JALのCVC「Japan Airlines Innovation Fund」、次世代モビリティ関連企業3社に出資
JALは、有望なスタートアップ企業への投資を行うCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタルファンド)「Japan Airlines Innovation Fund」を通じて、シームレスな移動・輸送の実現への貢献が期待される次世代モビリティに関連する企業へ出資したことを発表した。
JALでは、これまで培ってきた安全運航に関わるノウハウ、アセットを起点に、「世界中のヒト・モノ・コトの距離を縮め、豊かな社会を実現する」ことを目標に、事業領域を拡げることを目指している。その取り組みの一つとして、「シームレスな移動・輸送を実現する、総合エアモビリティサービス」の提供を目指しており、ドローンを活用した物流サービスの検証に向けた連携協定の締結や、eVTOL(*1)機材を用いたサービス提供の検討開始などに取り組んできた。
(*1)electric Vertical Take-Off and Landing(電動垂直離着陸機)の略。電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機を指す。ドローンと電気自動車の技術を融合した次世代の都市交通の輸送手段として注目されている。
今般、次世代モビリティに関連する企業である以下3社への出資に加えて、当該領域の拡大に向けて2020年1月にJAL内で新設した専門組織による成長に向けた支援を通して、各社の持つ最先端技術やビジネスモデルとの連携を深め、これまで以上にスピード感のある価値創造の実現を図るという。
出資先
■Volocopter GmbH(本社:ドイツ)
eVTOLと呼ばれる次世代型のエアモビリティを開発しており、2019年10月にはシンガポールでの有人飛行実証実験を成功させ、今後グローバルな事業展開が期待される。
■Bestmile SA(本社:スイス)
自動車などの配車管理を最適化するプラットフォームを開発、世界複数都市での導入実績があり、自動運転タクシーなどMaaSの普及に大きく貢献することが期待される。
■Fetch Robotics, Inc.(本社:米国)
Fetch Robotics社は、倉庫や工場などの大規模施設内における物資の自動運搬ロボットおよび管理プラットフォームを開発、倉庫内作業のオートメーション化により労働力不足を補完するなどの導入効果が評価され、多くの企業で採用されている。
JALは、今後、次世代モビリティ関連企業のほか、国内外のさまざまな領域のスタートアップ企業への出資、連携・共創をより一層推進していく。また、中長期的な視野で「一歩先を行く価値」の創出に挑戦するとともに、産業と技術革新の基盤の構築や、災害対応や医療などの分野での地域の課題解決などSDGs達成に向けた取り組みを推進するという。
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(eiicon編集部)