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インバウンド需要が激減するも、ウィズコロナ時代に備える【AI×観光】の共創事例

インバウンド需要が激減するも、ウィズコロナ時代に備える【AI×観光】の共創事例

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多くのビジネスパーソンが注目するAIビジネスですが、AIには多用に細分化された用途があります。ですから「どの領域のAI活用がアツいか?」に注目するのが正しいビジネス洞察眼と言えるでしょう。TOMORUBAの連載「Break Down AI」では、期待される【AI×○○】の実態を深堀りし、どのような共創が行われているかに迫ります。

今回は、コロナ禍の影響を最も受けている産業のひとつである観光分野でのAIを活用した共創事例をみていきます。インバウンド需要への打撃だけでなく、接客などのサービスでも非接触などの感染症対策が求められている中で、どのような共創が行われているのでしょうか。

インバウンド需要は97.7%減、遠ざかる「観光先進国」の確立

コロナ以前の観光業に目を向けると、外務省の政策が功を奏して2012年からのインバウンドの増加は著しいものがあり、近年では年間の訪日外国人旅行者が3000万人を超えています。


外務省が定めた目標では、訪日外国人旅行者の数を2020年に4000万人、2030年に6000万人としていました。しかし、コロナ禍の影響で訪日外国人は激減し、最新の調査では2020年11月の訪日外国人は97.7%減の56,700、2020年の1-11月累計で400万人となっており、目標の10%という現状になっています。


コロナ禍という想定外の事態のため目標との乖離は仕方がありませんが、観光関連のビジネスへの打撃は計り知れません。こうした事態を打開するためにも、AIなどを筆頭にしたテクノロジーの活用は重要なファクターと言えるでしょう。

参考ページ:訪日外国人動向2021 - 観光統計

AI×観光の共創事例

ここからは、新型コロナウイルスが流行して以降に発表されている観光業のAIを活用した共創事例を紹介していきます。

【バカン×リクリエ】AIとIoT を活用したリアルタイム空き情報配信サービスのバカンと無人ホテル運営のリクリエが協業開始

AIとIoT を活用して空き情報を配信するスタートアップ、バカンと、無人ホテルを運営・実現のサポートをしているスタートアップ、リクリエは、両社のリソースを活用したサービス連携を開始しています。

協業の背景には新型コロナウイルスの影響により、全国各地でホテルの稼働率が低迷していることがあります。新常態(ニューノーマル)の中で新たな需要を掘り起こす必要があるほか、対人での接客が当たり前の運営を見直し、3密対策や非接触への取り組みに各社が対策を急がれているという課題の解決を目指します。

リクリエは 2016 年の創業以来、遊休資産の活用をテーマに無人ホテルの運営、また無人ホテル実現のためのチェックインシステム「Tabiq(タビック)」を開発しており全国 50 以上の施設を運営している実績があります。

一方バカンは、AIとIoTを活用してホテル・旅館内の設備をはじめ、飲食店や公共施設などあらゆる場所のリアルタイム空き情報の配信サービスを展開しています。今回の連携により、宿泊施設内の非接触対策だけではなく、近隣の商業施設や飲食店、さらにはトイレの空き状況なども現地から離れた場所から確認できるようになる見込みで、「オンラインでのおもてなし」の可能性がさらに広がる。この連携は福岡市内での実証実験の後、その他の地域に提供を拡大していく予定とのことです。

関連記事:AIとIoT を活用したリアルタイム空き情報配信サービスのバカンと無人ホテル運営のリクリエが協業開始

【アクティバリューズ×クラブメッド】老舗ホテルでDXソリューション「talkappi(トーカッピ)」導入

観光分野のDXを推進するアクティバリューズは、同社が開発・運営する顧客対応AIソリューション「talkappi(トーカッピ)」を、クラブメッドが運営するクラブメッドの公式サイトに導入しました。

「talkappi」は導入先施設の公式HPに加えて、LINE公式アカウント、Facebookページなど様々な顧客チャンネルと連携しAIチャットボットによる問合せの自動応答、チャットで完結できる予約・販売といった観光業のDX導入が可能です。

クラブメッドは1950年ヨーロッパでの創立以来、世界中に約70ヶ所のリゾート施設を展開しており、飲食代などが宿泊料に含まれるオールインクルーシブホテルが特徴となっています。

今後、アクティバリューズは、顧客対応の非対面化、直販率向上などDXの推進が求められる観光業界で、AI、ビッグデータなどの先端技術を使い、観光分野のDX推進のリーディングカンパニーを目指すとのことです。

関連ページ:観光分野特化の顧客対応AIソリューション「talkappi」をクラブメッドへ導入

【ビースポーク×南砺市】ウィズコロナ見据えAIチャットコンシェルジュ「Bebot」導入

ビースポークと南砺市役所は、2021年2月より、AIチャットコンシェルジュ「Bebot」のサービスを開始しました。「Bebot」の強みである人間らしさ溢れるコミュニケーションを通じて、南砺市の魅力を発信すると同時に、ウィズコロナ時代の新たな観光ニーズをチャット履歴から特定し、訪日旅行の再開に備えるとのことです。

南砺市では「世界遺産周辺に滞留する観光者のまちなかへの移動促進」「市内の穴場情報の発信」の2点が課題となっていました。さらにウィズコロナではこれらの課題に加え、ニューノーマルへの対応も必須となったことを受けて、人々を「AからBへ動かす」ことを得意とするBebotを活用することで、これらの課題解決を目指します。

Bebotは「行政のDXソリューション」として(1)疫病・災害を含む緊急時の多言語対応の自動化(2)窓口対応の自動化に特化したチャットボットです。台風・地震などの災害を含む緊急時に発生する外国語の質問やリクエストに対しても、政府や自治体に代わりリアルタイムで多言語対応が可能です。

南砺市の田中市長は「旅行者へのチャットボットの提供により、きめ細かなコンシェルジュ機能を担うだけに留まらず、いつ何時起きるかわからない災害についても、情報を問われればお知らせすることができる」と語っており、同市は引き続き安全で満足度の高い観光地を目指していきます。

関連ページ:世界遺産の街「南砺市」が観光DXの一環としてAIチャットボット「BEBOT」を導入

【東急×トライエッティング】ホテル・リゾート施設でのシフト自動作成に関する共同実証実験

東急不動産グループの東急リゾーツ&ステイと、名古屋大学発AIベンチャーのトライエッティングは、ホテルやリゾート施設において、AI最適化技術を活用したシフト自動作成に関する共同実証実験を開始しました。

スタッフのスキルレベルに合わせた人材配置や法律の諸条件、さらに急なシフト変更への対応といった様々な制約条件がある複雑なシフトにおいて、AIによる最適化の実現を目指します。実証実験の結果をもとに、東急不動産グループ内での導入、およびグループ以外への販売も視野に入れているとのこと。

今後トライエッティングは「組合せ最適化」技術に知見を有するAI-PaaSの立場から、東急不動産グループの幅広い事業領域への技術適用機会を活用し、技術開発と価値提供機会のさらなる拡大を目指す予定です。

関連記事:東急リゾーツ&ステイ×AIベンチャー「トライエッティング」 | 複雑なシフト作成を自動化する実証実験を開始

【編集後記】ウィズコロナでは日本の感染対策の質の高さは武器になる?

記事を執筆している2021年3月現在は国内のコロナ感染者が多く一部エリアが緊急事態宣言下にありますが、アメリカやブラジル、イギリスと比較すると日本は感染者の数が少ない状態です。現時点で感染拡大の増減の原因は全て解明されたわけではありませんが、国内の感染対策の質の高さが認められれば、ウィズコロナ時代において海外旅行の行き先として日本は有力な選択肢になるかもしれません。

上記で紹介したようなテクノロジーを活用してウィズコロナに備えている企業が評価される日が近い将来に訪れることを期待したいですね。

TOMORUBA編集部

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Break Down AI

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