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共創によって新たな体験価値を生む新駅「高輪ゲートウェイ」を紐解く

共創によって新たな体験価値を生む新駅「高輪ゲートウェイ」を紐解く

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3月14日に開業し、大きな注目を集めている高輪ゲートウェイ駅。新国立競技場を手がけた建築家・隈研吾氏をデザインアーキテクトに迎え、国際交流拠点の玄関口として「和」を感じられるデザインも特徴的だ。

また、同駅はJR東日本グループのさまざまな「やってみよう」を盛り込み、最新の駅サービス設備の導入や実証実験を進め、”新しいことをはじめる場所”にしていくというコンセプトも掲げられている。それを実現するために、パートナー企業との共創/オープンイノベーションの手法を用い、さまざまな新しい体験価値を生み出している。

――では、高輪ゲートウェイ駅を舞台に、実際にどのような企業との共創が進められているのか?事例を紹介していきたい。

【凸版印刷】 駅案内業務にAIを活用

凸版印刷は、AI案内サイネージ「BotFriends® Vision(ぼっとふれんず ビジョン)」を提供し、駅利用者の利便性を向上させ、国内外からの利用者のおもてなしを支援している。「BotFriends® Vision」は、同社が2018年11月より展開しているAIを活用した多言語案内サイネージだ。過去にはJR東京駅や横浜駅で実証実験を行い、AIとバーチャルキャラクターの遠隔操作を組み合わせた駅案内の有用性を検証してきました。

▲多言語AIサイネージ「BotFriends® Vision」。画面上には、バーチャルキャラクターである「小石川 彩」が表示される。

「BotFriends® Vision」の特徴として挙げられるのは、コミュニケーションAIとバリアフリースピーカーによるおもてなし対話を実現している点。チャットボットプラットフォームは凸版印刷の「BotFriends®」を活用しており、用意された質疑応答集の通りに回答するのではなく、行動経済学と凸版印刷がコールセンター対応で培ってきた顧客対応ノウハウに基づき、利用者の気持ちに寄り添った「おもてなし」対応を可能にしている。

また、多言語対応のAIチャットボットは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のニューラル機械翻訳(NMT)エンジンなどを使用し、音声やテキストでの翻訳ができ、高輪ゲートウェイ駅の実地検証においては、日本語・英語・中国語・韓国語の4か国語に対応しているという。

※関連リンク:プレスリリース

【パナソニック】 照明制御システムを共同開発

パナソニック ライフソリューションズ社は、JR東日本とPLC(電力線通信)による調光調色が可能な駅ホーム用の照明制御システムを共同で研究開発。高輪ゲートウェイ駅に、合計594台のPLC通信部内蔵ホーム用照明器具を納入した。それを活用することで、日中は自然光との調和を図るため昼白色~白色の光、夕方からはコンコースと合わせて電球色の温かみのある光になっている。

なお、PLCとは、電気機器にエネルギーを供給する電力線に高周波の通信用信号を乗せて伝送することにより、電力線を通信線としても利用する技術。PLCによる調光調色照明制御が駅のホームに本格採用されるのは、高輪ゲートウェイが国内初となるという。

また、パナソニック ライフソリューションズ社は高縄ゲートウェイ駅の照明の演出も担っており、同社の照明器具合計1600台が導入されている。

大屋根には膜屋根が採用され、自然採光を活用することで、日中の照明電力量を削減。夜間は、できるだけ存在感を少なくした照明器具で、コンコース内部から大屋根を柔らかな光で照らし上げている。また、大屋根の梁に設置された照明器具がコンコース内の床面を照らし、空間全体の明るさ感を確保している。

※関連リンク:プレスリリース(照明制御システム開発について)、プレスリリース(照明演出について)

【yuica(ゆいか)】 香りのプロデュース

飛騨高山の企業、正プラスが展開する化粧品ブランド「yuica(ゆいか)」が、高輪ゲートウェイ駅をコンセプトとした香り『高輪ゲートウェイ駅の香り』をプロデュースした。

この香りは、駅舎に建材として用いられている福島県産のスギをベースに、岐阜県飛騨高山産のクロモジなど日本の植物のみを原材料として調香され、その香りを使用した「高輪ゲートウェイ駅の香り」オリジナルエッセンシャルオイルとオリジナル入浴剤を製造。現在は、駅構内の一部エリアに「高輪ゲートウェイ駅の香り」の芳香エリアが設けられているという。

▲yuicaエッセンシャルオイル(10ml)「高輪ゲートウェイ駅の香り」

※関連リンク:プレスリリース

【TOUCH TO GO】 無人AI決済店舗

3月23日に開業するのは、株式会社TOUCH TO GOが手がける無人AI決済店舗『TOUCH TO GO』。これは、ウォークスルー型の完全キャッシュレス店舗で、カメラなどの情報から入店したお客さまと手に取った商品をリアルタイムに認識して、決済エリアにお客さまが立つとタッチパネルに商品と購入金額を表示。お客さまは、商品を持ったら、出口でタッチパネルの表示内容を確認して支払いをするだけでお買い物ができる。TOUCH TO GOは、多くの小売企業が抱える労働力不足や、地域店舗の維持など、様々な課題解決を目指していくという。

なお、TOUCH TO GOは、JR東日本スタートアップとサインポストによる合弁会社として2019年7月に設立。急ピッチで事業化が進められていた。

※関連リンク:オープンイノベーションの1つの答え。JR東日本×サインポスト、合弁会社設立の裏側

※関連リンク:ニュースリリース

【日本航空】 最新テクノロジーを活用した旅の魅力発信

日本航空はJR東日本と連携し、最新テクノロジーを活用した旅の魅力発信に関する実証実験『JAL xR Traveler』を4月1日から開始する。体験者は現地ナビゲーターに誘われ、五感で感じながらバーチャルで旅を体験することが可能だという。

※関連リンク:プレスリリース

(eiicon編集部)

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