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スマートシティで未来を切り拓くOIプロジェクト5選

スマートシティで未来を切り拓くOIプロジェクト5選

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昨今、スマートシティという言葉が脚光を浴びています。バシっと定義が決まっているわけではありませんが、街中の生活をテクノロジーで豊かにしたり、環境に優しいシステムを構築したり、災害に強くしたりと、スマートシティには様々な側面があります。

2019年6月、eiiconは「Japan Open Innovation Fes 2019」を開催し、スマートシティをテーマとしたトークセッションを行いました。その中で、日本のスマートシティ構想について「エンタメ性」「日本の独自性」「保守的な考えが生む弊害」といったキーワードが飛び出しました。

では、実際にスマートシティ構想が進む現場では、どのような共創事例が生まれているのでしょうか。期待値の高い取り組みを5つピックアップして紹介します。

関連記事:今のスマートシティ構想には「エンターテイメント性」や「優しさ」が足りない――効率化の追求だけではないスマートシティのあり方とは?

世界のスマートシティ市場規模は2026年に3.48兆ドルと超巨大市場に

スマートシティに関する市場規模の調査は様々なものがあります。いずれの調査もスマートシティの定義にばらつきはありますが、大まかには「街中がネットにつながる」というIoT的な側面のレポートが多いようです。

2017年にPersistence Market Researchが公開したレポートでは、世界のスマートシティの市場規模は2019年に1兆ドルを突破し、2026年には3.48兆ドルに達すると予測しています。

世界規模とはいえ、3.48兆ドルは超巨大市場と言えるでしょう。参考として、5G対応エッジ機器の世界市場は2023年に約2400億ドル(約26兆円)、AIの世界市場は2025年までに1360億ドル(約15兆円)と、それぞれ試算されています。これらを踏まえると、いかにスマートシティ市場が巨大かがわかります。

ただ、スマートシティには当然5Gの技術もAIの技術も利用されますから、単純に市場規模が大きい・小さいという話ではなさそうです。

参考ページ:Global Smart Cities Market to Reach US$ 3.482 Trillion by 2026, APEJ to Outpace North America

参考ページ:5G関連の世界市場を調査 | プレスリリース | 富士経済グループ

参考ページ:AIの世界市場規模は2025年に15兆円規模に

スマートシティの共創事例

では、スマートシティの実現を目指しているオープンイノベーションプロジェクトについて事例を見ていきましょう。

【浜松市×NEC×ソフトバンク×ドコモ】IoTプラットフォーム「FIWARE」で浜松市を実証実験フィールドに

浜松市は2020年5月、デジタル・スマートシティの実現に向けた取り組みとして、IoTプラットフォーム「FIWARE(実証環境)」を活用した、浜松市内をフィールドとした実証実験プロジェクト「Hamamatsu ORI-Project」への参加者を全国から募集開始しました。

募集する実証実験の対象期間は2020年8月~2021年1月の6か月間で、日本電気より「FIWARE(実証環境)」、ソフトバンクより「IoT通信環境及びIoTモジュール」、NTTドコモより「IoT通信環境」がそれぞれ提供されます。

浜松市では、コロナ禍をデジタル変革の機会と捉えて、官民連携のプロジェクトとしてデジタル・スマートシティ浜松を実現させることを目指します。

関連記事:浜松市×NEC×ソフトバンク×ドコモ | データ連携基盤を活用した実証実験プロジェクトへの参加者を全国から募集

【デジタルガレージ×福岡市】スマートシティ・インキュベーションプログラム「Onlab FUKUOKA」始動

デジタルガレージと、福岡地域戦略推進協議会、および福岡市スタートアップ支援施設運営委員会(通称 Fukuoka Growth Next)の3者は2019年6月、スマートシティ・インキュベーションプログラム「Open Network Lab FUKUOKA -Smart East Challenge」(Onlab FUKUOKA)を始動すると発表しました。

Onlab FUKUOKAは、安心・快適で質の高いライフスタイルと都市空間の創出に向けたサービスやプロダクトの発掘、育成を目指すインキュベーションプログラムです。福岡を拠点とする有力企業をはじめ、様々な領域の優良企業をパートナーに迎え、実証実験の企画・推進に向けて、スタートアップへのメンタリング、事業ノウハウのレクチャーを行います。

福岡では、天神地区の再開発プロジェクト「天神ビッグバン」や、日本最大級のグリーンフィールド型スマートシティである「Fukuoka Smart East」など、スマートシティを加速させる動きが広まっており、同プログラムで福岡地域におけるイノベーションを加速したい狙いがあります。

関連記事:スマートシティ・インキュベーションプログラム「Onlab FUKUOKA」始動――テクノロジースタートアップを募集

【大崎電気×ノウザー】次世代スマートシティへ向けたインフラシステムを共同開発

大崎電気工業と、情報通信研究機構(NICT)発ベンチャーであるノウザーは共同で、エッジコンピューティング技術とスマートメータリングネットワーク技術を組み合わせた、スマートシティ向けの新しいインフラシステムを開発することを発表しました。

大崎電気はスマートシティ構想の実現を目的とするのオープンイノベーションラボ「NEXT100teX Lab」を2018年に設置しています。大崎電気は独自の「測る」技術である、スマートメータリングネットワークに採用される通信規格に「Wi-SUN」というものがあります。ノウザーは、NICT発ベンチャーとして、このWi-SUNをLPWA通信として活用するための規格、Wi-SUN FANを利用したエッジコンピューティングサービスの開発、Wi-SUN規格の更なる普及を推進しています。

この両社の技術をかけ合わせて、スマートシティ実現に向けた分散型のインフラシステムと各種サービスの開発を加速するとのことです。

関連記事:大崎電気×ノウザー|次世代スマートシティへ向けたインフラシステムを共同開発

【NTT西日本×APIR×NEC】「グランフロント大阪」でスマートシティに関する実証実験を実施し、効果を確認

西日本電信電話(NTT西日本)は、アジア太平洋研究所(APIR)、および日本電気(NEC)と共同で、グランフロント大阪において、IoTを活用したスマートシティの実証実験を実施し、その効果を確認したことを2019年8月、明らかにしています。

インフラ情報や人の動きなど、複合的なデータを組み合わせることで、より安全で効率的な都市を実現することが実証実験の目的でした。

具体的には、グランフロント大阪に約170台のセンサー・カメラを設置し「まちのセンシング」を実施し、実験により取得した「人流」や「混雑度」「音量」「音質」「温度情報」等に加え、同施設の空調機器といった「ビル管理情報」など、複数のデータを「都市OS」に集約しました。そしてデータの一部について、館内のレストランやトイレの満空状況を表示することで、顧客へ情報を提供しました。

その結果、都市OSへのデータの集約と可視化に成功し、複合的なデータから価値を創造できることがわかりました。さらに、データを利用して空調エネルギーの効率化やレストラン混雑度における相関分析が可能になったとのことです。

これらの結果を踏まえて、今後は地域社会の課題解決に向けたIoT活用を推進していくようです。

関連記事:NTT西日本×APIR×NEC|「グランフロント大阪」でスマートシティに関する実証実験を実施、効果を確認

【博報堂×住友商事】下北沢の空き地でコンテナ活用の準生活必需品シェアリングサービス

博報堂の新規事業開発組織「ミライの事業室」は2020年2月から4月中旬にかけて、住友商事と共同で、街中や住宅共用部に設置した共有コンテナを介した住民同士の準生活必需品シェアリングサービスの実証実験を実施しました。実証実験のフィールドには小田急電鉄が運営する「下北線路街 空き地」が採用されました。

この取り組みは生活者主体のスマートシティ実現に向けた事業開発の一環として「コミュニティ活性化」の創出を担います。今回のシェアリングサービスは、半径数km圏内の近所で暮らす住民同士のモノのシェア(貸し借り)をサポートするサービスとなっており、時々使えると便利だが個人で常備しておくほどではない、いわば「準生活必需品」と言える物品をシェアできる仕組みを構築しています。

実証実験を通じて、約50品目の物品を収容した共有コンテナ1台を空き地内スペースに設置し、実際に貸し出された物品の種類や利用率、住民同士の貸し借りが生まれるかなどを検証するとのことです。

関連記事:博報堂×住友商事 | 住民同士による準生活必需品シェアリングサービスの実証実験を開始

【編集後記】コロナ禍でスマートシティのコンセプトも変わる?

これからの街づくりに欠かせない観点として、With/Afterコロナとどう向き合うかという問題があります。多くの企業や個人がリモートワークを経験したため、すでに働き方は大きく変わりつつありますし、リアルでの接触が必要な場面ではソーシャルディスタンスを念頭に置きながら街をデザインしなければならないでしょう。

コロナだけではなく、今後もなにが起こるか予測不能ですから、時代に合わせて変化を続けられるような仕組みが、スマートシティにも求められることになりそうです。

(eiicon編集部)

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