東海理化 × dotDによる協業ビジネス「TOKAI RIKA Digitalkey」| LOMAのカーシェアサービスに採用、5月より実証実験をスタート
株式会社東海理化と株式会社dotDは、両社による戦略的協業ビジネス「TOKAI RIKA Digitalkey」のスマートフォンで鍵の解錠/施錠ができるシステムが、株式会社LOMAのカーシェアサービス「LOMACA」に採用され、5月より福岡市内にて実証実験を開始していることを発表した。
サービスの流れ
「LOMACA」は、営業拠点から半径5キロ圏内へ、顧客の注文後30分以内にシェアカーを届けるサービスだ。「TOKAI RIKA Digitalkey」は、クルマの鍵の解錠/施錠をスマートフォンで行なうことができるシステムとして、車載スマートデバイス「FREEKEY Box」と、実証実験用スマートフォンアプリ「FREEKEY for CAR」を「LOMACA」に提供している。
スマートフォンに一時的にクルマの鍵の解錠/施錠の権限を付与することにより、顧客は非対面・非接触でシェアカーを受け取れ、利用後は希望のエリアのコインパーキングに駐車するだけで返却することができる。スタッフは返却を確認したら、車載用EVバイクにてシェアカーの回収を行うという。
▼シェアカーを予約
▼顧客にシェアカーを届け、EVバイクで戻るスタッフ
▼利用後、希望のエリアの コインパーキングに返却
▼返却されたシェアカーの 回収に向かうスタッフ
「TOKAI RIKA Digitalkey」が提供する車載スマートデバイス「FREEKEY Box」は、クルマの物理的な鍵を内部に入れた状態で車内に設置するだけで、スマートフォンのアプリ操作による鍵の解錠/施錠が可能となる仕組みだ。
これにより、非対面・非接触でのクルマの受け渡しを実現している。また、「FREEKEY Box」は車内への設置や電源接続も簡単かつスムーズに行うことができ、BLE(※1)通信のため、インターネットが使用できないオフライン環境でも鍵操作が可能だ。
▼参考写真:左「FREEKEY BOX」への収納イメージ、中央:FREEKEY Boxの車内への設置イメージ、右:スマートフォンアプリで鍵の施錠/開錠を行うイメージ
今後の展開
今後、「LOMACA」でのデジタルキーの本格運用に向け、「TOKAI RIKA Digitalkey」はAPI(※2)とSDK(※3)をLOMAへ提供する予定だ。大規模なシステム開発を要することなく、BLE通信による車載スマートデバイス操作機能、鍵の権限管理機能、各種ログデータとの連携が「LOMACA」の管理システム上で可能となる。これにより、サービスユーザーは別のアプリをダウンロードする必要なく、「LOMACA」アプリより直接、鍵の解錠/施錠を行うことができる。
なお、カーシェアサービス「LOMACA」は、2020年3月に3台からスタートし、現在は60台を突破(福岡市内のみ)。2022年度末までに福岡市内10拠点200台の増車を計画中だ。現在は福岡市内限定で実証実験を行っているが、カーシェアの優位点(非対面・非接触)とレンタカーの優位点(清掃・除菌・点検整備)を融合した「LOMACA」の強みを活かし、政令指定都市を中心に2027年までに500拠点を目指すという。
※1: BLE(Bluetooth Low Energy):電子機器などに使われる低消費電力の無線通信技術。
※2: API(Application Programming Interface):外部のアプリケーションとシステム連携をするための機能のこと。本件ではサービスユーザーのスマートフォンにデジタルキーを配信するために、LOMACAサーバーとTOKAI RIKA Digitalkeyのサーバーを連携させるための機能を指す。
※3: SDK(Software Development Kit):ソフトウェアを開発するために必要なプログラムや文書などをひとまとめにしたパッケージのこと。本件ではスマートフォン上のLOMACAアプリでデジタルキーの操作を可能にするためのプログラムのことを指す。
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