富士通、U.S.M.Hグループのスーパーマーケット実店舗にスマートPOSアプリを導入
富士通株式会社はこのたび買い物体験の付加価値向上に向けて、スーパーマーケットの実店舗で来店客がレジに並ぶことなく自身のスマートフォンだけで買い物ができるスマートPOSアプリ「USMH公式モバイルアプリ」(以下、スマートPOSアプリ)と、それを支える基盤システムをユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社(以下、U.S.M.H)と共同で開発した。
U.S.M.Hと富士通は、6月から事業会社の株式会社カスミの従業員向けに先行導入していたスマートPOSアプリの、ユーザビリティや機能の検証と改善をすすめ、10月21日月曜日からカスミの一部店舗で、来店客向けに展開する。これにより、来店客は会計するためにレジに並ぶことなくスマートフォンで商品登録および決済を行うことができ、スムーズな買い物が可能となる。
U.S.M.Hは、今回の展開を皮切りに11月より順次カスミの各店舗に拡大し、来年度以降、U.S.M.Hのグループ各社へ展開する。また、U.S.M.Hと同社は今後、消費者行動の把握、分析などといった同アプリの機能強化を図り、小売業におけるデジタルトランスフォーメーションを加速させていくという。
背景
近年、実店舗を持つ小売業では、消費者へのより便利で新たな購買体験の提供と労働力不足への対応などが課題となっており、デジタル技術を活用した消費者の利便性向上に向けた新たなサービスのために店舗業務の自動化・省力化の実現が求められている。
このような状況の下、U.S.M.Hはスムーズな買い物を可能とするスマートPOSアプリの提供を通じて顧客体験の利便性を図る目的で、スーパーマーケットのカスミの筑波大学店とカスミ本社内店舗「KASUMI LABO」に、来店客が実店舗でレジに並ぶことなく自身のスマートフォンだけで買い物ができるシステムを展開開始した。今後、カスミの店舗へ順次展開していくことでさらなる検証をすすめ、U.S.M.Hのグループ各社へ展開していく。
アプリとシステムの特長
■来店客向けスマートPOSアプリ(「USMH公式モバイルアプリ」)
スマートフォンのカメラを活用した購入商品登録およびキャッシュレス決済の機能を搭載。来店客は、事前に自身のスマートフォンにアプリをインストールしクレジットカードの情報を登録した後、店舗で購入したい商品のバーコードをアプリで読み取り、購入リストに商品を登録することで、レジに並ばずに簡単に決済ができる。また、セキュリティ喚起のため、来店客は決済後にスマートフォンに表示されるQRコードをサービスカウンターに設置されたQRコードリーダーにかざすことで、次回の買い物が可能となる。
同アプリの活用により、店舗従業員にとってはレジ業務の負荷軽減が期待できるため、より付加価値の高い接客などの業務にリソースをシフトすることが可能という。
■基盤システム
マイクロサービス(注1)アーキテクチャーを採用した拡張性の高いプラットフォームで、必要に応じて機能の追加、連携が可能。今回、スマートPOSアプリ向けに既存の商品、価格マスタと連携するAPI(注2)や販売管理システムなどを基盤システム上に開発した。また、利用者のなりすまし防止に向けて同基盤システム上に二段階認証による利用登録機能を実装することで安全性を高めている。
▲店内での利用イメージ
▲アプリの画面イメージ
今後の展望
U.S.M.Hと富士通は今後、消費者行動の把握、分析といったスマートPOSアプリの機能強化を図り、U.S.M.Hのグループ各社へ展開していく。また、富士通はU.S.M.Hと連携してスーパーマーケットを中心とした小売業向けにもサービスを提供し、消費者の利便性向上と店舗における労働力不足解消を支援していくという。
注1 マイクロサービス:
業務や機能などの単位で開発された小さなサービスを組み合わせて、一つのサービスを提供するもの。
注2 API:
Application Programming Interfaceの略。あるコンピュータプログラム(ソフトウェア)の機能や管理するデータなどを、外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約のこと。
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(eiicon編集部)