ドコモ×日揮 | プラントの設備点検や建設管理の安全性向上・コスト削減に向けた実証と事業創出の検討を開始
株式会社NTTドコモと日揮株式会社は、石油精製や化学などの大規模プラントに対する設備点検や建設管理を対象として、ドローンやIoTなど新たなテクノロジーを活用した実証と事業創出に向けて検討を実施することに合意した。
■検討背景
国内の石油精製や化学プラントの多くが稼働開始から30年以上経過し、保守点検の需要が高まる中、 点検にかかるコストや、高所設備における点検員の安全確保が課題になっている。また大規模プラント建設においては、工事の品質や進捗を管理するうえで現場監督者と本部との情報共有が重要になるが、海外の大規模建設プロジェクトなどでは、工事進捗情報の精査や管理が煩雑になることから効率化やデジタル化が求められている。
■検討内容
ドコモと日揮は両社のアセット・ノウハウを活用して、以下の課題解決と事業創出を検討する。
<ドローンなどによるプラントの保守点検>
同取り組みは、ドローンを用いてプラント設備を撮影し、点検者がクラウド上で保守点検のレポートを作 成し、点検情報を管理するもの。従来のプラント保守点検は、数年から十数年に一度の頻度で、莫大なコストと時間をかけて大規模に実施していたが、ドローンで点検することで、高頻度かつ低コストで行うことが期待できる。また、これまではプラントの周辺に足場を組んで目視で点検を実施していたが、ドローンによる点検では高所での作業が不要になるため、点検者の安全を確保し、短時間で点検を実施することが可能になるという。 ドコモが開発したドローンプラットフォーム「docomo sky®」と、日揮グループが提供する、プラント向け統合型保全サービス「INTEGNANCESM」をはじめとした設備管理システムや、プラントの保守点検に係るノウハウを活用した技術開発と現場実証を国内外にて両社で行い、2019年度内のサービスの提供開始をめざす。
▲設備のスクリーニング点検サービスのイメージ図
<プラントの工事進捗管理を自動化する事業の技術開発>
同取り組みでは、施工中の建設現場をドローンで撮影し、構造物を3D上で再現。続いて、再現した構造物の3D画像とプラントの3D設計図をクラウド上で比較し、その差分を確認することで工事の進捗状 況を管理する。 従来、プラント工事の進捗管理は目視や報告書で実施していたが、ドローンなどを活用して進捗管理を自動化することで、タイムリーかつ効率的な管理が可能となる。技術開発および実証は2019年度内に行うことをめざす。
▲建設管理のデジタル化に向けた技術開発のイメージ図
両社はこれまで、石油精製や化学プラントなどの利用者に対してドローンやIoT活用に向けた協議・実 証実験を進めてきた。ドコモは中期戦略の「beyond宣言」に基づき、「ワークスタイル革新」を提供する先進的なIoTサービスの創出を進めており、日揮も自社グループの新たなIT戦略である「ITグランドプ ラン 2030」に基づき、AIやIoTなどのデジタル技術を積極的に活用したビジネス改革の取り組みを進めている。 今回の合意により両社の連携をさらに強化し、ドコモが有するドローンなどのIoT関連機器やAI、5G通信に関する技術・ノウハウと、日揮が有するAIやIoTなどのデジタル技術の活用ノウハウを組み合わせることで、プラント建設・操業の効率化を実現するとともに、新たなプラントIoT事業の創出を進めていくという。
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(eiicon編集部)