ティアフォー × ミナミホールディングス | 合弁会社を設立、自動運転技術を活用した「AI教習システム」の提供を開始
株式会社ティアフォー、南福岡自動車学校を運営するミナミホールディングス株式会社は、自動運転技術を活用した運転技能検定システム、および教習システム（以下、あわせて「AI教習システム」）の製品化並びに同製品の販売を行う合弁会社「AI教習所株式会社」を設立することに合意したと発表した。
「AI教習システム」開発の背景
昨今、地域の交通教育を支える自動車教習所は、指導員の高齢化や採用難による人材不足に直面しており、在籍指導員の負担増加や運転免許取得希望者、および免許更新を控えた高齢運転者の受入難という社会課題が顕在化している。
この課題解決を目的とし、ティアフォーの創業者でもある加藤真平氏が東京大学の准教授として研究代表者を務めるJST CREST（※）の研究課題「完全自動運転における危険と異常の予測」の研究成果、ならびにミナミホールディングスが有する教習所における知見を活用し、AI教習システムの開発を進めてきたという。
※1: JST CRESTとは、国立研究開発法人 科学技術振興機構（JST）の戦略的創造研究推進事業 チーム型研究（CREST）を指す。
「AI教習システム」の概要
AI教習システムは、自動運転技術とAIを用いて教習所コース内における車両位置や車両状態、周辺環境、およびドライバーの確認行動をリアルタイムに把握することで、ドライバーの危険運転行動の検知、および事前に収集した教師経路と実際にドライバーが運転した走行経路の差分等に基づく運転技能評価ができるものだ。指導員と同程度の精度で評価することができる。本システムを用いて、自動車教習所における指導員業務をサポートし、自動車教習所における人材不足解消に貢献すべく、この度、製品化することになったとのことだ。
合弁会社設立の背景
製品化にあわせ、ティアフォー、ミナミホールディングスの2社にて合弁会社を設立し、AI教習システムを各教習所に提供を開始する。AI教習システムの製品化を通じ、指導員の負担軽減を図り、指導員が指導に専念出来るような、人とAIが助け合う未来の教習所作りをサポートし、日本の安全な交通社会への貢献を目指すという。
各社コメント
■株式会社ティアフォー 創業者兼CTO 加藤真平氏
『自動運転技術によって自動車教習所の人材不足という社会課題を解決できることは本当に素晴らしいことだと思います。また、これがオープンソースで開発されている「Autoware」によって実現されているとともに、JST CRESTを通じた大学研究の一環として生まれた成果であることは、まさに産官学連携によるオープンイノベーションの価値を証明するものだと感じています。今後も自動運転技術が様々な用途に役に立つよう研究開発を続けていきます。』
※2: Autowareは、The Autoware Foundation (AWF)の登録商標。
■ミナミホールディングス株式会社 代表取締役 江上喜朗氏
『今回、３年を超える研究開発を通じて、弊社の教習業務におけるノウハウとティアフォー社の持つ自動運転技術を融合、システム化することに成功しました。指導員不足や高齢者の事故等、交通社会に起きている課題を大きく解決します。このシステムの普及を通じて、日本が目指すべき「世界一安全な交通社会」を実現していきます。』
※関連リンク：プレスリリース
