【イベントレポート/Tackle!】シリコンバレーの最新トピックをスクラムベンチャーズ代表・宮田氏が解説!
こんにちは。eiicon co-founderの中島です。2017年3月31日(金)に開催されたスクラムベンチャーズ主催のイベント「Tackle!(タックル)」に参加しました。同日はちょうど年度末ということもあり、翌日4月1日より新規事業セクションやオープンイノベーション関連部署に着任する方が多く、初参加という方も多く見受けられました。
●「Tackle!」とは
月に一度、シリコンバレーの最新動向をキャッチアップするための勉強会(東京とサンフランシスコの2拠点で開催)。スクラムベンチャーズ代表の宮田拓弥氏が米国のスタートアップトレンド、テック情報の共有をし、活発にQ&Aやディスカッションがなされる参加型のイベントです。一番、参加者に寄与した情報を共有された方には、Best Contributor賞が付与されます。
※なお、今回開催されたtackle!の様子は下記URLより動画を見ることもできます。
https://www.facebook.com/scrumventures/videos/1280505012038748/
【第一部 : Monthly Startups】
「Tackle!」の前半は、宮田氏によるシリコンバレーのスタートアップトレンド5社の紹介となりました。以下は詳細された各サービスです。
●調理ロボット「CHOWBOTICS」
サラダに特化した自動販売機‘Sally’。自動販売機内にお金を入れると、その場でサラダを調理し始め、提供する。このSallyは、20種類の異なる食材を入れた容器を用いて、1000種類以上のサラダを作って提供することができるサラダロボット。アメリカにはサラダに特化したレストランも多数あるように、サラダのマーケットを狙ったサービス。レストラン、カフェ、ホテルで、空港、オフィスなどに設置される。
●オンデマンドレンタカー「SKURT」
同サービスは、アプリでレンタカーを呼べば、1時間以内にスタッフがレンタカーをその場に届けてくれる。自社では車両の在庫を抱えずに、レンタカー会社の車両を利用。BMWを戦略パートナーとし、$10Mを調達。現在、ロサンゼルスやサンディエゴ、マイアミでサービスを展開しているが、今後は他の都市に展開していく。
●ランチ定額サービス「MEALPAL」
「MEALPAL」はランチの定額サービス。月額$120を支払えば、1000を超えるレストランから20食分のランチをテイクアウトすることができる。現在の対応エリアは、ワシントンD.C、サンフランシスコ、ニューヨーク、マイアミ、ボストン、ロンドン、フィラデルフィア、シカゴの8都市。
●作曲AI「Amper Music」
人工知能による著作権フリーの音楽作成ソフト。音楽を素養がない人でもオリジナルソングが作曲できる点が、従来の音楽制作AIとは違う。誰でも、その時の気分に合わせて音楽を作ってくれる。さらに、作った音楽を自分で編集することもできる。
●自動車シェア「LIMEBIKE」
自転車のシェアリングサービス。ネット上で決済すれば、同社の保有する自転車を自由に乗ることができる。自動車と異なり、使用後は置き去りにすることが可能。デポジットでお金をもらい、従量制で課金させるビジネスモデル。1$で30分利用できる。
【第二部: Monthly News】
「Tackle!」の後半は、シリコンバレーで話題になっている最新ニュースを宮田氏が解説した。大きなトピックは2つ。1つ目は、YouTubeがテレビ事業に参入するなど、”「ストリーミング」へとシフトするテレビ”という話題。2つ目は、シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクールと名高いY Combinatorのdemodayについて。シリコンバレーの生の情報を入手することはなかなか難しいため、参加者は宮田氏の言葉にしっかりと耳を傾けていた。
●「ストリーミング」へシフトするテレビ
YouTubeがテレビ事業への参入を発表。見たいときに、見たい番組を見るができ、さらにYouTubeのプラットホームで生放送の番組を見ることもできる月額35ドルのサービス。WebTVの平均利用金額が月間100ドル程度であることに比べると、価格競争力は高い。クラウドのため、モバイルのストレージを気にせずに、視聴することができる。視聴中にCMが流れ、それで広告収入を得るビジネスモデルとなっている。
さらにfacebookもTV向け動画専用アプリに進出。その名も「f Video」。テレビ上で、ニコニコ動画のように、リアルタイムでコメントが表示される。現在は無料で利用できる。
●Y Combinatorのdemodayに関して
コンテンツの割合の変化はあまりなく、フィンテックは一番多く、ヘルスケアテックはそれに続いている。今回のdemodayの一番特徴は、AIを使ったサービスが増えたこと。これからは、AIというプラットホームを使って、どういうサービスを提供するのかが重要になってくるだろう。紹介されたスタートアップの中でいくつかを以下にピックアップします。
・Quiki(FAQを自動で生成できるサービス)、
・bulletin(リアル店舗の小売りスペースを月額で借りることができるサービス)
・Boxouse(アメリカの広い庭に箱を置いて、airbnbのようにシェアリングで儲けるビジネスモデル)
・VOODOO MANUFACTURING(3Dプリンタにロボットを組み合わせて、自動で稼働し続ける3Dプリンタの工場を作る)
・Cartcam(購入した商品の体験動画をアップしてレビューする事を条件に商品を割引するサービス)
■執筆者:中島大志(eiicon co-founder)
株式会社インテリジェンスにて、同社コア事業である人材紹介事業部にて小売・不動産・コンサルティング業界などのサービス業向けの法人営業を経験。特に、中小企業やスタートアップの採用支援に従事。eiiconの立ち上げメンバーとして主に法人集客とサービス企画に携わる。