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急成長の波に乗って加速を続けるAI×HRの共創事例

急成長の波に乗って加速を続けるAI×HRの共創事例

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多くのビジネスパーソンが注目するAIビジネスですが、AIには多用に細分化された用途があります。ですから「どの領域のAI活用がアツいか?」に注目するのが正しいビジネス洞察眼と言えるでしょう。TOMORUBAの連載「Break Down AI」では、期待される【AI×○○】の実態に迫り、どのような共創が行われているかに迫ります。

今回は人材や労務といった、いわゆる「HR」と呼ばれる領域にフォーカスします。人事や労務などの業務は、人間同士のコミュニケーションが頻繁に発生するため、人間でないとできない業務が多いです。しかしその一方で、定型化した業務や、高度なデータ分析が必要な業務など、AIが得意とする仕事が占める割合も少なくありません。

HR領域において、AIを活用したどのような共創が実施されているのか、事例を紹介します。

まさに急成長市場。世界の人材管理市場は年平均11%成長ペース

昨今、HRの仕事をテクノロジーで効率化しようとする「HR Tech」の動きがトレンドとなっています。もちろんAI活用もHR Techの一環です。

HR Techはまさに急成長市場といえるスピードで拡大しています。Grand View Researchが2020年2月に公開した調査では、世界の人材管理市場は2018年に146億8,000万ドルとなっており、2019年から2025年までの成長率は年平均で11%という高い水準になっています。2025年には300億ドルを超える予測がされています。調査は人材管理市場に限定された話ですが、これはテクノロジーの進化によって巻き起こっている成長ですし、テクノロジーの中にはもちろんAIも含まれます。


出典:Human Resource Management Market Size | Industry Report 2027

2020年に入ってからは新型コロナウイルスの影響もあり、調査の予測通りに成長曲線を描いていくかどうかはわかりませんが、コロナ禍でDX企業が軒並み成長していることを鑑みると、この成長はさらに加速していく可能性を秘めています。

AI×HRの共創事例

ここからは、HR領域でAIを活用した共創を実施している事例を紹介していきます。

【ディップ×N2i】「バイトル」のディップとRPA技術やチャットボット開発のN2iが資本業務提携

求人情報サイト「バイトル」を運営するディップと、人工知能システムやHRTechのソリューションサービスを開発・提供する、N2i(エヌツーアイ)は2020年4月、資本業務提携に合意しています。

ディップが今年4月にリリースした、アルバイト求人の面接日程調整に特化した「面接コボット」もN2iと共同で開発したサービスです。今後の「コボット」シリーズの開発強化とN2iのHRTech領域のシナジー創出の可能性に鑑み、N2iへの出資を決定したといいます。ディップは今後も、構造的な人手不足を解消するため、AI・RPA関連ビジネスを行う企業への出資を積極的に行うことで、オープンイノベーションを活性化させ、日本の労働市場における諸問題の解決にさらに貢献していくとのことです。

関連記事:「バイトル」のディップとRPA技術やチャットボット開発のN2iが資本業務提携

【hachico×GMO×グロービス】AIアシスタント「hachico」の開発を加速する資金調達

人材エージェントの機会損失を解消するAIアシスタント「hachico」を開発するCrossborders Innovationは2019年12月、GMOベンチャー通信スタートアップ支援、グロービス/G-STARTUPファンド、森本千賀子氏を引受先とする、第三者割当増資を実施しました。

調達した資金により「hachico」のさらなる開発・改善を行い、成約数の増加をより強力に支援するとのことです。主な開発・改善項目は下記3点。

●マッチング精度の向上

●データ連携機能の開発

●UX/UI改善

hachicoはAIアシスタントとして、人材会社様が持つ求人データまたは人材データを基に、記憶に頼っていては見つからなかった登録人材と求人案件を瞬時に漏れなく探し出してくれるソリューションです。求人企業には一早くいい人材を提案、求職者には求職意欲の高い内にいい案件を提案でき、成約数の増加が期待できます。

関連記事:人材エージェントのAIアシスタント「hachico」を開発するCrossborders Innovation、資金調達を実施

【ZENKIGEN×デライト×PKSHA SPARX】面接サポートAI「ZIGAN」の早期事業化目指す資金調達

WEB面接サービス「HARUTAKA(ハルタカ)」を提供するHR Tech スタートアップのZENKIGENは2020年3月、WiL, LLC.をリードインベスターとして、デライト・ベンチャーズ、PKSHA SPARXアルゴリズム1号投資事業有限責任組合等を引受先とした第三者割当増資により8億円の資金調達を実施したことを発表しました。

今回の資金調達のうち、AI領域に特化した引受先はデライト・ベンチャーズと、PKSHA SPARXアルゴリズム1号投資事業有限責任組合の2社となっています。

このAI領域の資金調達によって、「HARUTAKA」の更なるサービスアップデート及び、アフェクティブ・コンピューティング領域(人工知能により人の感情や感性を扱うコンピューター技術)の研究開発を加速させる他、候補者と面接官の面接体験を改善する面接サポートAI「ZIGAN」の早期事業化を目指すとのことです。

関連記事:WEB面接サービス「HARUTAKA」のZENKIGEN、シリーズAで8億円の資金調達を実施

【パーソル×エクサウィザーズ】企業の採用・育成、AIサービス開発などDX促進を一気通貫で支援する「「DX-TEAM BUILDING」」提供

総合人材サービスのパーソルホールディングスは2020年8月、AIサービスを開発するエクサウィザーズと協働し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援するため、戦略策定、DX推進組織構築に向けた採用広報・DX推進人材の採用・育成、AIサービス開発を一気通貫で支援するDXサービス「DX-TEAM BUILDING」の提供を開始しました。

このサービスは、DX推進組織の構築を支援するパーソルグループのTECH PLAY(テックプレイ)と、介護、医療、HR、金融、ロボットなど様々な業界のAI開発に携り、企業へのAI導入やDX推進を手がけているエクサウィザーズが、それぞれの知見、ノウハウ、技術を統合し、DX戦略策定、DX組織構築のための採用広報、組織デザインとDX推進人材の採用・育成、AIなどのテクノロジーを活用したサービス開発まで、DX実現を目指す企業の組織・技術課題解決を一気通貫で支援するというもの。

今後も両社は、日本企業の事業戦略を捉え直す機会の創出や、未来を見据えた社会的価値の創造を支援し、多くの企業でDX人材が育っていくカルチャーを推進するとのことです。

関連ページ:パーソルとAIベンチャーのエクサウィザーズが協働し、企業のDXを推進

【編集後記】目立つ既存AI事業のブースト

AI×HRの事例をいくつかピックアップして紹介してきました。事例を見ていると、すでに存在しているAI事業に、大きな資本が参入し始めている事がわかります。これらのAI事業は有望であり、資金調達や大手のリソース投入によってブーストをかける価値があると評価されている証左でしょう。

コロナ禍で発表されたニュースも多く、HR Tech界隈ではコロナの影響は軽微もしくは追い風となっていることも、今後の成長への期待度に繋がりますね。

TOMORUBA編集部

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Break Down AI

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