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様々な分野から期待を集める「ローカル5G」。キャリアの5Gとの違い、工場・農業・医療などの現場で求められる理由とは?

様々な分野から期待を集める「ローカル5G」。キャリアの5Gとの違い、工場・農業・医療などの現場で求められる理由とは?

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日本でも2020年から5Gが本格導入され、新しい商用サービスが始まるとして各業界から注目を集めています。「高速・大容量」「低遅延」「多接続」の特徴を持ち、これまでになかったサービスが実現されていく予定です。

そして5Gの開始に伴って、国が推し進めているのが「ローカル5G」。総務省が打ち出した「Society5.0」の実現のために必要不可欠な技術として、国をあげて普及をサポートしています。

▲「Society 5.0」とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指す概念(内閣府Webサイトより抜粋)

なぜキャリアの5Gが開始するにも関わらずローカル5Gが必要なのでしょうか。また、どのような分野でローカル5Gの活用が期待されているのでしょうか。

この記事では、5Gが求められている社会背景とローカル5Gとの違い、そしてローカル5Gのユースケースを紹介していきます。ロケール5Gには、5Gにはないビジネスチャンスが眠っているため、ビジネスに関わる人にとっては注目必至の技術と言えるでしょう。

5Gの特徴が求められている領域とは

ローカル5Gについて紹介する前に、まずは5Gによって4Gの時代からどのような変化があるのか改めて見ていきましょう。5Gとは「5th Generation」の略で、日本語では「第5世代移動通信システム」を意味します。

現在主に利用されている4Gは、2010年代に普及したスマートホンの流れを支えた技術。スムーズなインターネット利用のほか、モバイルゲームや動画などの大容量コンテンツをストレスなく楽しめるようにしてくれました。今では4Gの人口カバー率は99%を超え、当初あった「つながりにくさ」もほとんど解消されています。

そういった状況の中で、5Gの「高速・大容量、低遅延、多数同時接続」という特徴が本当に活かされるのは、インターネットコンテンツでは「IoT」です。今、世の中では「人口増加」や「高齢化」「都市部への人口集中」という減少から、様々な社会問題が引き起こされています。IoTの技術はそれらの課題の解決策として、社会の様々なシーンで使われるようになるでしょう。

しかし、今のままでIoTの真価を発揮できません。IDC Japanの調査によれば、2025年の世界のIoT機器の普及数は2018年の2倍に達し、年間データ生成量予測は6倍にも及びます。それだけのデータを処理するには4Gでは追いつかず、5Gの大容量ネットワークが求められているのです。そして、よりビジネスの現場で5Gを活用するための構想として総務省が掲げているのが「通信キャリアに依存せず5Gのネットワークを構築する方法」、ローカル5Gとなります。

【世界 IoT機器インストールベース予測およびIoT機器の年間生成データ量予測(IoT機器の種類別)、2018年~2025年】

▲出典:国内IoT市場 データエコシステム事業者調査結果(2019年7月/IDC Japan)

小規模な5G通信環境を自前で構築できる「ローカル5G」

ローカル5Gとは通信事業者以外の事業主体が独自に基地局を設け、5Gシステムを構築運用する取り組みを指します。総務省によりますと、一般的な5Gと比べて次のような特徴を挙げています。

●携帯事業者によるエリア展開が遅れる地域において5Gシステムを先行して構築可能

●使用用途に応じて必要となる性能を柔軟に設定することが可能

●他の場所の通信性や災害などの影響を受けにくい

またWi-Fiと違い、無線局免許に基づく安定的な利用が可能なことも大きな特徴です。自社の敷地内という限られたエリアで周波数の割当を受け、5Gを使った通信環境が構築可能になります。ローカル5Gの特徴を一言で表すなら「比較的小規模な5G通信環境を自前で構築できること」と言えるでしょう。

ローカル5Gが活躍する「スマートファクトリー」

様々な分野での実用化が期待されている5Gですが、最も代表的なユースケースとしても目されているのが「スマートファクトリー」です。スマートファクトリーとはデジタルデータを活用して業務プロセスの改善や、品質・生産性の向上を実現させた工場のことを指します。

工場では近年、人手不足が大きな問題となっており、自動化による生産性工場が喫緊の課題になっています。また、最近では多品種の少量生産が主流となっており、頻繁におきるライン変更の度にケーブルの配線を変えるのは大きな手間です。そのためセンサーやロボットなどの機器をネットワーク化していく中で、無線化のニーズが非常に高まっています。

そんな中で、スマートファクトリーがキャリアの5Gではなく、ローカル5Gの方が都合のいい理由がいくつかあります。その一つは通信の安定性が高いこと。公衆サービスではなく、帯域を占有もできるため、外部の影響を受ける心配がありません。

二つ目にセキュリティの高さがあげられます。工場では機密情報を大量に扱っていますが、ローカル5Gならオープンネットワークに接続しないため、データの内容はおろかデータ量から稼働率を推察されることもありません。

さらにローカル5Gなら希望する場所に、柔軟にエリア展開することも可能です。キャリア5Gはキャリアの都合で基地局が設置されるため、エリア展開できる場所が限定的になってしまいます。ローカル5Gであれば、エリアだけでなく導入時期も含めて企業の都合で決められます。

このような理由から、様々なメーカーがスマートファクトリー化の中でローカル5Gを導入するケースが増えているのです。

農業、医療、自治体。拡大するローカル5Gが期待される分野

ローカル5Gが求められているのはスマートファクトリーだけではありません。他にもローカル5Gの活躍が期待されている業界を見ていきましょう。

【農業】

農林水産省が推進する「スマート農業」においても、ローカル5Gの導入は必要不可欠です。現在でもドローンを使って畑やハウスを見回る技術や、自動運転のトラクターなどが取り入れられていますが、ローカル5Gが導入されればさらに作業が効率化されます。

ドローンで撮影した画像をAIで解析し、それらのデータをもとにトラクターや無人ヘリに、自動で作業を指示することも可能です。スマート農業が必要になる地方こそ、5G回線の整備は後回しになるため、ローカル5Gに導入が強く求められています。

【医療】

医療の現場では年々、画像診断装置の性能が高まり、比例して医療画像の容量も大きくなっています。5Gが導入されることで、そのような大量のデータもスムーズに扱えて、より高度な医療が可能になります。

特にそのような技術が求められているのは、オンライン診療の分野においてです。離島や僻地には、今も満足に医療を受けられない地域も多く、IoTなどを活用したオンライン診療のニーズが高まっています。医療分野は特にIoTの発展が期待されているため、5Gでの高速通信は必須と言えるでしょう。

 

【自治体】

総務省はテクノロジーにより、作業の高度化・効率化を進めた「スマート自治体」の実現を推進しています。RPAによる職員の作業効率化やICT活用によるテレワークの推進、AIを使ったドローンでのインフラ点検などを行い、職員や住民の負担を軽くするのが目的です。

5G以前からスマート自治体に取り掛かっている自治体もありますが、5Gの登場により都心部から離れた地方でも、スマート自治体が急速に普及することが期待されています。

総務省Webサイトより抜粋

編集後記

5Gの普及を前提に様々な企業が、新しいサービス開発を進めていますが、地方に行くほど5Gの恩恵を受ける時期は遅くなります。しかし、ローカル5Gを前提に考えれば、キャリアの5Gにはなかったビジネスチャンスの広がりを見せるでしょう。次の時代の大きな商流になるかもしれません。

(eiicon編集部 鈴木光平)

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