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独自開発の土で地球と宇宙の農業に挑む「TOWING」 | 約1.4億円の資金調達、自社農園の立ち上げと組織体制の強化へ

独自開発の土で地球と宇宙の農業に挑む「TOWING」 | 約1.4億円の資金調達、自社農園の立ち上げと組織体制の強化へ

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愛知県名古屋市に本社を置く株式会社TOWING(トーイング)は、Beyond Next Ventures株式会社、epiST Ventures株式会社、NOBUNAGAキャピタルビレッジ株式会社がそれぞれ運営するファンドを引受先とした第三者割当増資により、プレシリーズAラウンドにて約1.4億円の資金調達を行った。今回の調達により、累計調達額は約1.8億円となる。調達した資金をもとに、高効率かつ持続可能な次世代の作物栽培システム「宙農(そらのう)」のサービス開発に向けて、自社農園の立ち上げおよび、農園長や事業開発人材の採用による組織体制の強化を行うという。


引受先一覧

■名古屋大学・東海地区大学広域ベンチャー2号投資事業組合(Beyond Next Ventures株式会社)(新規)

■epiST Ventures 1号投資事業有限責任組合(新規)

■NOBUNAGA Village Fund投資事業有限責任組合(新規)

“土壌を創る” 次世代のアグリテック ベンチャーTOWINGとは

TOWINGは、環境に配慮した人工土壌「高機能ソイル」を活用した次世代の作物栽培システム「宙農(そらのう)」を開発・販売する名古屋大学発スタートアップだ。高機能ソイルとは、植物の炭等の多孔体に微生物を付加し、有機質肥料を混ぜ合わせて適切な状態で管理してつくられた人工土壌のこと。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術に基づき、TOWINGが栽培システムとして実用化した。

高機能ソイルには大きな特徴が3つある。

1. 有機質肥料を高効率に無機養分へと変換できる。

2. 畑で良い土壌を作るためには通常3~5年くらいかかるが、高機能ソイルはわずか約1カ月で良質な土壌となる。

3. 本来であれば廃棄・焼却される植物残渣の炭化物を高機能ソイルの材料とするため、炭素の固定や吸収効果も期待できる。

同社はこの人工土壌の技術をベースにし、地球上における循環型農業の発展と宇宙農業の実現を目指しているそうだ。


「高機能ソイル」の開発背景

​2050年には世界の人口が97億人(2021年の世界人口は78億7500万人)に達すると言われており(※1)、食料需要は1.7倍に増えると予測(※2)されている。TOWINGでは、高機能ソイルを活用した持続可能な畑を増やすことで、環境負荷の少ない効率的な食料増産を実現し、世界で懸念されている食料危機問題の解決に貢献していく計画だ。

また、2050年には月面や火星に1,000人が暮らす宇宙基地の建造が構想(※3)されている。今後、同社では月面や火星の土をベースとした高機能ソイルを開発し、宇宙でも作物栽培可能なシステムの実現を目指す。

TOWINGは、地球と宇宙の新しいサステイナブルな農業の実現を通じて、次世代の「緑の革命」を起こし、地球と宇宙の未来の食を豊かにすることを使命として事業にまい進していくという。

※1:参考:国際連合「世界人口予測2019(World Population Prospects 2019)」

※2:参考:農林水産省 「2050年における世界の食料需給見通し」

※3:参考:SPACE FOODSPHERE

資金調達の目的

同社は調達資金をもとに、愛知県刈谷市に自社農園を立ち上げ「宙農」の実証を行う。また、研究者、農園長、エンジニアの採用により研究開発体制を強化するとともに、事業開発人材の採用により組織体制を拡大し、既に実験レベルでは実証済みの「宙農」の量産化に向けたシステム開発を進めるという。

各引受先からのコメント

■Beyond Next Ventures株式会社 有馬 暁澄 氏

『この度、名古屋そしてアグリテック界における『宇宙兄弟』、西田兄弟率いるTOWING社にリード投資家として出資できたことを嬉しく思います。持続可能な農業に向けて2021年に「みどりの食料システム戦略」が農林水産省より策定され、いま日本は農業の"大変革期"にあります。その中で、特に重要課題である「CO2削減」や「有機農業」を推進する同社の技術は、持続可能な農業の実現に大きく貢献すると信じています。同社が社名"TOWING"のごとく日本、世界、そして宇宙におけるアグリ領域を牽引するリーディングカンパニーになれるよう、全力でサポートしてまいります。』

■epiST Ventures 崎須賀 渉 氏

『​TOWINGは、短期間で有機栽培に適した土壌づくりを可能にするとともに、高効率での炭素固定化を実現できるという「オーガニック」x「カーボンマイナス」での社会インパクトを目指すアグリテック スタートアップとして大いに期待して、投資いたしました。「宇宙兄弟」に触発され、宇宙レベルで「農業をサイエンスに変える」という強い想いを持って起業に至った西田兄弟(西田CEOおよび西田CTO)および経営チームの大きなビジョンの実現に向けて全力で支援してまいります。』 

■NOBUNAGAキャピタルビレッジ 太田 匡紀 氏

『自然との共存を前提とした持続可能な農業が求められる中、TOWINGのノウハウや技術力を活用した「新たな農や食の未来を創っていくこと」に期待します。代表の西田さんが起業当初から強く想い描く世界(宙農)をぜひ一緒に見届けたいと感じ、今回出資をさせて頂きました。また、西田さんとは2021年3月に開催された「NOBUNAGA21」第20回地域経済活性化セミナーにおきまして、ビジネスプラン助成金最優秀賞を獲得いただき、そこからの出会いとなります。スピード感を持ちながら、新しいことに挑戦するTOWINGだからこそ今までにない農業経営を創造していくと信じております。』

※関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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コメント2件

  • 室井貴裕

    室井貴裕

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    宇宙空間での農業が実現されたら昔描いていた惑星への移住が現実味を帯びてくる。
    失敗しても宙農の成功のために必要だから、どんどん挑戦してほしい。