岩手県陸前高田市×東北株式会社 | EVレンタカーを用いた送迎サービスの実証実験を開始
東北株式会社は、岩手県陸前高田市横田町において、住民みずからが車を運転して高齢者を中心部の商業施設まで送迎する実証実験を、同社の保有するEV(電気自動車)で行うと発表した。本実証実験により、高齢者の交通課題の解決を目指す。
実証実験の背景と内容
実証実験を行う陸前高田市横田町は、陸前高田市の中心部から10キロほど離れた山あいにあり、バスは平日で1日5便と多くはなく、特に高齢者は運転免許証の返納などで移動が難しい人が多くなっている。この課題を解決するため、2019年8月から、住民の有志や市などが新たな移動手段の協議を続け、この地区と中心部を結ぶ乗り合いの車を、住民主体で運行することになった。
陸前高田市は、「SDGs未来都市」を標榜していることから、環境に配慮したEV(電気自動車)を活用する。実証実験の期間は、2月4日から約2カ月間を予定している。本取り組みにより、住民や交通事業者の課題やニーズを汲み取りながら、住民同士が支え合う交通のあり方を模索する。
陸前高田市の観光交通課題について
東日本大震災で甚大な被害があった陸前高田市では、交通網も甚大な被害を受けた。同市を訪れる観光客は、陸前高田市を訪れても公共交通機関に頼る以外はなく移動も制限される。行ってみたい場所があっても、自由に行くことができないことが課題だ。陸前高田市には、JR陸前高田駅を中心としたバス路線があるが、充実した交通体系が構築されているとは言えない。駅近辺にレンタカー事業者もないため、首都圏からバスなどで陸前高田市を訪れる観光客は少なく、自家用車での通過型の観光とならざるを得ない状況だ。
東北株式会社が運営する「三陸おもてなしレンタカー」とは?
「三陸おもてなしレンタカー」は、陸前高田市を訪れる観光客やビジネスパーソン、あるいは地元住民に対して、二次交通手段を提供するレンタカーサービスだ。移動の自由度を高め、市内の周遊を図る。車種に電気自動車(EV)を採用することで、環境にも配慮している。同時に、災害時においては、非常用電源としての活用や、市・避難所への電気自動車の開放を想定しているという。
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(eiicon編集部)