリアルタイムに把握し、医師へ適切なタイミングで通知をすることで、オンライン診療の準備作業の効率化を支援する仕組みを導入している。
同実証を通じて得られた遠隔医療の有効性を踏まえて、今後、実用化を見据えた検討を進めていく。
同実証実験の背景
秩父市は、「豊かなまち、環境文化都市ちちぶ」を目指し、すべての人が安心して住み続けられるまちづくりの推進を基本方針に掲げている。都市部へのアクセスもよく自然に囲まれ、歴史文化あふれる観光地として有名な一方、山間地域が多く住民の高齢化により、災害発生時や日常生活において生活交通・物流等の生活インフラの維持が困難な点が課題となっている。山間地域においては、高齢化が進む一方、地域での医師不足により、今後、医療受診が困難になることが想定される。こうした課題解決のために、オンライン診療の実証を行った。
本実証実験概要
実証内容
1. 看護師が患者の自宅に訪問し、電子機器(タブレット端末)を使い、秩父市大滝国民健康保険診療所にいる医師の診察を受診
2. 看護師の位置情報(車両の位置情報)を収集し、診療所の医師に位置情報を提供
▲遠隔医療の実証イメージ
各者の役割
今後の展望
同実証実験の検証により、今後、オンライン診療の技術面・実運用の課題を明らかにしながら、技術課題の整理や運用面での課題を洗い出し、本格運用に向けた計画策定につなげていく。また、同取り組みでは、患者のみならず、医療従事者の負担を緩和する取り組みにするべく検討を進め、2024年度には社会実装の実現を目指すという。
関連リンク:プレスリリース