オープンイノベーションの先駆者、大阪ガスの新たな挑戦 「大阪ガス・Daigasグループ×AUBA OPEN INNOVATION 1.5 PROJECT」始動
国内外でのガス・電力事業を中心に総合エネルギー事業を展開する大阪ガスは、国内大手企業の中でもオープンイノベーションの先駆者として知られ、10年以上前から多くのパートナー企業と共創し、技術開発に取り組んできた。――2018年、これまでの枠を超えた新たな価値創造に挑戦するため、イノベーション本部を創設。
今回、“従来の技術・サービスのマッチング(1.0)に留まらず、新たな価値を共創で生み出す(1.5)”ために本格始動した取り組みが『大阪ガス・Daigasグループ×AUBA OPEN INNOVATION 1.5 PROJECT』だ。
そこでTOMORUBA編集部では、今回の共創プロジェクトをリードする大阪ガス イノベーション推進室の小幡氏、ビジネスインキュベーションチームの片山氏の両名に、新たなプロジェクトに取り組むことになった背景や目的をお伺いした。さらに、4つのテーマの担当者へのインタビューを実施。各テーマの設定背景となっている現場の課題や共創したい企業のイメージ、提供できるアセットやリソースなどについて詳しくお聞きした。
●テーマ①食体験を簡便・安全に提供するサービス(高齢者/単身/共働き世代)
●テーマ②健康計測データを活用した新サービス
●テーマ③サービスチェーンの接点を活用した、IoTによる業務効率を図るサービス
●テーマ④地下埋情報・技術を活用した、不動産事業者や生活インフラ事業者向けの新サービス
技術分野に留まらない、ビジネスの可能性を広げる新たな共創プロジェクトの推進
最初に大阪ガスのオープンイノベーション活動で中心的な役割を担う小幡氏に、過去10年以上にわたる取り組みを踏まえつつ、改めて新プロジェクトをスタートさせるに至った背景や狙いについて伺った。
▲大阪ガス株式会社 イノベーション推進部 オープンイノベーション室 小幡成雄氏
▲大阪ガス株式会社 イノベーション推進部 ビジネスインキュベーションチーム 片山智史氏
――大阪ガスさんと言えば、「日本のオープンイノベーションの第一人者」というイメージもあるのですが、そんな貴社が新たなプロジェクトを立ち上げられた背景についてお聞かせいただけますか?
小幡氏:当社はガス灯からスタートし、ガスストーブなどの熱源、厨房・キッチン周りのサービス、さらには産業用の空調機、電気の供給、現在ではスマートハウスの分野にも進出するなど、ガス会社としての当社の事業展開そのものがイノベーションの連続であり、もともとイノベーティブなマインドを持っている会社であると考えています。
オープンイノベーションに関しても2009年から取り組みを始めており、自社保有技術と外部技術との融合による付加価値の増大を推進してきましたが、基本的には事業部門やグループ会社のニーズを把握した上で必要な技術を探索するという取り組みが中心的でした。
――そうした流れがあった上で新たな挑戦をしなければならない課題が出てきたのでしょうか。
小幡氏:そうですね。とくに昨今では電力・ガスの小売全面自由化、低炭素化の潮流、デジタル化に象徴される技術革新などもあり、社内でも「エネルギーの販売ビジネスだけに留まっていては進化も発展もない」という機運が醸成されています。
そこで「当社が必要なものを生み出すために」という従来の技術マッチングに関する取り組みに加え、当社のアセットと外部の技術やサービスを組み合わせて「お客さまが求めている新しい価値を生み出す」ための取り組みを進めていく必要があると考えました。
――既存のエネルギー事業に対する危機感が背景にあると。
小幡氏:その通りです。私たちは、今までの技術マッチングをメインとした取り組みを「オープンイノベーション1.0」と呼んでいます。一方で、社会一般で言われている「N対Nで社会課題を解決しましょう」という取り組みを「オープンイノベーション2.0」であると考えると、当社は「オープンイノベーション1.5」を推進するための取り組みを始めていく段階にあります。
1.0で培ったノウハウやネットワークを活用しつつ、新しいサービスを生み出すために、新しい視点やアイデアを持った方々と共創していく必要があると考えています。
片山氏:もちろん、これまでにも大手アクセラレーターやVCも交えてスタートアップと共創を進めてきた事例もありますし、全国の商工会議所や金融機関などを通じてスタートアップやベンチャーを紹介いただけるネットワークも有していますが、今回のプロジェクトを実施することで、既存のネットワークでは出会えなかったような方々とも共創できるのではないかと期待しています。
一人一人のお客さまに向き合った食体験を提供したい
▲大阪ガス株式会社 エナジーソリューション事業部開発部 サービス企画チーム 藤田敦史氏
最初のテーマは、Daigasグループが持つダイレクトな顧客接点を活用し、高齢者や単身者、共働き世帯などに簡便・安全な「食体験」を提供するサービスアイデアの募集だ。同社サービス企画チームの藤田氏にテーマ設定の背景、狙いについて伺った。
――「食体験」に関するテーマを設定された背景や狙いについて教えてください。
藤田氏:ガス灯からスタートした当社ですが、電灯が登場したことで「会社が潰れるかもしれない」という難局が訪れました。そんな時に当社の次なる事業フィールドとなったのがガスコンロでした。
関西では釜戸が神聖視されていたので、当時はお客さまからの反発も強かったと聞いていますが、そんな状況でも「世の中をもっと便利に」という意気込みで提案を続けてきたという歴史があります。そのため、「食」というテーマは大阪ガスにとって特別に思い入れの強い活動領域となっています。
実際に、グループ会社にはクッキングスクールもありますし、関西料理店の専門誌である「あまから手帳」も当社が出資する合弁会社から出版されています。また、当社は関西の料理人の方々が関西の食を盛り上げるために集まっている「関西食文化研究会」の協賛企業でもあります。そのような背景もあって、新たな収益源となるサービスを生み出そうとなった際に「食の分野でお客さまにサービスを提供したい」という提案は、当然のように社内から出てきました。
――出会いたい企業のイメージなどはありますか?
藤田氏:少し抽象度の高い話になってしまいますが、「贅沢な体験を提供する」というよりも、「日々の食に関するお困り事を解決したい」という思いがベースにあります。
高齢者世帯、単身世帯、共働き世帯など、世の中の多くの人々が食に関する何らかの悩みを抱えています。健康面であったり、個食の問題であったり、料理の時短であったりと人や世帯によって様々ですが、多くの人にとって身近でありながら社会問題にもつながる規模感での課題を解決したいと考えているので、そのような視点でサービス・技術開発に取り組まれている企業さんとは目線を合わせやすいと考えています。
――今回のテーマに関して、最初の対応窓口は藤田さんの部門になると思いますが、実際の共創・協業はどのような事業部、グループ会社と行うことになると想定していますか?
藤田氏:様々な候補が考えられます。最終的なサービス提供先が消費者となるような企画であれば、家庭用の事業部が普段の業務の中でガスコンロと組み合わせて提案することもできますし、グループ会社のクッキングスクールやフィットネスクラブ、私たちのお客さまである飲食店なども含めた多種多様な顧客接点を活用できると思います。
――共創候補となる組織だけを考えても幅広い選択肢がありそうですね。
藤田氏:そうですね。また、食ということに関して言えば、パーソナライズも重要なテーマの一つになると考えています。人それぞれの好みもあれば、宗教的な制限、ベジタリアンやヴィーガンについても考慮する必要があります。
このようなパーソナライズに対応するためにはデータの取得・活用によって、一人ひとりに合わせた食を提供していく必要がありますが、当社にはデーターアナリシスセンターというビッグデータ解析を生業にしている部門もあります。サービスの内容によっては、このような部門との共創もサポートしていくつもりです。
――お話の中で出てきたクッキングスクールやフィットネスクラブ、飲食店のネットワーク、データ分析の専門組織であるビジネスアナリシスセンターなども提供できるアセット・リソースの一つと言えそうですね。
藤田氏:おっしゃる通りです。また、当社のエネルギー技術研究所に設置されている「フードサイエンスラボ」(通称:食Lab.)では、食に関する様々な研究を行っています。最近では酒造組合と組んで日本酒作りを画像認識技術でサポートする仕組みなども開発しています。さらには年間数百カ所の幼稚園や小学校で食の大切さを教える「食育」の取り組みも行っているので、共創やデータ収集、実証実験において何らかの役に立つかもしれません。
健康データの新たな活路を見出すサービスを
Daigasグループ各社には様々なサービスを通じて取得したユーザーの健康計測データが蓄積されている。テーマ②は、そのようなデータを活用した新しいサービスを生み出すためのアイデア・技術の募集となる。ここではフィットネスクラブにおけるデータ活用を担当する中谷氏、ガスメーターの見守りサービスを提供している大阪ガスマーケティング株式会社の森田氏にお話を伺った。
▲大阪ガス株式会社 新規事業開発部関連事業チーム 中谷雅仁氏
▲大阪ガスマーケティング株式会社 販売企画部流通営業チーム セキュリティ企画グループ 森田真治氏
――中谷さんはフィットネスクラブに関連した新規事業開発を担当されているそうですね。
中谷氏:はい。Daigasグループである株式会社オージースポーツのプログラムに参加していただいている会員様の運動データや健康データを、アプリを通じて収集しています。データの収集自体は今年6月からスタートしたばかりなので、今すぐに活用できるほどのデータ量は蓄積されていませんが、今のうちからデータ活用の出口を見つけておきたいと考えています。具体的には、フィットネス関係のデータや遺伝子情報などをヘルスケアに活かせるような新サービスを想定しています。
――出会いたい企業のイメージなどはありますか?
中谷氏:データを活用したヘルスケアサービスを提供している企業さんとお会いしたいと考えています。ヘルスケアは睡眠・食事・運動という3つの要素で維持されるものですので、このいずれかに資するようなサービスを展開している企業であれば理想的ですね。
また、新しいデータの取得方法や技術・デバイス、その先のソリューションまでご提案いただけると非常にありがたいですし、私たちが蓄積しているデータの活用に留まらず、すでに何らかのデータをお持ちの企業さんとの共創も可能であると考えています。
――フィットネスクラブの健康データ・運動データ活用に関する共創で、データ以外に提供できるアセットやリソースがあれば教えてください。
中谷氏:すでにオージースポーツの会員基盤があるので、新しいサービスや製品をテストする環境はいくらでも提供できると思います。
――中谷さん、ありがとうございました。続いて森田さんにお伺いします。森田さんが所属する大阪ガスマーケティングでは、ガスメーターの見守りサービスを提供されているそうですが、今回「健康計測データを活用した新サービス」というテーマで共創プロジェクトに参加されている背景についてお聞かせください。
森田氏:ガスの見守りサービスは、高齢者の方々が加入者の中心です。ガスの使用量がゼロになるようなことがあれば、そのご家族にスマホで知らせる。あるいは安全機能の付いていない古いガス機器を使っているお客さまであれば、コンロなどが付けっ放しになっていた場合、遠隔でガスを止めるといったサービスを提供しています。
必然的にサービス加入者の平均年齢が高くなるため、お客さま一人ひとりとのお付き合いも短く、このサービス単体では事業的に立ち行かなくなる可能性があると考えています。そのため、若年層のお客さまとお付き合いができるようなヘルスケア関連のサービスを生み出していきたいと考えました。
――具体的なサービスのイメージなどは固まっていますか?
森田氏:最終的にはウェアラブルやマイクロ波を使ってお客さまの位置情報やバイタルサインをチェックし、何かあればグループ企業の警備会社、大阪ガスセキュリティサービスのスタッフがかけつけて対応するというものを想定しています。
ただ、今のところはそれ以前の未病の段階での健康データを測定し、「こんな食事がいいですよ」「このサプリメントがオススメです」という提案ができるサービスの提供を考えています。そのようなサービスで若いうちからお客さまとの関係性を維持しつつ、最終的な高齢者向けのかけつけサービスにつなげていくことができれば理想的ですね。
――出会いたい企業のイメージなどはありますか?
森田氏:ウェアラブル、センサー関連に知見があり、高齢者が使えるようなアプリを開発・提供している企業さんとお会いしたいです。また、子育て世代・現役世代が気軽に健康相談できるアプリを持っている企業さんであれば、私たちのサービスをアプリに乗せていくこともできると考えています。その他にも、ヘルスケアに関して様々な可能性を持っている皆さんとお話させていただきたいと思っています。
――パートナー企業に提供できるアセットやリソースがあれば教えてください。
森田氏:当社のサービスは地域密着型で、多くのお客さまとの信頼関係を構築しています。質の高いサービスであれば受け入れてもらいやすい土壌が整っていると言えるでしょう。強固な顧客基盤を活かしたサービス展開ができることは、パートナー企業の皆さんにとっても大きなメリットになると思います。
メンテナンススタッフの接点を活用した新たなサービスを
テーマ③は、大阪ガスのサービスショップがユーザーの自宅を訪問して行っているIT関連設定業務のリモート化、ガス機器メンテナンスの効率化を目指すサービス、技術、アイデアの募集となる。このテーマに関しては、テーマ①と同担当者である藤田氏に再びお話を伺った。
――今回設定されたテーマの背景や狙いについて教えてください。
藤田氏:前提として私たちガス会社は、お客さまの御宅を直接訪問し、ガスや電気といったエネルギー、ガス機器、さらにはリフォームなどの幅広いサービスをご提案してきました。数年前からガス機器のIoT化を推進し、より便利にガスを使っていただけるようなサービスの提供もスタートしています。
現在はサービスショップスタッフの社内教育を徹底することで、新しいサービス機器の設置、接続、アフターサービスに対応していますが、世の中のIoT、ICT環境の進化は非常にスピーディーであり、それに伴って当社やサービスショップの対応業務も増え続けています。
そこで、社内で勉強したり、教育を徹底したりといった現在の手法だけに頼らず、社外の方々の知見を取り入れることで、お客さまの御宅においても今以上にクオリティの高いサービスを提供していきたいと考え、このようなテーマを設定しました。
――具体的には、どのような企業と組み、どのようなサービスを実現されたいと考えていますか?
藤田氏:サービスショップのスタッフがお客さまの御宅にお伺いしている際、IoT関連で分からないことがあれば、その場で外部と連絡を取り、すぐに問題解決ができるような仕組みを作っていただける企業さんが考えられます。
また、現在のようなコロナ禍の状況を鑑みると、スタッフが直接お客さまの御宅にお伺いしなくても、リモート・非接触でIoT機器やガス機器に関するお悩み事を解決できるようなソリューションがあれば便利です。そのようなソリューションを実現するための技術・アイデアを持っている企業さんともお話ができればと思っています。
――このテーマで共創する際に提供できるアセットやリソースがあれば教えてください。
藤田氏:当社は年間数万台という規模でIoTガス機器の販売・設置を行っています。たとえば関西圏に建てられる新築分譲マンションは、ほぼ全室にIoT対応の給湯器が設置されています。
これだけの数のIoTデバイスを設置している企業は、日本はもちろん、世界的に見ても珍しいと思います。広がっているフィールドも広大ですし、数万台のデバイスから得られるデータも膨大なので、今回のテーマだけに留まらず、次なる新しいサービスにもつなげやすい環境があると考えています。
最後の共創テーマは、地下埋設物の「見える化」
テーマ④は、大阪ガスが保有する地下埋設物を中心とした各種情報・技術を活用し、他のインフラ事業者や顧客に対して新たな価値を提供できるサービスアイデアの募集となる。大阪ガスの導管部門であるネットワークカンパニーの吉村氏にテーマの背景や共創企業のイメージについて伺った。
▲大阪ガス株式会社 ネットワークカンパニー 供給部 導管計画チーム 吉村貴大氏
――まずは今回設定されたテーマの背景や狙いについて教えてください。
吉村氏:ネットワークカンパニーは、大阪ガスの中でも導管の建設・保守を担当する部門ですが、2022年には分社化される見通しです。これまでは建設や修繕のコストダウンに力を入れていたのですが、分社化によって一つの事業体になることもあり、自分たちで収益開発を行う必要に迫られています。そこで私たちが保有している地下埋設物の情報を、何らかの形で活用して収益化できないかと考えました。
――地下埋設物から得られる情報とは、具体的にどんなものでしょうか?
吉村氏:まず、大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山の都市部を中心とする当社のガス供給区域に埋設されている導管の位置・深度などの基本情報があります。当社では、それらの情報を地図管理システムでマッピングしており、管の工事情報、道路管理者の情報、ガスに関連する各種設備情報などをレイヤーで参照することができます。これらの情報は他のインフラ企業の皆さんにとっても宝になり得ると考えています。
――どのような企業と出会い、どのようなサービスを実現したいというイメージはありますか?
吉村氏:あらゆる地下埋設物を「見える化」できるような仕組み、技術、アイデアを持った企業さんと組みたいですね。私たちが持っているのはガス導管に関する情報だけですので、工事を行う度に上水、下水、電気といった他の埋設物の調査を行っています。
他のインフラ企業の皆さんも工事の度に同じような調査を行っているはずなので、そのようなプラットフォームができれば自社だけでなく他社さんの業務効率化にもつながりますし、プラットフォームを活用した新しいサービスを生み出す基盤にもなり得ると考えています。
――地下埋設物の情報は提供できるアセットの中で最も魅力的なものになりそうですが、提供できるアセットやリソースは他にもあるのでしょうか?
吉村氏:ガスの復旧情報が挙げられます。日常的に活用する情報ではありませんが、地震や災害が発生した際に大阪ガスのホームページ上でも公開しているため、比較的提供しやすい情報であると考えています。また、社内や関係各所との協議が必要になりますが、共創の内容によっては供給区域内約3000箇所の震度のデータなども提供できる可能性があります。
私たちの期待やテーマの想定を超えるアイデア・技術に出会いたい
――4つのテーマの担当者の皆さんからお話を伺ってきましたが、最後に今回のプロジェクトをリードするイノベーション推進部のお二人から、共創パートナーとなり得る企業の皆さんへのメッセージをいただければと思います。
片山氏:私たち自身も皆さんの提案を受けながら、最適な共創の仕方を模索していきたいと考えていますし、共創パートナーの皆さんが100%のアウトプットを出せるような環境を作ってまいりたいと思っています。
小幡氏:Daigasグループでは企業理念の一つに、「暮らしとビジネスの “さらなる進化” のお役に立つ企業グループ」という目指す姿を掲げています。お客さまのお役に立つことはもちろんですが、「進化」という部分が重要であり、お客さまの暮らしがもっと良くなるような、新たな感動を呼ぶようなサービスや価値を提供していくことが大切だと考えています。
今日は4つのテーマを設定して私たちの思いを伝えさせていただきましたが、私たちの思いや期待を超えるようなアイデア・技術に出会えることを楽しみにしています。
取材後記
大阪ガスはこれまでの10年以上におよぶオープンイノベーションの取り組みで築いてきた既存のネットワークやプラットフォームを超え、さらに多くの未知なる共創パートナーと出会おうとしている。募集テーマとして掲げられた4つのテーマに関しても、あえて最終的なサービスイメージを明確化し過ぎないことで、あらゆる共創の可能性を探っているようにも感じられた。
実際にインタビューの中で小幡氏は「事業部門が持っている出口イメージに当てはまらない技術やアイデアも積極的に取り込んでいきたい」と語っており、業界・業種に関わらず幅広い企業にチャンスがあることは間違いない。ガスやエネルギーという既存事業の枠を飛び越え、新たな一歩を踏み出そうとしている大阪ガスの取り組みに、これからも注目していきたい。
※『大阪ガス・Daigasグループ×AUBA OPEN INNOVATION 1.5 PROJECT』の詳細はコチラをご覧ください。
(編集:眞田幸剛、取材・文:佐藤直己)