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植物肉「ミラクルミート」のDAIZが農林中央金庫から出資受け入れ、国産大豆の調達や市場開拓において協業

植物肉「ミラクルミート」のDAIZが農林中央金庫から出資受け入れ、国産大豆の調達や市場開拓において協業

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発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップであるDAIZ株式会社は、農林中央金庫からの出資を受け入れたことを発表した。

この提携により、DAIZと農林中央金庫はJAグループネットワークを活用した国産大豆の調達やそれを活用した商品開発・市場開拓や、「ミラクルミート」の海外輸出・市場開拓などの分野で協業することにより、農林水産業を取り巻く資源保護や飢餓撲滅等の環境・社会課題の解決を目指して行く。

出資の背景

農林中央金庫は、2016年5月に「農林水産業の成長産業化」への貢献の一環として、農林水産業の高付加価値化・生産性向上のため、系統団体および国内外との企業との協働およびそれを支えるリスクマネーの供給を目的に「F&A(Food and Agri)成長産業化出資枠」を設定した。同件は、「F&A(Food and Agri)成長産業化出資枠」を通じての出資となる。

近年、世界的な人口増加に伴うタンパク質危機や環境問題への対応、エシカル消費意識や健康意識の高まりを背景に、植物由来の食品は国内外で注目を集めている。植物肉市場が広がりを見せる中、栄養価が高く、食肉に近い旨味・食感を再現した発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発するDAIZの技術力が高く評価された。両社が継続的な連携・対話を行い、農林水産業を取り巻く資源保護や飢餓撲滅等の環境・社会課題の解決を目指すことになったという。

DAIZの発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」について

2050年までに地球上の人口は100億人に達すると予測されている。世界的な人口増加と新興国の経済成長により、2030年にはタンパク質の需要に供給が追い付かなくなる「タンパク質危機」が起こり、タンパク質の需給がひっ迫することで、これまで以上に食肉価格の高騰が予想されている。そこで、「植物肉」が代替タンパク質として注目されており、その市場は世界で9兆円を超えると見込まれている。植物肉が、牛肉・豚肉・鶏肉と同じように食卓に並ぶ時代が到来しているという。


これまでの植物肉に使用されてきた主原料は大豆搾油後の残渣物(脱脂加工大豆)であったため、①味と食感に残る違和感、②大豆特有の青臭さや油臭さ、③肉に見劣りする機能性(栄養価)といった課題が残っており、本格的な普及の妨げになっていた。

DAIZの植物肉は、原料に丸大豆を使用。さらに、独自の発芽技術によって、これまでの課題を解決する植物肉「ミラクルミート」の開発に成功した。

DAIZの植物肉「ミラクルミート」の特徴

■特徴1.原料に丸大豆を使用

これまでの植物肉は、大豆搾油後の残渣物である脱脂加工大豆を主原料としていたが、DAIZの植物肉「ミラクルミート」は原料に丸大豆を使用している。さらに、オレイン酸リッチ大豆を使用することで、大豆特有の臭みを無くし、異風味を低減している。

■特徴2.旨味や栄養価を増大、肉様食感を再現する独自技術

味や機能性を自在にコントロールするコア技術「落合式ハイプレッシャー法」※1で大豆を発芽させ、旨味や栄養価を増大させる。その発芽大豆をエクストルーダー(押出成形機)※2にかけ、膨化成形技術により、肉のような弾力と食感を再現している。これらの独自技術により、異風味を低減した植物肉「ミラクルミート」を製造しているという。

※1 大豆の発芽中に酸素・二酸化炭素・温度・水分などの生育条件を制御し、酵素を活性化させることで遊離アミノ酸量が増加し、素材の旨味を引き出す栽培法。(特許第5722518号)

※2 食品加工時に使用される機械。材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出すことにより混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置。

■特徴3.独自製法による価格競争力

旨味や栄養価が増大した発芽大豆を使用しているため、他の原料や添加物を何も足さずして、植物肉原料が完成している。発芽タンクを用いた独自の製造プロセスにより、原価低減を実現し、牛肉・豚肉・鶏肉に対し、価格競争力があるという。

DAIZのサスティナビリティ、地球温暖化の解決に寄与する植物肉

昨今、地球温暖化が大きな課題となっている。国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に対し、DAIZは地球温暖化の解決に寄与する「植物肉」を普及させることにより、目標達成に向けて貢献している。


地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因と言われている。温室効果ガスの最も大きな排出源は電力(火力発電など)だが、同等に大きな排出源となっているのが、農業・畜産業。世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっており、私たちの食生活の見直しが求められている。

植物肉は、「次世代のお肉」として、温室効果ガスの排出を抑える効果の高い植物性食品。地球温暖化を防ぐため、今からでもできることは、なるべく地球にやさしい植物肉を食生活に少しずつ取り入れることという。牛・豚・鶏に次ぐ第4のお肉として、「植物肉」の普及を通じて、DAIZはサスティナブルな世界を目指していく。

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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