Plug and Play日本支社の立ち上げ経験などを持つ矢澤麻里子氏、Yazawa Ventures1号ファンドを組成
日米のベンチャーキャピタルで豊富な実績を持つ矢澤麻里子氏が、2020年11月14日に株式会社Yazawa Venturesを設立。シード特化のベンチャーキャピタルとして、Yazawa Ventures1号投資事業有限責任組合(通称:YV1号ファンド)を組成したことを発表した。
“Yazawa Ventures” とは
Yazawa Venturesとは、「働く」の変革にかかわる領域のスタートアップへ出資をする独立系シード特化のベンチャーキャピタルファンドだ。
投資領域は主に、(1)企業や組織におけるDX(デジタルトランスフォメーション)や業務効率化を含めた働く環境を構造から変革するスタートアップ、(2)テクノロジーを軸にした「個」の多様な活躍を推進するスタートアップや、ひとりひとりがより良く働くための基礎となるヘルスケアや教育、及び女性の社会活躍における課題の解決に挑むスタートアップなどを中心としている。年齢や性別に関わらず、誰もが、日本経済の活性化に向けて経済活動を楽しめるダイバーシティ性の高い社会を創る企業に対して、積極的に投資及び支援をしていく考えだという。
投資ステージとしては、シードに特化し、企業価値2億円以下のスタートアップに1件あたり1000万円〜1500万円前後で出資を行う。本ファンドには、LP投資家として、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ代表 村口和孝氏や、株式会社ウィズグループ代表 奥田浩美氏などの投資家が参画する。2021年5月を目処に、引き続き出資者の募集を行い、ファンド総額7億円以上を目指すとのことだ。
新ファンド設立にあたってのコメント
■代表取締役 矢澤麻里子氏
昨今、COVID-19の感染拡大により、先行き不透明な中、経済・産業・文化・ライフスタイルの大きな変化が起きております。一方で、依然として収束が見えない状況がゆえ、企業のDXは加速し、個人のみなさまにおいてもご自身のライフスタイルや人生における優先順位を見直す大きな機会ともなっていると認識しております。
これを一つの勝機と捉え、スタートアップへ投資を通じて、かねてより課題とされる日本のGDP成長率や労働生産性の低さの抜本的改革を目指し、ひとりひとりが行う経済活動をより良いものにするメガベンチャーの輩出を見据え、日本経済の活性化に尽力してまいりたいと思います。
また、2019年に世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数」では、日本は121位と順位を落とし、政府が掲げる「女性管理職30%目標」が10年先延ばしになるなど、女性活躍は他国に遅れをとっている状況です。女性がよりよく活躍できる環境は、企業に多様性をもたらし、日本経済をさらに活性化すると考え、積極的に女性起業家支援も推進してまいります。
<代表取締役 矢澤麻里子氏の経歴>
ニューヨーク州立大学を卒業後、BI・ERPソフトウェアのベンダーにてコンサルタント及びエンジニアとして従事。国内外企業の信用調査・リスクマネジメント・及び個人与信管理モデルの構築などに携わる。その後、サムライインキュベートにて、スタートアップ70社以上の出資、バリューアップ・イグジットを経験した後、米国Plug and Playの日本支社立ち上げ及びCOOに就任し、150社以上のグローバルレベルのスタートアップを採択・支援。出産を経て、2020年Yazawa Venturesとして独立。
なお、TOMORUBA編集部では、昨年の春、矢澤麻里子氏にインタビューを行い、オープンイノベーションを成功に導く秘訣や日本企業の課題点などを聞いた。インタビューの内容については、以下にて。
※インタビュー記事:オープンイノベーターズバトン VOL.3 | Plug and Play Japan 矢澤麻里子
※関連リンク:プレスリリース