大阪ガス×大阪シティバス×アプトポッド | AIカメラを活用したガス管パトロール業務の試験運用を開始
大阪ガス株式会社は、2021年6月1日より大阪シティバス株式会社の路線バスを用いて、「工事現場をAIで自動認識する車載カメラ」(以下、「AIカメラ」)を活用したガス管パトロール業務の試験運用を開始すると発表した。
取り組みの背景
大阪ガスでは、道路に埋設されているガス管付近で水道、下水道、電気、通信など大阪ガス以外の事業者による掘削工事が実施される場合は、掘削時に付近のガス管を破損されないよう事前協議を依頼している。
一方で、同社への連絡なくこれらの工事が実施されるケースがあるため、破損された場合に影響の大きいガス管が埋設されている道路では、パトロールを行い、連絡のない他工事の発見を行うことで、ガス管の破損防止を図っている。
現状、中圧ガス管(供給圧力0.1MPa~1.0MPa)が埋設されている道路においては、毎日パトロール車が所定のルートを1日かけてチェックしているが、巡回時間外の工事を見つけられないなどの課題があった。
取り組みの内容
これまで点検員がパトロール車で行ってきたこの業務を、今回開発したAIカメラを路線バスに搭載することで、これまでのパトロール業務に代替し、業務の生産性の向上を図る。
また、路線バスは同一路線を一日に複数回走行するため、新たな方式では現状よりも巡回頻度を高められることから、ガス管の破損リスク低減といった保安品質の向上も期待できる。
一方で、大阪シティバスでも、AIカメラによる映像をバスの安全運行に活用することが可能となることから、今回の二社の連携は、それぞれに社会的な安全確保に寄与することにもなる。
<AIカメラによるガス管パトロール業務について>
大阪ガスは、AIカメラを搭載した路線バスが走行中に撮影した画像の中から、AIが工事である確率の高い画像を抽出し、事務所で画像をチェックするオペレーターが連絡のない工事かどうかを判断する。
▼AIカメラ「導入前」のパトロール業務
▼AIカメラ「導入後」の運用イメージ
オープンイノベーションでAIカメラを開発
大阪ガスは2009年からオープンイノベーションを推進しており、社内ニーズを積極的に発信し、外部から提案される技術と結び付けてきた。今回のAIカメラ開発も、オープンイノベーションのマッチングイベントで接点を持ったスタートアップ企業(株式会社アプトポッド)との協業によって実現したという。
今後の展開
2021年6月からの試験運用の結果を受けて、本年の秋以降、本格運用を開始する予定だ。また、大阪ガスの供給エリア内での運用拡大を目指し、他の路線バス運営会社とも協議を行っていく予定だという。
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