Ubie×ファイザー | 過活動膀胱(OAB)患者へのさらなる貢献を目指し協業開始
Ubie株式会社とファイザー株式会社は、切迫性尿失禁(UUI)をはじめとする過活動膀胱(OAB)の症状で悩む人たちの医療機関への早期受診に繋がる一助となるために、Ubieが提供するWeb医療情報提供サービス「ユビーAI受診相談」と、ファイザーが提供する疾患啓発サイト「UUI相談室」の連携を10月から開始したと発表した。本協業は、ファイザーのスタートアップ企業とのオープンイノベーション「ファイザー ヘルスケア・ハブ・ジャパン」(※1)から生まれた取り組みだという。
疾患の背景:相談しにくいOAB症状、女性で低い受診率
過活動膀胱(OAB:overactive bladder)は、尿意切迫感を必須の症状とする症状症候群だ。また、切迫性尿失禁(UUI:Urgency Urinary Incontinence)はOABの症状のひとつであり、突然がまんできないような強い尿意を感じ、トイレに間に合わずもれてしまうものを指す。
日本排尿機能学会が2003年に公表した疫学調査結果(※2)を2012年の人口構成にあてはめると、40歳以上の男女のうち、OABに該当する患者は1,040万人と推計されている。そして、この1,040万人うちUUIを有する人は750万人、UUIが週1回以上の頻度で発現する人は539万人と推計されている。
その一方、排尿に関する症状について、医師への相談のしやすさを患者に聞いた調査結果(※3)では、尿失禁は男女とも最も相談しにくい症状と示された。また、医療機関受診率はOAB症状のある人のうち22.7%(男性36.4%,女性7.7%)であったと報告されている(※2)。このようにOABの患者は1,000万人以上いるにも関わらず、医師への相談に躊躇し、医療機関の早期受診に繋がっていないことが想定される。
両社の情報提供:「ユビーAI受診相談」と「UUI相談室」
Ubieは生活者が質問にスマートフォンやPCから回答することで、その症状について相談可能な医療機関を調べられるサービス「ユビーAI受診相談」を提供している。またファイザーは、UUIをはじめとしたOAB症状等でお悩みの人やその家族に役立てる疾患啓発サイト「UUI相談室」を展開している。
協業の詳細:OABで困窮される患者の早期受診に繋げるために
医療機関への受診を躊躇し、OABで困窮する患者の課題を解消するため、両社はOABに関する情報提供で協業する。今回の協業では、「ユビーAI受診相談」に訪問した患者がOABに関連する症状で困っていると回答した場合、OABの情報およびファイザーの「UUI相談室」のリンクが表示され、リンク先でUUIをはじめとするOAB関連の充実した情報が取得できる。
また、「UUI相談室」のトップ画面には「ユビーAI受診相談」のリンクが表示され、リンク先において、OABで困っている患者が関連する症状を回答後に、近隣の泌尿器科等の医療機関を検索することが可能となる。両社は以上の協業により、患者への情報提供を充実させ、UUIをはじめとするOAB症状で困窮する患者に貢献することを目指していく考えだ。
※1:ファイザー ヘルスケア・ハブ・ジャパンとは、デジタルヘルステクノロジーやサービスを持つスタートアップ企業と協業し、患者により良い解決策の提供を目指す、ファイザー社の世界的オープンイノベーションの取り組みである「Pfizer Healthcare Hub」の日本版。Ubieは2018年11月、および2020年8月開催のピッチイベントに登壇している。両社はこの取り組みをきっかけに協議を重ね、今回の協業が実現した。
※2:本間之夫ほか:日本排尿機能学会誌 14(2):266, 2003
※3:外山学ほか:日本臨床内科医会会誌 24(1):108, 2009
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