共和薬品工業×FRONTEO | AIを活用した認知症診断支援システムに関する事業提携
共和薬品工業株式会社と株式会社FRONTEOは、認知症診断支援システムに関し、事業提携に関わる基本合意書を締結した。
認知症診断支援システムはFRONTEO独自の自然言語解析AI「Concept Encoder」を利用し、患者と医師との間の5〜10分程度の会話から認知機能障害の有無や重症度を判定する事が期待されている画期的なシステム。同システムは、自然言語を使って認知症を診断する世界初のシステムとして、医療現場への早期実用化を目指している。
日本における認知症患者数は2020年には630万人に達するとされ、高齢者の約7人に1人は認知障害があるといわれている。一方で認知症は検査結果だけでは診断が難しく、診断には専門的な知識や経験が必要になるなど、超高齢化社会を迎える日本において、年々増加する認知症対策は、早急に解決すべき国民的課題となっている。
認知症の診断には、診断する医師に専門的な知識や経験が必要とされる事に加え、診断される患者にとっても心理的な負担がかかる点や、設問を繰り返し行う事によって患者が設問自体を記憶してしまう学習効果が懸念されるなど、多くの課題があるのが現状。
FRONTEOの同システムは、短い日常会話から認知機能を判定する事のできる画期的なシステムであり、診断者側と受診側双方の負担を軽減し、認知症の早期発見や短いサイクルでの評価を実現する事が期待されている。
このたびの共和薬品との基本合意により、FRONTEOは同システムの研究、開発、販売体制を強化し、自然言語解析AIを使った認知症診断システムの国内初の薬事承認を目指す。
なお、同件がFRONTEOの当期以降の業績に与える影響は軽微という。
<Concept Encoderについて>
Concept Encoder(コンセプト・エンコーダー)は、FRONTEOがライフサイエンス分野に特化して開発した人工知能(AI)。自由記述のテキストデータを大量に含むヘルスケア関連のメディカルデータを、エビデンス(根拠)に基づいて有効に解析・活用することを目的に2018年に開発。ヘルスケア従事者の共通認識である「エビデンスに基づいた医療(EBM)」に欠かせない有意差検定などの統計学的手法を自然言語解析に導入、実現している。Concept Encoderはテキスト以外のデータとの共解析も可能であり、ライフサイエンス領域に蓄積されてきた遺伝子発現情報・バイタルや各種検査値などの「数値データ」との共解析の研究を進めている。
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)