愛知県豊田市 × SkyDrive|ドローン活用・社会実装促進に向けた協定を締結
愛知県豊田市と「空飛ぶクルマ」(※1)および「物流ドローン」を開発する株式会社SkyDriveは、6月25日、物流ドローンの災害時活用、および社会実装促進に向けた協定を締結したことを発表した。
▼協定書を持ったSkyDrive代表取締役CEO福澤氏(左)と豊田市太田市長(右)
※1 空飛ぶクルマとは:
正式名称は「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL: electric vertical take-off and landing)」。電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。モビリティ分野の新たな動きとして、世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでおり、日本においても2018年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている。今後に向けて経済産業省・国土交通省により、2023年度の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップが制定されている。
協定の内容
協定の主な内容は、以下の通り。
■災害時、豊田市の要請に対して、株式会社SkyDriveが開発した物流ドローンを提供。両者が連携しながら、孤立集落への物資輸送を行うことで豊田市の災害対応力の強化を図る。
■株式会社SkyDriveの災害以外の分野での物流ドローンの事業化を支援するため、両者が連携して実証実験等を行うことで社会実装を促す。
協定締結の背景
豊田市には山間地域に多くの人が住む。これまで、大規模な地震や風水害等の災害によって道路が寸断された場合に、山間部の救援物資の供給が困難であるという課題があった。この課題を解決するため、SkyDriveは、2020年12月に愛知県、豊田市と大規模地震時の物流ドローンを活用した孤立集落への物資運搬を想定した「災害物流訓練」を実施する等(※2)、災害時のドローン活用について検討を重ねてきた。
今回の協定書締結により、災害時に、豊田市の要請に基づいてSkyDriveが製造する約30kgの荷物運搬が可能な物流ドローンを提供する。これにより、災害時には、孤立した被災地域への迅速な救援物資・備蓄物資の運搬が可能になる。
また、平時にも物流ドローン活用の検討、および必要な実証実験を協働で行っていくことにより、豊田市における物資運搬の選択肢を増やし、豊田市民の安全と地域の持続的な発展を目指す。
なお、豊田市としては災害時における物流ドローンの提供等に関する協定を締結するのは初めて。また、SkyDriveにとっても豊田市が対自治体として初めての災害時におけるドローンの活用に関する協定の締結先となる。
※2:愛知県、豊田市との「災害物流訓練」について(関連プレスリリース)
SkyDrive製物流ドローンの特徴
▼最大30kgの荷物を運搬、着陸せずに荷下ろしするホイスト機構を搭載可能
▼ワンボックスカーで運搬できるコンパクトサイズ
各者コメント
■豊田市長 太田稔彦氏
豊田市の災害対応力の向上や、物流ドローンの社会実装の促進に向けた連携の強化につながる本協定を締結できますことを大変うれしく感謝申し上げます。豊田市は市域に広大な山間地を有しており、災害時には、多くの箇所で土砂災害が発生する危険性を抱えております。災害時に空路での輸送手段を確保できることは、孤立集落への支援を検討する上で重要であり、物流ドローンを豊田市の災害対応力の向上に活用していきたいと考えています。
また、本協定の締結を機に、災害以外の様々な分野での利活用についても両者一体となって模索し、地域課題の解決に向けて、より一層、力を入れて取り組んでまいります。
■株式会社SkyDrive 代表取締役CEO 福澤知浩氏
豊田市様からは創業以来、『新産業創出へ向けた「空飛ぶクルマ」開発に関する連携協定』(※3)の締結をはじめ、弊社の開発拠点のご提供など様々な形でご支援いただいております。この度、新たな協定締結により、豊田市で生まれた物流ドローンを活用して市民の皆さまに貢献させていただくスタート地点に立てたことを、大変うれしく思います。
災害は起こらないに越したことはないですが、有事の際にも物流ドローンを活用して迅速に物資供給を行う仕組みを整え、より安心して暮らせるまちづくりの一助になればと思います。また、都市部と山村部がバランスよく存在する豊田市で、様々なユースケースを実証していくことにより、物流ドローンの価値をより一層高めてまいります。
※3『新産業創出へ向けた「空飛ぶクルマ」開発に関する連携協定』とは:ものづくり人材・企業の集積地である豊田市において、未来を見据え、次世代産業である「空飛ぶクルマ」の研究開発を推進し、社会実装に向けた実証実験を実施、その成果による「空飛ぶクルマ」の産業化の実現に向けて取り組むことを目的として締結したもの。(関連プレスリリース)
※関連リンク:プレスリリース