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三菱電機と共に世界のファクトリーオートメーションを変革!第3期アクセラプログラム募集開始

三菱電機と共に世界のファクトリーオートメーションを変革!第3期アクセラプログラム募集開始

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毎年1000万台以上のFA製品を世界94カ国の製造業の顧客に提供する、三菱電機・名古屋製作所。FA(ファクトリーオートメーション)事業の中核拠点である名古屋製作所では、FA分野における新規事業創出を目指すアクセラレーションプログラム「MITSUBISHI ELECTRIC ACCELERATION 2021-2022」を開催する。

今年度で3期目を迎える同プログラムでは、下記の5つのテーマを設定。パートナー企業からの様々な事業アイデアを募ることで、世界の製造業をアップデートするイノベーションの創出に取り組んでいく方針だ。

【テーマ①】 進化するIT技術で製造現場をアップデート

【テーマ②】 最新のセンシング技術による製造工程の効率化

【テーマ③】 セキュアな製造現場の構築

【テーマ④】 工作機械の機上計測による製造現場の効率化

【テーマ⑤】 FA製品のカーボンニュートラル(=脱炭素)の実現

プログラムの主体となるのは、三菱電機・名古屋製作所内で15のビジネスユニットを横断する組織として立ち上げられた「事業戦略グループ」である。

――今回は、同グループを牽引する大谷氏をはじめ、田辺氏、小田桐氏、黒木氏への取材を実施。3期目となるプログラム運営に向けての意気込みやパートナー企業に対する期待に加え、5つのテーマそれぞれに関する設定背景と共創相手のイメージ、提供できるリソースと活用ポイントなどについて詳しくお聞きした。

あらゆる工程がインテリジェント化された次世代の製造現場を作りたい

まずはプログラム全体をリードする事業戦略グループマネージャーの大谷氏に、今回のプログラムに対する期待や意気込みをうかがった。あわせて今回の5つのテーマの選定理由や、実際のパートナー企業との共創の進め方などについて、田辺氏と黒木氏にお聞きした。

――今回で3度目のアクセラレーションプログラムとなりますが、過去2回のご経験を踏まえ、今回のプログラムに期待されていることをお聞かせください。

大谷氏 : 過去2回で80社以上の企業さまからエントリーいただいていますが、私たちにはない目線・感性でフレッシュな提案をいただけていると感じます。とくにIT活用に関しては感度の高いアイデアが多く、引き続き期待を寄せています。

今回も自動化製品に関わるコンポーネントや加工機など、当社が強みとする製品とパートナー企業の皆さんのアイデアや技術を組み合わせることで、単なる改善レベル以上のイノベーションを生み出していきたいと考えています。


▲大谷治之氏(名古屋製作所開発部長 兼 事業戦略グループ マネージャー)

1990年新卒入社。情報技術総合研究所にてIT技術の研究開発に従事した後、シーケンサー開発、制御系ネットワーク開発に携わり、2018年に名古屋製作所のFAソリューションシステム部 部長に就任。2021年4月より名古屋製作所の開発部 部長に就任、事業戦略グループ マネージャーを兼務。

――今回は5つのテーマを設定されています。これらのテーマを通じて、どのような未来を実現していきたいとお考えでしょうか?

大谷氏 : 工場をはじめとする生産・製造の現場は、現在でも多くの工程を人の手作業に頼っている状況です。熟練の作業員を育成するには時間がかかりますし、作業員の方々が大変苦労して働いているにも関わらず、人の手に頼った作業では製品品質にバラつきが出やすいという課題も残り続けています。

まずは今回のプログラムのテーマでも設定している「IT技術」や「センシング技術」を活用し、様々な製造工程をインテリジェント化することで、製造現場で働く人たちを作業的な仕事から解放したいと考えています。そうすることで、工場に関わるすべての人々が、より次元の高い働きがいのある仕事に取り組めるような、次世代型の工場を作りたいという思いがあります。

――今回の5つのテーマを選定した理由や背景があれば教えてください。

田辺氏 : 総じて言えば、会社として強化すべき分野、伸ばしていく必要のある技術領域をテーマとして設定しています。現在の製造現場は様々な新しい技術の導入によって変わり続けていますが、さらに一歩先の工場を実現していきたいと考えているので、今すぐに導入・実装が可能なテーマだけでなく、将来性を見据えた技術・アイデアに関するテーマも設定しています。


▲田辺章氏(事業戦略グループ 専任)

2004年新卒入社。駆動制御機器の開発、R&D部門での研究開発などに従事した後、2018年より事業戦略グループに着任。

黒木氏 : 実際のテーマアップに関しては、各事業部門の部門長と協議した上で設定しました。IT技術に関しては、会社として広くウォッチしていく必要性が高いために設定していますが、「最新のセンシング技術による製造工程の効率化」や「工作機械の機上計測による製造現場の効率化」は、部門長のアイデアを取り入れてテーマ設定を行いました。

また、「セキュアな製造現場の構築」「3Rによる脱炭素社会の実現」に関しては、社会や産業界全体の共通課題とされている分野であり、当社としても積極的に取り組む必要があると考えてテーマアップしています。


▲黒木大輔氏(事業戦略グループ 専任)

2016年中途入社。シーケンサー向けエンジニアリングツールの開発に従事した後、2021年4月より事業戦略グループに着任。

――名古屋製作所内の様々な製造現場を活用し、スタートアップが早期に実証実験を行える環境があるとお聞きしています。これまでの実際の共創では、どの程度の期間で実証実験ができているのでしょうか?

田辺氏 : ケースバイケースではありますが、共創スタートから1カ月以内で実証実験に進むこともありますし、早いケースでは2回程度打ち合わせをした段階で実証実験に移行できた事例もあります。

私たち事業戦略グループが、スタートアップとの合意のもとで実証実験に関する具体的なイメージを描ける状態にあり、共感してくれる事業部門が見つかれば、スピーディーに両者をつないでスタートできる体制がとれています。

――なぜ事業部門との連携をスピーディーに進められるのでしょうか?

田辺氏 : 事業戦略グループには、様々な部門の経験者が集まっています。たとえば小田桐は生産技術からの異動者、黒木はソフトウェア開発からの異動者であり、私はR&D部門での経験があります。

各メンバーが様々な事業部とのネットワークを持っており、事業部ごとの仕組みや事情を理解しているため、実証実験に関するジャッジをスピーディーに行うことが可能です。また、大谷のような部長クラスがグループをリードしており、プログラムに関して上層部のコミットを得られていることも大きいと思います。

5つのテーマの設定背景・それぞれのテーマで共創したいスタートアップ像

ここからは5つのテーマそれぞれの主幹担当者の方に、各テーマの設定背景と実現したい目標、共創相手としてイメージしている企業像、共創におけるリソースと活用ポイントについてお聞きした。

【テーマ①】進化するIT技術で製造現場をアップデート(担当:小田桐氏)

――まず、テーマ①の設定背景と実現したい目標について教えてください。

小田桐氏 : 現在の製造業界では、「インダストリー4.0」や「スマートファクトリー」などの考え方に基づく「ものづくりのIT化」が進んでおり、私たち名古屋製作所も、今後は従来のFA機器のコンポーネントだけではなく、ITを活用したソリューションの提供が必要不可欠になると考えています。

現在、自社内でも積極的にIT技術の開発・活用に取り組んでいますが、IT技術は進化のスピードが早い上に、AI、VR、AR、デジタルツインなど、技術の裾野も非常に広い分野です。アンテナ感度の高いパートナー企業の皆さんと共創を行うことで、開発効率を上げ、共に新たなシステムやイノベーションを生み出すべきであると考え、テーマとして設定しました。

共創によってITを活用したソリューションを生み出し、少子高齢化による人手不足や技術伝承問題など、当社のエンドユーザーとなるお客様の製造現場が抱える課題を解決したいと考えています。


▲小田桐弘岳氏(事業戦略グループ 専任)

2012年中途入社。生産システム推進部で名古屋製作所の生産技術・設備導入等に従事した後、2021年4月より事業戦略グループに着任。

――共創相手としてイメージされている企業像はありますか?

小田桐氏 : 視覚、聴覚、触覚など、人の官能をデータ化する技術があれば、これまで熟練技術者でなければ対応できなかった作業を、AIによって自動化できる可能性が生まれると考えています。また、コロナ禍によって海外や遠隔地への出張が難しくなっているため、遠隔の製造現場に対しても支援ができるようなVR・AR技術も求めています。

製造現場に関する固定観念に捉われることなく、IT技術と製造現場を柔軟な発想で組合せ、ブレイクスルーを生み出せるようなパートナー企業さんからの応募に期待しています。

――本テーマで提供できるリソースがあれば教えてください。

小田桐氏 : 実証実験のフィールドとして、名古屋製作所内の様々な製造現場を活用いただけるほか、ソフトウェアの性能を検証できるラボ環境も整っていますので、パートナー企業の皆さんには大いに活用いただきたいと考えています。

【テーマ②】最新のセンシング技術による製造工程の効率化(担当:小田桐氏)

――引き続き、小田桐さんにテーマ②についてお聞きしたいと思います。テーマを設定した背景や実現したい目標についてお聞かせください。

小田桐氏 : テーマ①でもデータ化の話をしましたが、IT技術の活用のベースとなるのはデータであり、ものづくりの現場で様々なデータを得るためにはセンシング技術が必要不可欠であるため、テーマとして設定しました。

新しいセンシング技術によって、IT技術活用のベースとなるデータの取得、自動化の拡大を進めていきます。また、人の官能では検知が難しい設備の微小な変化や異常を、センシング技術で感知することで設備の予防保全を行うなど、工場設備のダウンタイム削減を実現し、エンドユーザーの生産性向上に貢献したいと考えています。

――どのような共創相手を求めているのでしょうか?

小田桐氏 : 現在、世の中には様々なセンシング技術が普及していますが、オリジナリティ溢れるセンシング技術をお持ちの企業や、センシング技術の精度や信頼性に自信のある企業と共創したいと考えています。

また単純なセンシング技術だけではなく、製造現場での使い勝手も大きなポイントになると思います。一度に大量の数が必要となるセンサーであったりすると、コスト面・保守面で製造現場への導入が難しくなります。そのため、シンプルかつ高精度、高信頼性が担保できるようなセンシング技術が理想です。

また、センシング技術は遠隔医療なども含め、製造業以外の様々な業界でも活用が進められています。異業種では当たり前のものとして活用されているセンシング技術を、「どうすれば製造現場で活かせるか」という議論もさせていただきたいと考えているので、製造業以外の業界・業種での実績を持つ企業の方々にも期待したいですね。

――共創に際して、どのようなリソースを提供できますか?

小田桐氏 : 名古屋製作所内には自動組立ラインに加え、人の作業がメインとなる製造現場も多数あるほか、機械加工、板金加工など、様々な作業を行う現場があります。このような、あらゆる状況を想定したセンシング技術の実証実験フィールドを提供することが可能です。

【テーマ③】セキュアな製造現場の構築(担当:黒木氏)

――では次に黒木さんに登場いただきます。テーマ③の設定背景や実現したい目標をお聞かせいただけますか?

黒木氏 : IT技術の発展によってIoTの導入が進み、今までは閉じられた環境で使用されていた工作機械や制御装置などのOT機器を社内LANやインターネット、クラウドにつないで使用することが当たり前の時代となりました。

その一方で、これらの生産設備に関するITセキュリティ対策が追いついていない現状があります。工場の生産設備を狙ったサイバー攻撃が世界中で発生するなど、今や工場の生産設備に関するセキュリティ強化はグローバルな課題となりつつあります。FA機器の開発・販売を行っている当社としても、IT・OT機器のセキュリティ対策は重要な課題であると考えているため、テーマアップすることとなりました。

――どのような共創内容・共創相手を想定されているのでしょうか?

黒木氏 : これまでのセキュリティは、「いかに防御するか」という考え方を基本にした対策が中心でした。当社としても、製品セキュリティに対する取り組みは実施しており、今期は製品の開発・生産・保守のライフサイクルに関する国際標準規格「IEC62443-4-1」の認証を取得しました。また製品そのもののセキュリティ機能を強化した製品とサービスの提供に努めております。しかし現在では、防御のみではなく、侵入を前提としたセキュリティ対策が重要視されつつあります。

侵入を前提としたセキュリティでは、「いかに早く検知するか」が重要になるため、当社では、ITに接続されているOT機器の把握から、ネットワークのリアルタイムな監視・分析・隔離、さらには検知後の対応判断・復旧なども含めた、トータルセキュリティーのソリューション提案を目指しています。

そのため共創相手としては、OT機器の把握、検知後の対応、復旧などの領域でセキュリティーサービスを提供している企業や、トータルセキュリティーサービスを提供している企業をイメージしています。

――テーマ③はセキュリティに関する共創となりますが、提供できるリソースなどがあれば教えてください。

黒木氏 : リソースとしては、先ほどから話に上がっている実証実験のフィールドとしての製造現場が考えられますが、本テーマではセキュリティに関する技術を扱うため、他のテーマほどスピーディーにはご利用いただけない可能性があります。技術の特徴を把握した上で、製造現場と協議を重ね、問題がないことが確認できれば活用いただけると考えています。

【テーマ④】工作機械の機上計測による製造現場の効率化(担当:小田桐氏)

――それでは再度、小田桐さんに登場いただきまして、テーマ④の設定した背景や課題点についてお聞きしたいと思います。

小田桐氏 : 現在の工作機械は、部品投入や段取り替えといった工程での自動化は進んでいるものの、製品加工後の精度検査においては、まだまだ多くの人的作業を必要としているのが実状です。工作機械で加工を行った後、そのまま機上で精度計測ができるような仕組みがあれば、製造現場の大きな効率化につながると考え、このテーマを設定しました。

現在も機上計測がないわけではありませんが、接触式であるために時間がかかったり、測れない場所があったりするなど、精度やスピード、測れる場所の範囲の問題なども含め、多くの課題を抱えています。

――共創内容や共創相手のイメージがありましたらお聞かせください。

小田桐氏 : 当社が製造販売している放電加工機では±1μm(マイクロメートル)の測定精度が必要になるケースもあるなど、工作機械で加工する製品の計測には高い精度とスピードの両立が求められます。そのため、高精度・広範囲・高速な計測技術をお持ちの企業と共創したいと考えています。

また、対象となる工作機械には切削加工、放電加工、レーザー加工などがあり、エンドユーザーが加工する対象物の大きさ、求められる計測精度も多種多様であるため、汎用性やカスタマイズ性も重要になります。このような部分に関しても、積極的にアイデアを出していただける企業にご応募いただけると助かりますね。

――パートナー企業に提供できるリソースについて教えていただけますか?

小田桐氏 : 切削加工、放電加工、レーザー加工など、様々な工作機械が設置された製造現場を実証実験のフィールドとして活用いただけます。また、名古屋製作所では放電加工機・レーザー加工機の製造販売に加え、NC装置も扱っています。あらゆる工作機械を使用する顧客が当社のユーザーとなっているため、広範囲な販売先や顧客網も活用いただけると思います。

【テーマ⑤】FA製品のカーボンニュートラル(=脱炭素)の実現(担当:黒木氏)

――最後のテーマ⑤について、黒木さんにおうかがいします。テーマ設定の理由・目的についてお聞かせください。

黒木氏 : 日本政府が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定したように、現在では、カーボンニュートラルや脱炭素社会への取り組みは世界共通の目標として認知されており、当社にとっても重要な使命の一つであると考えています。

そのような社会環境や社内環境の中、名古屋製作所でもCO2の排出削減につながる技術開発やエネルギー効率の改善など、カーボンニュートラルに向けた様々な技術開発を進めていますが、今後は「私たちの手がけている事業とカーボンニュートラルを掛け算で考えていかなければならない」という決意のもと、今回のテーマの一つとして設定しました。

――想定される共創内容や共創相手のイメージについてお聞かせください。

黒木氏 : 共創のイメージとしては二つの方向性を考えています。一つは当社製品に使われている素材そのものを低炭素素材やリサイクル素材に変えることで、ライフサイクル全体を通してCO2の削減を目指すというものです。

もう一つは、製造工程で排出している熱量を削減するために、消費電力のデータ収集・見える化を行った上で分析し、不要な電力消費の抑制や生産プロセスの最適化を通してカーボンニュートラルの実現に貢献するというものです。このような取り組みに関連する技術・アイデアをお持ちの企業に期待したいと思います。

――このテーマに関して、パートナー企業に提供できるリソースがありましたら教えてください。

黒木氏 : 他のテーマ同様、名古屋製作所の様々な製造現場を実証実験のフィールドとして活用いただけます。また、各部門の部門長とも連携しているので、技術やアイデア次第で様々なリソースをご活用いただけると考えています。

取材後記

三菱電機・名古屋製作所は、毎年1000万台以上のFA製品を世界94カ国の製造業の顧客に提供している。同社のアクセラレーションプログラムによって生み出されたイノベーションは、「世界中の製造業にインパクトを与える可能性を秘めている」と言っても決して大袈裟にはならないはずだ。

また、今回は5つのテーマが設定されていることにより、様々な技術・アイデアを持ったスタートアップにチャンスが与えられている。同社との共創を通じてイノベーションを起こし、自社のビジネスをスケールさせたいと考えている方は、ぜひエントリーを検討してほしい。

※プログラムの詳細はこちらをご覧ください。


(編集:眞田幸剛、取材・文:佐藤直己)

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  • 田上 知美

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