物流大手SBSロジコム×Pyrenee|ドライバー用AIアシスタントの商品化に向け業務提携
自動車事故削減を目指しドライバー用AIアシスタントを開発中の株式会社Pyrenee(ピレニー)は、物流大手SBSロジコム株式会社と12月12日に『Pyrenee Drive』の開発等に関する業務提携を行ったと発表した。
業務提携の背景と内容
今回の業務提携は、SBSロジコムが有する運送業務に関する知見と、今後収集する実証データをドライバー用AIアシスタント『Pyrenee Drive』の開発に生かし、自動車の重大事故の防止や安全運転に貢献することを目的とする。
ドライバー用AIアシスタント『Pyrenee Drive』の開発には、実際の車両を使用して繰り返し行ったAI学習用の実験データや、交通データを収集することが重要だ。今後ピレニーは、SBSロジコムが所有する約1000台の運送車両を対象に『Pyrenee Drive』の試作機を搭載することで、リアルな実証データの収集が可能になる。
あわせてSBSグループの「姉崎自動車教習所」のコースにおいて、自動車事故の状況を再現した試験を行ってデータを収集し、事故防止機能の開発や改善に役立てる。ドライバー用AIアシスタント『Pyrenee Drive』は、来年度中の商品発売を目指しているという。
ドライバー用AIアシスタント『Pyrenee Drive』とは?
「道路上をモニターするステレオカメラ」「ドライバーの顔認識を行うインカメラ」「リアルタイムでAI計算を実行するNVIDIA製の高い処理能力を有するGPUチップ」「タッチパネル液晶ディスプレイ」「LTE通信モジュール」などを装備。
本体に搭載するAIが物体認識と危険予測を行い、事故の可能性を感知した場合には素早く音声と画面表示でドライバーに危険が迫っていることを知らせて、事故の回避をアシストする。あわせて、独自の音声アシスタントやドライブレコーダー、ナビゲーション、音楽再生、通話なども行える仕様になるという。
さらに、発売後も、全ユーザーが体験した危機状況の映像やデータをクラウドに集めて、AIによる追加学習を続け、学習を重ねるごとに予測精度と予測速度を上げる予定だ。
代表者コメント
■SBSロジコム株式会社 代表取締役 鎌田正彦氏 のコメント
当グループでは、方針の一つに「交通事故ゼロの追求」を掲げております。 道路という社会の公器を使い営業する我々が、交通事故の撲滅に取り組むことは、当然の義務であります。ピレニーの安全に対する考え方については大変共感ができるもので、 この度の提携により開発スピードを加速してもらい、当社車両にも早期に設置をしたいと考えております。
■株式会社Pyrenee 代表取締役 三野龍太氏 のコメント
ドライバー用AIアシスタント『Pyrenee Drive』を、運送業で使用した場合にも大きな事故防止性能を発揮できるようにすることは、開発当初からの私達の大きな目標でした。今回の提携により、トラックでの性能試験や、AIの開発に必要な交通データの収集、教習所敷地での衝突模擬試験などが実現し、製品開発の質とスピードが大きく前進することを大変嬉しく思います。今回の取り組みの中で、SBSロジコムの方々の交通事故撲滅への強い思いにはとても感銘を受けました。期待に応え、事故撲滅に大きく貢献できる製品を全力で作り上げたいと思います。
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(eiicon編集部)